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早稲田卒ニート154日目〜慶應高校の甲子園優勝と、私のスキンヘッド時代〜

広島の尾道市にあるUS塾の塾長、通称「猫ギター先生」のTwitterは、私が高校生の頃から読み耽っては多大なる影響を受けていた。開成中高から早稲田の政経へ進んだ方である。また、「笠見未央」という本名で出版された御著書、『センター前ヒット センター試験でコケない68の法則』と『難関私大・文系をめざせ!』は、高校時代の愛読書であった。この本を初めとして、「地方の国公立信仰を捨てて都会の難関私大へゆけ」というメッセージが、当時のTwitterには溢れていた。もしそれらを見ていなかったら、恐らく私は早稲田の受験を本気で決めてはいなかったと思う。

US塾では、塾生が難関大学へ合格するために丸坊主に頭を刈ることがある。そんな話もまた、昔からTwitterで見ていた。そこで私も高校の卒業式が終わった翌日、自宅で自ら頭を刈った。初めから浪人することを決めていたのである。しかし、私ともなるとそこで終わりはしない。その先がある。風呂へ行き、カミソリで頭をキレイサッパリ剃るのである。これが18歳少年、人生初のスキンヘッドである。外を歩くときの、曰く言い難い妙な気持を忘れられない。この若さでスキンヘッドにしている青年を見て、周りの人らは一体何を思ったのだろう。

しかし、私ほど勉強から逃げてきた底辺の人間が、科目数が少ないからと言ってたった1年で早稲田に行こうなどと思うのは半ば甘えでもあるし、何より早稲田など受かるはずもない。そこで、この1年は、全ての欲を捨てて出家するようなつもりで勉強をすることを誓ったのである。

私は、このスキンヘッド経験無しには早稲田に受かっていなかったと思っている。ついこの前、KO高校が甲子園で優勝し、高校球児は坊主にするものだというステレオタイプがまるで時代遅れであるかのような印象を世間へ根強く伝達したかも知れない。「髪の毛を切ってから出直してこい」という野次を悪者扱いしたり、「脱・丸刈りの時代」という見出しが付いたりしている。理屈やエビデンスがないものを軽んずるのが現代人は得意なので、野球部から坊主頭が疎外される風潮はさらに強まっていくのだろう。

それは決して抗し難い流れであるには違いない。が、たとえそうではあっても、社会が科学的エビデンスにしか支えてもらえなくなるくらいなら、私くらいは、自らの精神によって自らを支え抜く精神論者でありたいとさえ思う。

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