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あたらしいじゅもんをおぼえた

Web3.0。P2P処理のウンタラカンタラ…お、おう。
便利なんで言葉は使ってますしおすし。また動こうとしている方向は何となく分かる。JPステーブルコインとの親和性も高そうだから、とりま情報は追いかけてます。ただ言われているものが実現するか? てのはちょッと違うと考えてますが。

銀行が要らなくなる?

Web3.0では端末同士が直接つながることでデータ(通過)の受け渡しが完了する…記録はブロックチェーンに残るから銀行いらなくなる。
などということは起こらないでしょうね。だってJPステーブルコインの価値担保は銀行口座の預金額なので、銀行口座が無くなったら使えなくなる。
また物販で手元に届くまでタイムラグが生じるものに関しては、取引が成立しても物が届かない限り信用できない現象が発生するので、支払いまでの期間お金をプールするためのバッファが必要になると思われるし、そもそも資金調達なども銀行がなきゃ無理。ってことを考えれば、銀行は無くならないかな。数は減るだろうけど。

VR空間やMMOゲーム空間(いわゆるメタバース)

この中だと先程の銀行不要論が変わってくるんですよね。そもそもVR空間には銀行などないし、実物をやりとりする取引はない。それにVRゲーム空間ならクエストを成功させたら報酬がもらえたりゲーム内のアイテムを買ったら手持ちのお金(ゲーム内)は減っていったり。

そうした現象を考えた場合、イメージする世界はログ・ホライズン。

バーチャル世界から脱出できなくなり、そこで生活することとなった設定のラノベですが、VR世界でアイテムを作ったり、お金を作ったり、建物を借りたり…と現実世界をモチーフにしながら独自の経済圏を作っていく物語ですが、Web3.0で行おうとしてるのはどっちかっていうとコレですね。

Web3.0事業とは?

起点になるのはCrypto Browser。オンライン側テクノロジーでNFTとブロックチェーン。ユーザーが実際に触れる部分であるUI/UXをVR空間を含むメタバースが受け持つ構図。
キーワードを分解してみると、最近相談を受ける事が多いNFTオークションが開催できるマーケットプレイスだけがWeb3.0事業ではないと見えてくるものがあります。あと個人的にはNFTマーケットプレイスはそんなに大きくならないと感じてます。

ユーザーに近いUI/UX

まず既存サイトが提供するサービスUI/UXに現時点で問題があるか? といえば、使えないくらいにNGのものは存在していません。
機能的に壊れているなどは別問題なので放置しますが、唯一問題になっているのはマウスクリックとタップの共存くらい。
それもスマホ表示に切り替えられるサイトや、そもそもアプリとして提供されるサービスも多いので、大きな問題にはなっていません。

これがWeb3.0になって変わるのか? を考えた場合、VR空間ではゲームUIがいまのところ使いやすいので、あとはデバイスに応じてUX設計を変えていく程度でしょう。

つまりこの分野において、さほど新しいことは出てこないと考えても良さそうです。

NFTはトレーサビリティ

NFTはどうも投機的な位置づけとして見ている人が多いのですが、この技術の本質はトレーサビリティであり、データの出自証明をするためのもの。
コピーであれば、親はどこにあるのか? しっかり親まで遡れなければデータの信憑性は下がるって感じのものなんで、唯一絶対性を保証するというより、親データから何代目のコピーか? をトレースするもの。

そう考えると、現在の電子化された書籍販売や楽曲販売、映像コンテンツ販売、ゲームコンテンツ販売と相性が良いことが見えてきます。

ダウンロードを必要とするゲームやアプリ内でやり取りされるデータにNFTを付与することで、偽物対策ができるというのが使い所かな。

Crypto Browserのメリット

これはユーザー側のメリットより業者側メリットが大きい。クレジット決済がかなり浸透したのだけど、決済から自分の口座に入るまでのインターバルがそれなりにある。QR決済は入金までかなりインターバルがあく。仕入れが発生する場合、インターバル期間を手持ち現金でやりくりする必要があるので、即入金できる現金払いはとてもありがたいんです。

Crypto Browserはメタマスク・ウォレットが内蔵されています。
そのためクレジット決済をしなくても、ウォレット間でステーブルコインをやり取りすることができるようになれば、インターバル期間の存在がなくなる。このメリット、BOOTHでグッズ販売している人ならわかると思います。

またVRゲーム間(個別サービスやアプリ間)で通貨を共通化できるメリットも握っています。これはVRゲーム空間内とデジタルアイテムで収益事業をこなすベースになる可能性が秘められており、今後の動向に注目です。

ここから導き出される事業とは?

Web3.0はデジタルコンテンツ販売にすごく向いていると言えます。
コミケやデザインフェスタ、クラフトフェアなどに出かける人ならイメージしやすいと思います。小規模グループでそこそこのコミュニティを作っているのならば、Web3.0の仕組みはログ・ホライズンで描かれている世界そのものを構築できることが。

VR空間(メタバース)をゴーグル型端末だけの世界と見るのではなく、スマホやタブレット、PC、ゲーム機まで含めたデバイスで参加できる「新たなコミュニケーション空間」として見ることで、可能性は大きく変わります。

VR空間中で必要となるものを生産し、販売できるようになること。

これが直近考えられるWeb3.0事業の正体であって、その中核にはBlenderを始めとする3Dモデルデータ制作環境、Unityなどのゲームエンジン制作環境があることは間違いないでしょう。

つまるところ、デジタルデータのエコシステムとマーケットが構築されつつある場にどのように参入していくのかが新事業なわけです。

ゲーム文化と新事業空間

Web3.0を投機案件としてイメージする人が多い背景には、ゲーム文化と社会とのかかわりについてイメージできていない人が多いからでは?

この書籍は、「多元化するゲーム文化研究会」の成果論文集がまとめられています。この中に岡本 健氏がコラムを寄せており、以下のようなことを書かれています。

唐突に思えるかもしれないが、ゲームと観光には密接な関係がある。筆者はこれまで、観光とマンガの関係性を論じたり、ゲームの定義を応用して観光を再定義したりしてきた(岡本2016,2018a)。

多元化するゲーム文化と社会 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.8086-8088). Kindle 版.

過去においてもサブカルコンテンツと観光は密接な関係を保っていたわけですが、ここにゲームコンテンツも加わりつつあります。
VR空間の場合、その場そのものがゲームエンターテイメントの場であるとも言えるので、リアルな場所へ訪れなくても良くなってきます。

つまり観光地ライバルの出現が考えられるわけです。ここを仮にVR観光地と呼びましょう。するとその中ではお土産(デジタルアイテム)を販売する業者が現れてもおかしくないですし、セーブデータを預かるVR宿屋が出現しても何ら不思議ではありません。
まさにリアルな観光地との経済的なライバルとして存在する可能性を秘めているわけで、ここにもWeb3.0事業の可能性が見いだせるわけです。

Web3.0は、新世界想像と探検からはじまる

以上のことから、Web3.0に向けて必要なことは、3Dモデル制作能力と、VR空間作成能力。それぞれの空間の企画・設定能力など、いわゆる中二病的要素が満載です。

第二次アニメブームが終わったとされる1980年代後半に、パソケット(パソコンゲームソフト展示イベント)が開催され、インディーゲームが量産された時代がありました。VR空間は現在普及してないものの、この先普及する可能性が見え始めている状況は、その当時のことを思い出させます。

起業ブームがあったおかげか、事業収益化なる言葉が蔓延しており、いきなり利益確保の話が出てくる昨今ですが、Web3.0事業はまだそんな段階にありません。しかも事業収益化の方法論が従来とは全く違う中、過去の経験と空想だけでは収益化の判断はできません。(騙されてはいけない)

というわけでこの先はインディーズの時代がやってきた話へと繋がります。


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