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「早稲田とは」 3年・鈴木郁也

『早稲田らしさとは?』『ア式らしさとは?』について考える機会が最近多い。
時間をかけてこのことを考えたことで、自分なりの答えを少し見つけることができ、後期の私は大きく成長できたと思う。

今シーズンは無事に関東リーグ1部残留という形で締めくくる事ができた。
私は来年も関東リーグ1部で戦う事ができるという安心感と期待感を最終節の終了後に感じた。それと共に来季に向けての焦りと不安も少し感じた。
それはいよいよチームの先頭に立つ学年となるからだ。
これからは、あらゆるチームの責任を私達、新4年生が背負い、あらゆるプレッシャーや不安と共に過ごす1年が始まる。
逆に言えば、私達の新4年生の色を出しながら来季のシーズンのあらゆる事を決め、実行することができる大きな楽しみもある。

今までの私はチームのためにというよりは、自分自身のための利益を考えて、行動する事が多かった。

この事については、今年の夏の遠征時に外池監督から厳しく話をされた。
「お前は自分の世界(コミュニティ)の中でしかサッカーをしていない」
こう伝えられた。私はまあまあショックだった。

じゃあ、チームのために何ができるのか。
いきなり、自分の中で答えを出せるはずもなかった。とりあえず、コミュニケーションを取ろうかなと思い、遠征中の次の日からチームの良い点や悪い点、改善点などの見つけたことを少しずつ伝えようと仲間とのコミュニケーションの機会を自分なりに増やした。
しかし、それはほんの少しの変化に過ぎなかった。チームの成長のために貢献できていると感じることはなかった。

チームにコミットする、チームのことを好きになる、チームを愛するという姿勢が明らかに私には欠如していた。同期や先輩、後輩の仲間のことはとても好きだ。彼らと共に過ごす時間が私の幸福な時間の多くを占めている。ただ、早稲田やア式に対しては何となく好きという感じだけだった。伝統や歴史があることや認知度が高いことを知っていたため、ブランド力があるから何となく格好良いし、何となく好きだと感じるだけであった。

ア式蹴球部では入部を認められた1年生が部員全員の前で入部の挨拶を行う。
その時に多くの人が
「伝統あるア式蹴球部で〜〜をしたい」「歴史のあるア式蹴球部で〜〜をしたい」というような言葉で決意表明をする。
私もこのようなことを適当に言った覚えがある。
しかし、一体、早稲田やア式にどのような歴史や伝統があり、どのようなブランド力(自分が手にすることできるの能力)があるのだろうか。そこまで、当時の私自身は考えているはずもなかった。

このことについて深く考えることでチームのために(もちろん個人のためにも)行動を起こせていると思えるのではないかと考えた。

深く考え始めたのは今年の10月頃からだった。
来季に向けてのビジョン等を決めるために学年内で早稲田やア式について考え始めるようになったのが大きなキッカケだ。
その時に出てきた早稲田やア式を表すような言葉を適当に紹介する。


まず早稲田について

多様性、柔軟性、文武両道、自立などが上がった。

ア式については

覇者、帰属意識、愚直さ、圧倒的な4年の存在、干渉しあえる環境がある

などなど、どちらに関しても多くのキーワードが出てきた。
(まだ他にも聞きたい人は聞いてください)

私が好きなキーワードでもあり、そして、私が最も早稲田やア式らしさを表していると感じた言葉は「進取の精神」であった。

これは、従来の慣習にこだわらず、進んで新しいことをしようとするという意味である。

これはまさに私達が掲げている「日本をリードする存在になる」ということに繋がっていると思う。
ア式には歴史や伝統的に大切にされて来ているものが多くある。それはもちろん、今後私達が社会にどのような形で出て行ったとしても役に立つことは多いだろう。
しかし、それだけではもう足りない。それは100年前や50年前はもちろんだが、ここ数年の間でも世の中(市場)はどんどん、大きく、激しく変化しているからだ。ということは、世の中的に求められていることも変化し続けるはずであり、その求められていることをしっかりと捉え(感じ)、それに応じて主体的に行動を起こせる人間でないと社会に出て、日本をリードする存在にはなれないということだ。

これがまさに「進取の精神」が意味することではないかと私は考えている。

これを実行するためには外池監督がよく仰っている(千田のブログにもあったので詳しくは彼のブログを見ていただけると良いかと思います)感受性(感じる力)とそれを自分の中に受け入れる受容力が必要だと私は考えている。あらゆることを感じ、それがたとえ自分にとっては違和感を感じるものであったとしても、それらを一度、全て受けとめ、自分なりに考え、そのあと自分自身の行動に移す。これがとても大切で、これを繰り返し行動し続けることが自己成長に大きく繋がると考えている。まさに変化し続けることだ。日本リードするためには欠かせない。

このようなこと(上記の進取の精神以外のことも含め)を考えながら過ごした、後期の関東リーグはそれまでの自分よりもはるかに大きく成長できた。試合に出て、ただ一戦一戦必死に戦うこと以上に成長できた。
自分のためはもちろんだが、前期までにはあまり感じられなかった、チームのために貢献するという感覚も感じることができた。
(どんな変化があったか聞きたい人がもし、居てくれるのであれば、真面目にお話ししますので、これもまた聞いてください)


ラスト1年となる来シーズンは教育機関での最後の1年でもある。
どのような形で私自身が社会に出て行くかはまだ全然わからない。
しかし、どのような形であっても将来、私自身が日本をリードするための存在となれるようにア式での時間を過ごす。素晴らしい(大好きな)同期や後輩、頼れるスタッフと共に早稲田やア式でしか手に入れることのできない(ここでしか得られない)あらゆるものを獲得したいと思う。



鈴木 郁也(すずき ふみや)
学年:3年
学部:社会科学部
経歴:FC東京U-15深川(江東区立第四砂町中学校)→FC東京U-18(早稲田大学高等学院)

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