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WASH OUT!! TALK LIVE vol.1(後編)

WASH OUT!! PROJECTではハンドジェルの販売利益のうち、1本につき100円を困難な状況にある途上国、及び日本の若者に寄付をします。
その寄付先を決めるために毎週、途上国の活動家や日本の子供たちの貧困等に詳しい専門家をお呼びして「WASH OUT!! TALK LIVE」を開催しています!

さて、前回は現在のバングラデシュの状況、特に縫製産業の崩壊と、そこで働いていた貧困層寄りの中間層が最も打撃を受けているということをお伝えしました。後編では情報格差とこれからの政府の動きについてお伝えします。

3)情報の格差が命の格差になっている
バングラデシュは元来食料に困る国ではありませんでした。貧しい家庭はあるものの、食料自給率は100%を達成しており、人とモノの流れがあれば、人々に食料は行き渡っていました。しかし、今回のコロナの影響により、食料を支える農家の人々が打撃を受けたこと、そして人の行き交いがなくなったため、物資が必要な人のもとに届かず、「飢え」が発生しているということをお話いただきました。
「飢え」が発生してしまうと、人々は必死に生きるための行動にでるため、それが暴力や略奪に繋がり、これから治安が悪化していくことも予想されます。そのため、政府は食料支援、困窮層の救済支援をしていると発表しているとのことでした。

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高密度の国だからこそ、人々の交流から情報が広がっていく
(以下のサイトから引用:https://www.nna.jp/club_contents/magazine/1703)

しかし、渡辺さんは、実際には政府の支援策が行き届いていない困窮層が多くいることを明かしてくれました。例えば333という電話番号から政府の情報サービスにアクセスできるのですが、そのこと自体を知らない人が多くいることがあげられます。これは、バングラデシュの人々、特に貧困層になるほど、情報交換が口頭や新聞といったものを通して行われていることが多く、人々の行き交いがなくなってしまった今、人にも会わず、新聞屋も来なくなってしまったため、彼ら彼女らがそのような重要な情報を獲得できる手段がなくなってしまっているためとのことでした。
Wi-Fi環境を持つ人々は政府からの情報を頼りに支援を受けられますが、そうではない人々は支援を受けられずに困窮していくという情報の格差=命の格差になっている状況が出来てしまっていると渡辺さんは警鐘を鳴らしています。

4)政府は今後何をするべきなのか
「教育格差の問題も、今回の命の格差の問題も、情報へのアクセスが出来るかにかかっています。」
渡辺さんはこの状況を受けて、インターネットインフラの整備を進めていきたいと語っています。しかしインターネットインフラの整備は1企業、1団体で進めるにはコストが高すぎます。今回の状況を受けて、政府がこのインフラ整備に乗り出してくれることこそが、現在のコロナ危機だけでなく、今後バングラデシュがこのような危機を迎えたときのためにもなるはずです。
ハシナ首相は2041年にはバングラデシュの経済は先進国レベルに到達するとも言っています。このような経済成長の中で、貧富の格差が開いていってしまうのではなく、国全体で発展していくためには、このようなインフラ整備が大きな助けになるのではないでしょうか。

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バングラデシュのハシナ首相
(日経電子版より引用)

また、今後心配なのは、災害の問題であるとも渡辺さんは語ります。
バングラデシュは毎年、サイクロンやそれに伴う洪水の影響を大きく受けます。あまりにも被害が多いため、緊急支援団体が数多く存在し、そのような災害のあった場所へと早急に駆けつけてきました。しかし、この人の移動が制限されている状況では支援団体が被災地に駆けつけることや、物資を送ることは難しくなる可能性が高いです。
そんな状況を想定して、災害時の支援体制を整えることも、今後政府の動きとして必要になってくるのではないでしょうか。

以上でWASH OUT!! TALK LIVE vol.1の内容は以上になります。他にも多くのお話をいただいていたのですが、特に印象に残った部分をピックアップさせていただきました。
個人的には、バングラデシュの産業構造や人々の情報格差等、危機に対してとても弱い部分があらわになってしまったことが印象的でした。経済成長も順調で、アジアの最貧国と呼ばれていた15年ほど前からは想像が出来ないほどの変化を遂げてきたバングラデシュですが、この経済成長は実は経済指標の伸びに対して、それを支える国家としての土台が追い付いていっていない「見せかけの」経済成長だったのではないかと感じました。経済指標という数字を追うとともに、その国の土台が数値に見合っているのか、支えられるほど固まっているのかという部分をもっと問題意識を持ってみていかなければならなかったなと感じました。

次回はWASH OUT!! TALK LIVE vol.2としてSALASUSUの青木健太さんとKumaeの山勢拓弥さんをお呼びしたカンボジアTALKの内容をお送りいたします。
中国の大型投資が相次ぐ首都プノンペンと観光業で成り立つアンコールワットの街シェムリアップという2つの都市が牽引しているカンボジアですが、どのような変化が起きているのでしょうか。そして本当に困っている人々はどこにいるのかを聞いていこうと思います。


文責:杉谷

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WASH OUT!! PROJECTは洗浄用アルコールハンドジェルをコロナ以前の価格で販売することを通して、1本につき100円をコロナによって非常に困難な状況に立たされている途上国、及び日本の子供たちに寄付をするプロジェクトです。みんなで協力してコロナを洗い流しましょう!

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