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地方こそ力を入れなければいけないネット戦略とAIとUXについて

生成AIの未来については、下記記事がとてもまとまっているので一読をオススメです。

上記記事からクリエイティブに関する部分をもう少し業界側に偏って見た場合、新人教育に関する部分で影響が出てくると感じます。
つまりスキル教育の部分においては底上げが成されていると。
次に問題になってくるのはクオリティの部分。
30〜40年ほど前は先輩の仕事を見てクオリティを学習していた流れでしたが、特にここ10年ほどの間でそれをすることが難しくなったと感じます。
美の感覚はモヤッとしたものではなく、比較的論理・体系的に学ぶことができるるし、現代ではオンラインで学べる環境も整っているので、学ぶ人との差がますます広がる気がしてなりません。

この記事の要約

地方部の企業と都市部での企業のWEB戦略の違いや、クラウドサーバの利用、UX(ユーザー体験)の重要性、AIの活用についてとりあげました。
特に都市部の企業が地方へ移動し、都市部向けに物販やサービスを提供するための戦略や、クラウドサーバへの移行のメリット、UX改善におけるAIの役割の一部などの実態を扱っています。
またウェブサイトが単なる情報提供の場から、さまざまなサービスを提供するアプリケーションへと進化している点も触れています。

WEB戦略の曲がり角

世の中の動向をSNSで流れてくる情報やREUTERSやBloombergなどのメディア、経済指標などを追いかけていると感じる流れがあります。
とはいえ、自分の関係している周りでの変化でしかありませんが…。
その一つがWEBサイトにまつわるもの。

ウェブサイトは地方から都市部へモノ・サービスが売れる店舗でもある

地方部の企業でこの話をすると、「ホームページを作っているけど売れない」という答えがほとんどを占めます。しかし見方が自分中心かつ身の回りで見える範囲しか見ていないためで、本質を見過ごしてしまっています。

地代・家賃が高い都市部の企業が、地代・家賃が安い地方部に移転して、都市部向けへ物販をはじめ、サービスを提供し始めていることこそが本質。
傾向は下記記事に。

都市部企業と地方企業のWEB戦略差は明らかで、都市部企業は最新の技術やインフラへ積極的に投資しており、クラウドサービスやAI、ビッグデータ解析などに多額の設備投資を行っています。対して地方部企業は、コスト削減や効率化を重視し、必要最低限の設備投資を行う傾向みられます。

この差はウェブサイトにも表れており、特にECサイトとそのECへ続くランディングページ、さらにきっかけとなるWEB広告やイベントソリューションの力の入れ方はすさまじく、同じ地域にいながらそれだけの力を入れている企業と何もしていない企業とで同じ結果が得られるわけがありません。

都内に数店舗開店することを考えたら、同額すべてECへ投入してもおつりが来るくらいですから。

レンタルサーバからクラウドサーバに流れる意味

WordPressを使った企業サイトは多いのですが、そのときレンタルサーバの話は必ずついて回ります。
さくらインターネットやXサーバ、NTTコミュニケーションズが地方部だと良く聞く名前です。都市部だとここにKAGUYAが入ってくるときが…。

しかしここ数年、AWSやMicrosoft Azureといったクラウドサーバサービスでウェブサイトを展開する事例が増えています。

ここで注意が必要なのですが、クラウドに移行した方がコストが安いという事例は、ウェブサイトをフル稼働させている状態が前提になります。
フル稼働とは…ページ閲覧数が5万/日くらいあることは最低条件で、ECをはじめ、企業活動のサービス提供がそこで成り立つなど、サーバに常に何かしらの負荷がかかっているような状態のことを差します。

つまり通常のレンタルサーバだと、最上位プランに入っても処理が追いつかなく、複数のサーバを使って処理を分散させたり、ECサイトが止まらないようにサブシステムを常に動かしたり、セキュリティ対策やCloudflareなどを使ってサイト表示速度を上げたりするくらいのコストがかかっている状態だとクラウドサーバサービスに切り替える意味があるということです。

ウェブサイトではなく、ウェブサービス(アプリケーション)に変化

WordPressを導入する前に、なぜWordPressが必要?を考える前に導入しているケースが大多数を占めているため、多くのサイトで導入後のメンテナンスコストが計上されていません。
しかし現在、ウェブサイトはさまざまなサービスを提供する存在へと変化してきました。
WordPressもフルサイト編集という新しい仕組みが導入され、ノーコードでサイトの組み替えが可能となったことで、コンテンツ提供サービスのアプリケーション化が始まっています。

WordPressに限らずですが、WEBサイトには何らかのサービスを提供する設計が必要になってきたことが大きな変化の一つです。
問い合わせ機能一つとってもアプリケーションサービスととらえていく流れができています。単純にメールアドレスと問い合わせ内容を送信するだけではなく、チャット機能であったり質問に応じたコンテンツページの自動案内機能を提供したりと、利用者側に寄り添った考えが入るとともに、さまざまなデータ収集を行う仕組みも取り入れられています。

ウェブ戦略はUXが要に

UXは専門用語。日本語だと「ユーザー体験」ですが、シンプルにサービスを使う人が感じていることと思ってもらえば分かりやすいです。
これが人のサイトならかなり文句を言いやすいのですが、いざ自前のサイトとなるとなかなかダメ出しができなくなります。
アクセスをたくさん集めているサイトは、このあたりがうまく解消するように、高頻度でページの校正やコンテンツそのものを改修しています。

UX改善とAIの活用について

AIの登場で、UX改善について非常に楽になりました。準備をしておくのはサイトの行動データ。Google Analyticsが有名どころですが、MicrosoftのClarityをおすすめします。

ここで取得したデータをAIに読み込ませて、ユーザーの行動データを分析します。こうして行動データを蓄積していくことで、やはりAIを使って将来の行動予測をすることができます。
それらのレポートを元に、足りないコンテンツや機能へのアクセス、商品へのアクセスを改善し、改善結果のテストを自動化。そのまま行動をリアルタイムに分析することもできます。
またAIチャットボット(アバターボット)を設置することで、自動でユーザーの質問に答えることができます。
これらの改善はAI以前だと専任の専門知識と有したチームがアクセスデータを解析・分析し、改善案を提出したのちにテストをするという流れを繰り返してきました。
この分野でのAI活用は非常に有効となっています。

jQueryからReact

制作側の話になりますが、ウェブサイトに動きをつけるのは長らくjQueryという仕組みを使っていました。最近ではReactという仕組みを使うことが多くなったのですが、その理由がまとめられていました。

この変化はウェブサイトデザインにおいて、グラフィック要素だけでなく、機能へのアクセスを見やすく、操作しやすくかつ実装しやすくすることを重要視し始めていると捉えるのが自然です。
例えるなら、ゲームプレイ画面を作り込むイメージでしょうか。

まとめ

ウェブサイトは地方から都市部へモノやサービスを売る店舗として重要視され、クラウドサーバやAIの活用が進んでいます。
残念ながら地方の中小企業さんと話していると、WEB戦略に力を入れている企業の実態が見えにくく、また実感が湧きにくいため、ウェブサイトの活用まで考えが及んでいません。
反面ウェブサイトを作った期待としてはWEB戦略を推進している企業がやっていることと同等のことを望んでいます。
人的リソースが避けないのは理解できますが、うまく事が運ばないのはウェブ制作会社やデザイン会社の責任ではありません。ましてWordPressはなんの責任もないのですが…。

ユーザー体験(UX)がウェブ戦略の中心となり、AIを活用したUX改善が進んでいます。
都市部のWEB戦略に力を入れてきた会社ではこの業務をずっと回してきました。そのノウハウもかなり蓄積されています。そうした流れから製作技術も jQueryからReactへの移行が進み、ウェブサイトのデザインと機能の向上が図られています。つまり表面を真似するだけでは期待している効果は得られないのです。
地方企業は都市部企業と比べて最新技術への投資が少なく、WEB戦略において差が生じていることに気を配らないといけなくなっています。

また顧客に商品を売るのではなく、顧客の時間を頂き、体験を提供することへ価値観が変化していることに意識しないと辛くなると思います。


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