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ADHD/ASDの長所|精神科医目線で語ります

本日は、雑談っぽいと言えば雑談っぽいんですけど、ADHD/ASDの長所を語ってみます。

発達障害におけるADHDの人の持っている長所とは何なのか、ということを皆さんと話してみたいなと思います。


◾️ADHD/ASDの特徴

ADHDの特徴は何かというと、多動、衝動性、不注意というこの3つなんです。

同じ発達障害でもASDというのがあって、自閉スペクトラム症ということですけど、しばしば合併することが多いのですが、ASDの特徴は、こだわりが強い、感覚過敏がある、他人の視点に立てない。

他人の立場で考えたりするというメタ認知がすごく苦手だったり、抽象化していく、そういう力が弱かったりするんですけど、乗り移るというか、憑依体験みたいなのが苦手なんですけど、こういうのがあります。

しばしば合併していることが多いです、ASDとADHD。

◾️ADHDの人の長所

長所の話をすると、僕が発達の人の長所だなとよく思うのは、内側からの情熱があるんです。人の意見じゃないんですよね。

内から出てくるみなぎるパワーみたいなものがあって、忘れたりすることも多いんですけど、子どもを見ているかのような、そういうみなぎるパワーというか、内側からのものがありますね。

そういうのは普通の人から見ていると、すごいなと思うときもあれば、怖いなと思うこともあるし、尊敬できるなと思うこともあれば、子どもじみてバカっぽいな、お金にならないのにと思うこともありますけど、こういうのもあります。

発達系の人は出世している人が意外と多いというのもあるけど、それ以外にもクリエイターに多いんです。

クリエイターの人、インフルエンサーの人はよく持論を言うんです。

内側からの情熱を大事にしろ、自分のやりたいことをやるべきなんだ、とよく言うんですけど、一般の人もその勢いに、ああそうなんだ、と思うけど、実際には彼らが言ってるのと違うし、発達の人は良くも悪くも自分の意見を押し付けてくる感じがあったりして、そういう感じなんだろうなと僕は見ているとよく思いますけど、でもいいところです。

こういう言い方すると意地悪な感じになっちゃいますが、良いところでもあるのであれです。

結局、一般の人、定型の人は、自分の欲望というのが弱くて、他人の欲望を模倣することによって欲望を取り込むということをするんです。

定型の人はどちらかというと、「あの人が欲しがっているものを私も欲しい」というところからスタートするんです。

ADHDの人もそういう要素がないわけじゃないんだけど、どちらかというと内側からの情熱、自分がやりたいからというのが強かったりする。

この衝動性というのが時に感情的だし、怖かったりもするんだけど、面白いですよね。

興味深いなと思います。これが一つの長所かなと思っています。

◾️ASDの人の長所

ではASDの人の長所は何なんだろうというと、ASDの人の長所はこのこだわりです諦めない、良くも悪くも。

諦めちゃダメだよ、と僕らも言われてるし、でも100回くらいは挑戦できるかもしれませんが、ASDの人は5万回、10万回と、本当に努力家の努力マン(わからないかもしれないですが)が昔いましたが、ASDの人の努力はちょっと違います。

本当にロボット的というか、みんながいなくなってもやり続けるみたいな。

博士が死んだ後も世話をし続けてるロボットみたいな、あれぐらいの狂気というか、100万回、1000万回でも同じことができますから。

努力とは違うというか、これも定型の人とは一線を画します。

ある種本当に才能と呼ばれるヤツです。

普通の人から見たら才能がすごいなみたいな、そんなやついるのかみたいな、びっくりされるけど、精神科の中では結構よく見られるし。

でもこれも表裏一体ですよね。100万回もやってしまうがゆえに障害になることもあるし、うまくいかなくても99万回目で突然うまくいったりして、そこから花開くこともあるので、不思議だなと思います。

あとはこの感覚過敏というのもすごいです。
普通の人はわからないでしょ、みたいなというのも結構ありますね。

ワインの味だったら大雑把にわかるかもしれないけど、本当にわかってしまう感じ、細かい香りの違い、年代を当てちゃうとか。

それもソムリエとしての修行がそんなにないにもかかわらず、みたいな。

当たってるんだか当たってないかすら僕らはもうわからない、みたいな。

この過敏さというのがあります。

音も聞き分けちゃうとか、音質が違うよねと言ったりして。

それほんとわかってんのか、と普通は思うし、普通の人は言ってるだけなんですけど、本当にわかってしまうのがASDの人の才能です、本当に。

普通の人は感じられない細かい差に気付けてしまうのも一つの才能だなと思います。

もちろんこれがあるがゆえに苦しい、食べ物の好き嫌いが激しいなど、色々あったりしますけど、これも裏表です。

よく「人生をどう生きるべきか」みたいな形で、発達傾向が強いインフルエンサーはたくさんいてよく語ってます。

語ってるけれど、内側のことが大事なんだ、諦めないことが大事なんだ、と言ってますけど、種類が違うというか、質が違うくらいのパワーがあるので、そこは本当にすごいなと思うし、この才能をどう活かしてあげたらいいんだろうというのは、僕も常に臨床の中で思いますけど、なかなか思いつかないというか、ありますね。

でも本当にそういうのがあって、これは本当に長所だなといつも思っています。
今回は発達障害の人の長所についてお話しました。

◾️本日の宿題

タイトルにもしたいので、発達障害の人に向いてる仕事、というテーマで動画にしようかなと思うので、こういう特徴を踏まえて、どういう仕事が向いているのかということを、皆さん、アイディアをもらえたらいいかなと思います。

内側からの情熱を重視するということだったら、探検家、旅人、YouTuberなどが向いてたりします。

こだわりもあったりすると、ソムリエ、写真家。
未知なることに挑戦する感じだとアスリートとか。
色々採算度外視でできますからね。

人が羨むとかそういうレッドオーシャンじゃなくて、ブルーオーシャン的なところで、他の人はそんなに興味がないけれど、自分は好きで同じことを続けられる、内側からの情熱を感じられてるということのことをするのがいいとは思います。

発達障害の人はマニュアルがあった方がいいとよく言うんですけど、一方でマニュアルがない世界だからこそこの特性が活きるということもあるので、難しいんですよね。本当に思います。

では皆さんもこういう人、こういう特性を踏まえてどんな仕事が向いてるのかということをちょっとコメント欄で書いてもらうとありがたいなと思います。

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