叱られるととても傷つく人
本日は、叱られるととても傷つく人、というテーマでお話しします。
最初このテーマで動画を上げたのが2022年2月19日です。
およそ2年半前ぐらいに撮りました。
益田裕介もこの2年半で成長したので、同じテーマで色々お話しします。
◾️治療のゴール
何か叱られてるということなので、何かあったんでしょうね。
トラブルや失敗があって、誰かから怒られてる。
傷つくのはみんなそうなんです。
僕も傷つくし、怒られたら申し訳ないなんて傷つくし、嫌な思いをするんです。
嫌な思いをさせてるんだけど、まあ仕方ないんですけど、まあ仕方がないと思えるかどうかというのが治療のゴールなんです。
怒られちゃったな、やっちゃったな、これ言い過ぎちゃったな、これさわきさんにちょっとひどかったかな、中川さんに対してちょっと配慮足らなかったな、とよく思うんですよ。
色々リョーハムさんに対して、これな~、と思ったりすることもあります。
逆に僕は上司が今いないので、上の人がいたら、怒られても別にお前が給料くれるわけじゃないし、上の人に対しては、だから何なんだよ、と思ってしまうところは、やんちゃな部分はなくはないんですけど、どちらかというと一緒に働いてくれてるメンバーに対して、あれは悪かったな、患者さんに対しては悪かったな、とよく気にしてないのかもしれないけど、ちょっと自分の中では思うことがあります。
でもそれに支配されることはないんですよ。
その時のうわ~という気持ちですよね、この不安や怒りや悲しみ、相手のことを感じたりすることの。
これでウジウジ悩むというか、悩むのは悩むんだけど、そこに囚われないというのが健康というか、治療のゴールでもあるし。
ここに囚われているというのが病的なんです。
囚われて次の行動が移れない、囚われてしまって正常な判断ができない、合理的な解決策を提示できない、合理的な選択肢を取れない、行動ができないことが病気であって、傷つくこと自体は別に普通にいいんです。
人間とはそういうものです。
不安を感じるのが扁桃体という臓器なんですけど、脳の中の。
これがなくなることはないので、あります。
先に大脳皮質、理性や知的能力が落ちても、扁桃体は認知症になってもまだ残りますから、そういうものです。
これに支配されないのがゴール、支配されているのが病的ということです。
仕方がないと思って割り切る、切り替えられるか、扁桃体がうわっとなっても理性の力、前頭葉で抑えることができるのか。
これが治療のゴールになります。
トラブルや失敗に対して仕方がないと思えるのか。
相手に対して、でもこの人怒り過ぎだよ、と思うかもしれないけど、こういう人なんだな、悪いな、でもこの人はこういう弱さがあるんだな、強みがあるんだな、だから仕方ないなと思えるのか。
自分に対しても、同じ人間だし弱いんだから仕方ないじゃないか、そういうことです。
仕方ないなと思えるというのがいいんですけど、思えない人たち、思えてもなかなかこのドキドキが止まらない人というのが病的ということになります。
◾️どう考えていくか
どういう風に考えていくかというと、ひとつ目です。
まず診断や薬は適切か、必要か必要じゃないのか、ということです。
例えば、不安になりやすいんだったら不安障害、対人不安だったら社交不安障害、そのまま避けてしまって日常生活を送れなくなるのなら回避性パーソナリティー症、それでもうリストカットしないと落ち着かないのだったら依存症など、自傷行為の依存行為になるだろうし、色々あります。
発達的で治まらない、衝動的、色々あります。
そういう診断は医師の元でないとできないんですけど、これは受診してもらうとわかるのかなと思います。
扁桃体が活動しやすい人がいるんです。
不安を感じやすい人というのがいるので、そこに対して抗うつ薬を使ってあげると不安を感じにくくなるので、抗うつ薬を使ってあげるといいです、特に月経前気分不快症がある人は抗うつ薬が結構効くので。
もちろん抗うつ薬を飲むことによって不安が全くなくなるということはないんですけど、でもちょっと弱まるので、入れてあげていいんじゃないかなという気はします。
あとは他の診断を見直すとか。
見直してみるとかあります。
あとは強迫性障害みたいな形で、失敗するんじゃないか、頭でわかっていても止められないというものもあるし。
これも抗うつ薬が有効です。
あとうつ病です。
疲弊してしまっている場合はうつが疑われるので、疲弊してしまって食事や睡眠がとれない、意味もなく悲しくなってしまうのはうつ病を疑うので、それも抗うつ薬、と。
あとは境界性パーソナリティ症みたいな形で、対人イメージがグチャグチャで感情のコントロールが難しいパターンもあるので。
人間というのはこういうものであるってのがすごく何かグチャグチャしちゃってる。
親子問題があったり、親が感情的すぎて、嫌われる、怒られるということがすなわち死を意味するような、食事を抜かれる、そのときの教育的、色々な意味の虐待みたいなもので、感情のコントロールが苦手な人もいるので、そういうのを合わせて薬を使うということです。
結局、心は脳なので、なぜ私はそうなんだろうと思うと、脳の原因です。
それは脳が持っている元々のハードウェアの問題かもしれないし、考えた方や知識や経験が足りない、ソフトウェアの問題かもしれないですけど、色々あるそれぞれの問題、人によって結構違うんですけど、これは診断しないとわからないんですけど、そういうのがあります。
結局、傷ついて、なぜなんだと思うかもしれないけど、will not = cannot なので、精神科の世界は。
できないのは仕方ないんだよね。
やらない、甘えてる、じゃなくて、できないんだよね。
できないからどうやってできない問題を解決していきましょうか、ということになります。
次は問題です。
問題の整理と解決
その人が今抱えている問題を整理して解決していくということが大事です。
トラブルがあって失敗がありました、そこに囚われていたらダメで、それをどうやって解決していくのかと切り替えていくことが大事なので、切り替えるにしてもどんな問題があるかよくわからなかったりするので。
仕事のトラブルだけじゃなくて、プライベートのトラブルだってあるだろうし、彼氏との喧嘩もあるかもしれないし、家の片づけ、水道代を払う払わない、そういう細かいところまで含めてたくさんの問題があると思うので、その問題、課題を全部整理して、一個一個解決していくということが大事です。
泥臭くやっていくということです。
それをやるにも、そもそもなぜ問題が生まれているのかというと、問題が問題を生んでいること、自分の考え方が歪んでいる、認知の歪みがある、世界とはこういうものであるという、そのモデル自体が歪んでいる場合があったり、無意識に支配されやすかったり、認知バイアスを受けやすい、人間が持っている本能の影響を受けやすい場合は、そこに気付いて修正していく必要があります。
あとはトラウマがあったりすると過去の嫌なイメージに引っ張られやすいので、トラウマの治療というのも結構重要だったりします。
最終的には、じゃあ色々なことがわかりました、私はもう頭でわかってるんです、でもキツいんです、という場合は、もう慣れていくしかないのよね。
慣れるというのも大事で、やはり正しいことなんだとわかっていても不快なんです。
ありますよね。
僕も受験勉強や医学部の医師国家試験の前の勉強、レスリング部だったんですけど筋トレとか、頭ではわかっているんです、やらなければいけないと。
わかってるし、やろうと思ってるんですよ、やりたいんですよ、でもやれないんです。
それはcannotの要素もあるけど、苦痛だからやりたくないんですよ。
なのでそこをやるということです。
だけど一気にやるとキツいので、やれるところから暴露療法的にやっていく、ストレスのきつくないところからやっていく。
勉強だったら1日30分できるんだったら、30~35分を頑張ってみる。
35分に慣れたら40分やってみる。
僕の場合は勉強を家でできなかったから、とにかく駅ではやる、電車の中ではやる、僕は岡山で田舎だったんで電車でできたんですよ、駅の中で勉強できたり。
あとはプラットホームで電車1本乗り過ごしてもいいから、ここは30分やってから帰る、そういう形で5秒でも10秒でもいいから時間を延ばすみたいな努力や工夫はしていました。
筋トレも同じ、と。
ちょっとずつやっていくと結構できるんです。
あとはマインドフルネスといって、座禅をして、呼吸でコントロールしてあげる。
こう目を閉じて呼吸をしていくと落ち着くんです。
不安な時というのは心臓の動きも速いし、呼吸も浅いんです。
でも、呼吸を強制的に意図的にゆっくりしてあげると、だんだん心臓の動きもゆっくりになっていって、頭も冷静になっていくんです。
感情に支配されにくくなる。
あとは何分でできるかということなんです。
これをやり続けることによって、呼吸と心臓と脳の動きの連動が早まるので、運動してる人がちょっと準備運動をするだけでぶわっと汗が出るみたいに、やっていくと結構スムーズに入りやすくなるので、もちろん限界はありますけど、すごいドキドキしてる時には効きにくいですけど、それでもやっていくということで、ちょっとでも成長していくというのが大事です。
傷つきやすい人はいます。
僕もどちらかというとそういうタイプなんですよ。
ずっとウジウジ考える。
ウジウジ考えているからこんなYouTubeをやってるわけで、飽きずに。
◾️ラーニングゾーンにいる
でもそのどれくらい学ぶかということなんですけど。
楽すぎず、苦しすぎない、ちょうど中間ぐらい、適度なストレスがかかってる状態がラーニングゾーンと呼ばれるところなので、楽すぎるコンフォートゾーンにいすぎないで、かといって苦しすぎないゾーンにいればいいんです。
ラーニングゾーンにいれば、結果的に傷つきやすいまま定年を迎えても、寿命を迎えてもいいんです。
世間の人よりは傷付きやすいかもしれないけど、本人の中ではずっとラーニングゾーンに留まり続けた、少なくともラーニングゾーンにいられたんだと思えるといいんですよ。
それはもちろん、日によってはコンフォートゾーンだったりパニックゾーンだったりするけど、少なくとも自分はラーニングゾーンにいるということを意識し続けたということが大事だなと思います。
じゃあどこを目指すのかというと、精神科の治療というのは二つポイントがあって、仕方がないということと、生まれてきてよかったと思える瞬間、この二つなんです。
仕方がないと思える、生まれてきてよかったなと思える瞬間を一回でも多く増やすということだけでしかない、というか。
あとは心というのはただの機能でしかない、無常無我ですから世の中は。
何かを達成するために生きてるわけじゃなくて、世の中は無常なので変わっていくので、達成したもの、得られたものは常になくなるし。
無我、自分でさえ変動して変わっていく。
脳は今の目の前の問題を解決していくだけのただの一つの機能でしかないし、心もそうなんですけど、それでもなお唯一の救いがあるとすれば、生まれてきてよかったと思えるこの瞬間をちょっとでも増やしてあげるというか、そういう実感を得る瞬間を増やしてあげるということなので「生まれてきて良かった」を目指すような経験や学びが大事なんだろうなとは思います。
これを意識してラーニングゾーンに留まればいいじゃないかということです。
別に叱られる、その相手なんかある意味どうでもよくて、自分の人生をちゃんと生きれたらいいんです。
あるがままの自分をもっと認めてあげて生きるという、ただそれだけなんですけど。
でもなかなかそういう経験を持てない患者さんはたくさんいるので、そういう親の教育を受けてこられなかった、親もそういう教育を与えてあげられなかったということがあるので、苦しくなってしまうんですけど、でも本当にそれだけなんです。
何とか療法、何とかメカニズム、色々学ぶことも大事だし、良いし、僕も好きですけど、そんな難しいことを言わずに、この2点だけ守っていくことをやれればいいんじゃないかなという風に最近僕は思います。
あとは地道に、今の日常の問題を愚直に解決していく。
その解決、それがすなわちゴールであり、修行であり、過程なので、トレーニングであり、そういう境地ということなんですけどね。
ということで、今回は、叱られるととても傷つく人、ということで2年半前の動画をセルフリメイクしてみました。️
◾️本日の宿題
今日の宿題ですけど、皆さんが嫌だったことを1個挙げてみて、でもこの失敗やトラブルは仕方なかったな、自分のせいというか、こういうものの積み重ねで起きちゃったんだな、起こるべくして起きちゃったんだな、もしくはたまたまだなと思えるか、相手に対してどう仕方がないと思ったか、自分に対してどう仕方がなかったのか、を一回言語化して書き出してみてください。
そうすると、少しずつ仕方がないと思えるようになってきますので。
https://www.youtube.com/watch?v=w4QxO44r47I
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