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精神疾患はどのように受け入れられてきたか?
本日は、視聴者さんからの質問にお答えします。
題して、精神疾患はどのように受け入れられてきたのか?というテーマです。
一番左側が精神疾患の名前、どんな病気があるのかをだいたい一覧にしています。
統合失調症からうつ病、躁うつ病からPTSDまで、LGBTQというのは今は精神疾患には含まれてないですが、過去に精神疾患の中で性同一性障害という形で病名に含まれていたのと、今日でも診断を受けないと薬物療法を受けられない、ホルモン療法を受けられない、手術を受けられないなどあるので、一応ここに入れてます。
あとバツもつけてます。
という一覧です。
現代史を語る上で、僕は歴史の専門家でもないですし、この動画を撮るにあたって準備は少ししましたけど、ガッツリしたというか、本を書くように準備したわけではなく、あくまで自分の主観的な印象も踏まえてわかりやすく伝えようと思っていますので、主観を加えることでわかりやすく伝えようと思っていますので、自分の年表も入れています。
右側がどのように受け入れられてきたかという歴史です。
ということになります。
現代史は書かれてるものが少ないんです。
歴史に詳しい方は色々ご存知だと思いますけど、現代史はまだ時間が進行形だから書くのが難しいんです。
きちんと精神医学、精神疾患の歴史をまとめようとすると難しいのと、専門的な知識が必要とされるのと、あまりにもマニアックなのでそこにマンパワーが割かれてない、そういうことからかなと思いますので、今回はあくまで益田裕介の主観、独断と偏見で話をさせてください。
️
◼︎益田のこれまでとこれから
僕は84年生まれなんです。
ギリギリ昭和という感じです。
2010年医大卒で、2018年が開業医で、2019年からYouTubeを始めて翌年にコロナが流行し、2022年からオンライン自助会、家族会というのをやってます。未来の話もしようと思っているので、今年中に出版社を立ち上げたというか、出版社の資格を得ている、と。
AIの導入を検討していて、2044年がちょうど60歳なので、ここから仕事を減らしていって、2054年で引退かなという風に思ってます。
引退してここから先に、後は死という感じです。
あと30年以上生きるのかという感じですけど、まあまあそんな感じです。
僕は精神科医オタクで、実は。
心理学オタクで、中学生くらいから結構好きなんです。
物心ついた頃というか思春期に入った頃が、キレる17歳、オウム真理教、そういう事件があった時なので、阪神淡路大震災とか、何となく僕は暗い、暗いというか、そういうものにすごく興味を持ったというか、原体験として。
インターネットもあったので、インターネットでそういう記事を見るというのが好きだったんですけど。
そこで色々な人が書いているブログを読むのが好きだった。
そこからスタートしているんですね。
◼︎受け入れられていく過程
そこからスタートしている僕から見ると、歴史とはどんなものかというと、今日の薬物療法を中心とした精神医学は1950年くらいから始まるんです。
50年代ぐらいから精神科の抗精神病薬、統合失調症の人に使う薬が出てきて、それまでは管理するというか、入院させるだけだったんですよ、治療って、言ってしまえば。
カウンセリングなどもやっていましたけど、基本は入院して管理するというのが精神医学で、50年代ぐらいから薬物療法が出来るようになってくる。
こういう薬が効くんじゃないかというのを、抗精神病薬はもともと麻酔薬ですからね。
オペとかで使う麻酔薬なんですけど、そこを改良していって抗精神病薬というのは生まれるんですけど、そういうのが出てきた、と。
一番最初というのは人権問題なんです、まず。
統合失調症の人を長期入院させていて、だけど彼らの人権はどうなのかというところ、入院と人権のあり方というのをまず精神医学というのは中心にしていたんです。
最初は統合失調症の人の人権がなかったんです。
なかったところを人権を得る、そういう形で今日は受け入れられるようになってきてます。
犯罪があった時には、彼らにも同じように責任を負わすべきだ、死刑にするべきだというのもあるけれども、一方で病気なんだから可哀想じゃないかという意見、早く治療につなげられたら良かったね、早く入院させてあげたら良かったね、早く措置入院させてあげた方が良かったねという意見は結構多い。
そういう意味では受け入れられるようになってきているのかなと思いますね、この50年で。
僕のクリニックで働いてくれていた心理士さんで、70年代から働いて臨床をされてた人がいたんですけれども、そういう人は、初期はこういう闘いをしていたと教えてくれました。
もうちょっと過ぎてくると、摂食障害、依存症、パーソナリティ障害、特にボーダー(境界性パーソナリティ障害)の精神療法が注目された時代が来てたんじゃないかなという気がします。
おじいちゃん先生たちはここら辺の精神療法を研究していたり、やってた人が多いです。
精神分析や精神病理学ですね。
ここをやっていた人たち、古典を読みながら色々精神療法を研究した人達のものを僕はネットで読んでたんですよ。
それらの本を読んで、読み砕いたものを読んでいたというか、そういう記憶があります。
90年代からはうつ病です。
うつ病の抗うつ薬というのが進化して使いやすくなって、SSRIとか、あと精神療法も認知行動療法という形でマニュアル化していくというのがありましたという感じですかね。
うつ病もSSRIという抗うつ薬が出た時に一般化してきたというか。
SSRIの時に製薬会社がお金を入れて広告していったんです。
うつ病というのは誰でもなるんだよということで、偏見が減った反面、商業的になり過ぎちゃったという負の側面もある、つまり功罪があるキャンペーンだったんですけど、おかげでうつ病というのは広く知れ渡ったという感じです。
僕が医学部を卒業して精神科医になる時には、どちらかというとこのイメージというか、うつ病や精神疾患も脳の病気だよね、だから薬物治療していこうよ、しっかり病気の説明をして、マニュアルに沿ってやっていこうよ、というのが僕が卒業した頃のイメージです、2010年ぐらいは。
そういう教育を当たり前に受けてたというイメージがあります。
自分が医者になってからどういう風なことが起きていたのかということですけど、最初は、うつ病というのが診断され過ぎてるということだったんです。
うつ病というのは内因性疾患で、ストレスで誰しもうつになるんだけど、何でもかんでも薬を出してはいけないよという。
病気で変になってしまったのではなくて、薬を飲まなければ100%治らないというものではなくて、そうじゃなくて単純に色々仕事の問題などでストレスがたまってきたのだから、薬ではなくてまず休職などそういうことを考えなければいけないよね、パワハラの問題、業務負担が大き過ぎるなどであれば薬を飲んでも良くならないので、そういう産業医的なこともやらないといけないよねというところが最先端でしたね、当時は。
今は働き方改革が始まったり推進されて、そういうパワハラやブラック企業は良くないよというのが世間の風潮になってますけど、その当時はちょっと違ったんです。
あとはパニック障害ですね。
芸能人が、自分はパニック障害なんだ、発作が起きるんだ、ストレスが溜まっていって緊張がひどい場面だと過呼吸になってしまうんだということを告白する、こういうのは恥ずかしくないんだよということを告白するのも始まっていったという感じです。
ちょっと順番を間違えました。
こっちの一覧を消していかなければいけないですね。
統合失調症をやって、うつ病を90年代でやって、うつ病+α、適応障害とかそういう関連疾患もやっていると。
パニック障害の告白もあったよと。
摂食障害、依存症、人格障害も昔やってたねと。
ここら辺なんですよね。
あと解離性障害も、ここら辺はヒステリー研究をやっていたって感じです。
ただ十分じゃないのかなということです。
2018年とか、僕が開業医になるぐらいから、発達障害、大人の発達障害というのも結構一般的になっていったという感じです。
特に発達障害の診断がすごく狭かったんです。
当時はスペクトラムという概念よりは、自閉症の子、アスペルガーというもいるけど、かなり狭く捉えてたんです。
今みたいにマルチタスクができない、遅刻が多い、そういう人達は発達障害と診断するのかというのがよくわかってなかったというか、スペクトラムみたいな概念で捉えきれてなかったですね。社会的には何とか喰らいついているけれども、やはり発達障害傾向がある。
そういう人に対して薬を使うことでエンパワーメントしてあげるのはどうなのかいうことが考えられ始めた時期という感じです、2018年。
そういう中では、昔ながらの精神療法やマニュアル化された認知行動療法が有効というよりは、どちらかというと福祉の現場で、就労移行支援や自立訓練でガッツリ生活を共にしながら、細かく「ここが変だよ」「ここが変だよ」「こうした方がいいよ」というティーチングをすることが重要だとわかってきた、当たり前になってきたという時です。
今は発達の問題です。あと認知症というのも問題行動を起こす人達が多かった。
問題行動というか、認知症の症状なんですけどね。
だから精神科の領域でも認知症が診られてたというのもこの時期です。
今では当たり前ですけどね。
こんな感じですね。
コロナの時に色々あったんです。
コロナをきっかけに皆がこもって色々なニュースやSNSが急速に発達した。
そしてYouTubeも発達しました。
そういう中で宗教二世の問題、性被害の問題が、ニュースだったり、そこでのSNSの議論を通じて一気に拡散して、複雑PTSDなどPTSDの概念がちょっと広くなっていったという背景もあるんですけれども、診るようになってきたかなという感じです。
あとは発達障害が一般化した時に、発達障害の家族のうつ、カサンドラ症候群とか。
旦那さんが発達障害、奥さんが発達障害、子どもが発達障害、それを取り巻く家族の負担、うつ、認知症の家族が介護することからくるうつも広く診るようになってきた、と。
こういうものは、PTSDもそうですけれども、薬物療法では良くならないというか、むしろカウンセリングを通じて自分を発見し、セルフセルフケアの方法を身につけて、そして今までの固定概念に縛られず、精神医学を学びながら、もう一回モデルチェンジしてあげるみたいな作業が必要で、そういう中でオンラインカウンセリングや僕のYouTubeはうまく引っかかったのかなという気がします。
だけど、それだけだとやはり一方通行で良くなくて、自分から発信したり、当事者同士のコミュニケーションというのもすごく学びがあるということもあったので、海外ではオンライン自助会やオンライン家族会、患者会が結構あって一般的なんですけど、英語圏ではそうなんだけど、日本ではあまりないので益田裕介が2022年に作ったという感じです。
うまくいっているのかというと、うまくいってるところもあるし、その限界性を感じたりするということもあります、というくらいですかね。
こういう中で少しずつ知れ渡ってます。統合失調症やうつ病は一般の人も受け入れつつあるし、適応障害やパニック障害も病気なんだなというのもカッコ△ぐらいですね。
PTSDやカサンドラについては、まだ一般の人は知らないし、病気じゃなくて甘えだと言ってるような気がします。
️◼︎精神科臨床の最前線
精神科の臨床の最前線だと、今何が問題となってきているのかというと、境界知能や男性差別の問題です。
こういう人たちが不適応を何度も起こしてしまう。
会社側が体制を整えたり、周りが整えても他の人と同じようにできなかったり。
仕事はうまくいくけど、今度はもう仕事で疲れ切ってしまって、過剰適応して疲れ切ってしまって結婚できない、友達を作れない、それでうつになってしまうという次の問題。
陰謀論や反精神医学の人たちで陰謀論に騙されてお金を取られちゃっている人たち、それでうつになってしまう人たち。
陰謀論を信じている中で感情的に集まったコミュニティだから、そのコミュニティの中でもピラミッド構造ができて、そこから追い出されている人たちの問題も結構あるし。
あと性ホルモンの副作用の問題ですね。
LGBTQというのは病気じゃないよということで、性ホルモンの治療をしようとか、それは子どもの時からやってもいいのか/いけないのか、色々ありますけど。
LGBTQの概念が出てきた時に、脳(心)は男性/女性、だけど身体は別だった時に、ホルモン剤を入れてこころの方に近づけていってあげた方がいいのか、身体の方も近づけていった方がいいのかということが議論になる。
だけど、それをやると身体は近づくかもしれないけど、今度はうつっぽくなるというリスクの問題があるんです。
そこから来るうつの問題というのは、これからの精神科の領域で考えていく病気というか、フロンティアの問題かなという気がします。あとは安楽死や遺伝子の問題、出生前検査、そういうのもある意味、僕らの領域として加わってくるかもしれないし、大麻が解禁になってきた後に大麻依存の問題、依存症としてもっと診るようになるのかもしれないし。
あと子どものうつですね。
子どものうつ病をどういう風に治療していくのかも今のトレンドというか、考えなければいけない問題なんだろうなと思いますね。
ということですね。こういう風に受け入れられてきていると言う感じです。
昔と全然違うというか、10年、20年経ったら結構違うという感じです。
20年前ってどうなの?というのはわかりにくいですよね。
今はネットがあるからわかりやすいって言えばわかりやすいんですけど、それでもわかりにくいし、考えたことがない人は多いと思います、患者さんとかでは。
でも、こういう視点を持ってみると、世の中って良くなってるんだな、病気のことをわかってくれる人が増えているんだなということがわかると思うので、今回動画にしてみたという感じです。
今回は、精神疾患はどのように受け入れられてきたかというテーマで、独断と偏見で自分なりに話をしてみました。
まだ手がついていない部分は、十分じゃないのは認知症、発達障害、そううつもそうですよね、そう考えると。
新しく依存症の問題、もっと診られていくんでしょうけどね。
◼︎本日の宿題
今回の宿題は、世の中どう変わったのかということを体験として教えていただけたら、学びになるので教えてください、みなさんのね、僕にもとってもですけど。
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