葉とソメイヨシノ2

恐ろしいソメイヨシノをわたしは撮るしかなかったのだ[今日の一輪:栗原健]

「灯台もと暮らし」のコラム【今日の一輪】を担当してくれている栗原健さんは、長野県戸隠で地域おこし協力隊として活動中。今回はソメイヨシノの記事と連動して、栗原さんの書ききれなかった想いをお届けします。

【今日の一輪】「ソメイヨシノ」彼女は美しい、咲き始めも散り際も|長野県戸隠 | 灯台もと暮らし

ボタニカル愛好家としてカメラ愛好家として、ソメイヨシノを撮るのは恐ろしかった。どう撮ってもソメイヨシノの魅力が画角に収まらず、また仕上がりの既視感が拭えないのだ。やはりソメイヨシノは特別な花なのかもしれない。ちょっと引くレベルだ。

ソメイヨシノが恐ろしいほどの美しさを持つ理由を考察したい。

美しいに決まっている。そうなるように作ったのだから

エドヒガンとオオシマザクラを交配させて生まれた園芸品種がソメイヨシノとされている。江戸時代の染井村(現在の東京都駒込)で生まれたこの桜は、名所である奈良の吉野山にちなんで染井吉野と名付けられた。

花が葉より早く咲くエドヒガンの特徴を、オオシマザクラから整った花弁の美しさを受け継いだソメイヨシノは、美しいに決まっている。そうなるように作ったのだから。当時の植木職人たちの工夫と努力と、ちょっとした運のよさが詰まっているのだ。

大勢の人がソメイヨシノを求めた。だって美しいから。また、旺盛な成長速度も持っていた。日本中でソメイヨシノの植樹がおこなわれたのも当然だったと思う。実生ではなく接ぎ木でしか繁殖しない特徴により、それらは環境が整うと一斉に咲く。圧巻である。

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