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「人生楽しんだもん勝ち」 3年・山﨑昂

「何事においても楽しむ」

これは私が生きている中で大切にしていることである。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるが本当にその通りだと思う。好きなことだからこそ練習を積み重ねることができるし、結果が出た時の喜びがある。何かを好きになるということはとても素敵なことであると思う。ブログを読んでいたら同じ誕生日のらい(1年・竹浪良威 國學院久我山)も同じ言葉を使っていて運命的なものを感じました笑

しかし、この「楽しむ」を実践するということは思っているよりも難しい。

これまで私が生きてきた人生の中でも本当に楽しめたと思えることは意外と少ない。辛く苦しいことが多かった。
小学校の時に自分のチームで強いチームに勝つことができない不甲斐なさ。
ユースの時のチームは結果を出しているのに自分は途中出場でしか試合に出ることができない悔しさ。
大学には入った時の周りの人たちに感じた劣等感。
これまでの自分の人生のでは「楽しくない」状況が多い。

これからも自分が心の底から楽しむことができることは少ないだろう。
これからの人生の中では私多くの時間は辛く苦しいものになる。

ではなぜ私は人生において「楽しむ」ということを大切にしているのであろうか。
なぜ多くは経験できないことのために人生を生きているのであろうか。

今シーズンを振り返ってみると「楽しむ」ということについて経験が多く含まれていたので今シーズンについて振り返りたいと思う。

今シーズン私は楽しい時期と楽しくない時期の両方を過ごしてきた。

今季のJヴィレッジでのキャンプの時の外池さんとの個人面談の時に私は今季の目標として「結果を出す」ということを言った。
結果を出すことが自分の価値を示すための最も良い方法であると自分で考えたため、この言葉を伝えた。
この言葉通りにオフシーズンの練習試合であったり島原遠征では多くの試合で得点することができ、Aチームに継続的に属することができた。
自分の武器であったり、得意なプレーに自分なりに自信を持つことができていた。
この時期は自分の中でとても楽しくサッカーに打ち込めていた気がする。

その結果、早関戦で得点することができたり、天皇杯予選に出場することができた。
今季は自分が活躍してやるという気持ちでワクワクしていた。

しかし、その後私が公式戦に出場したのは0分。
全くと言っていいほど何もしていない。
ベンチに入ったとしても試合に出ることはできず、何もできない日々が続いた。

結局高校の時と何も変わっていないじゃないか。
大学に入っても結局自分は控えのままなんだな。

そんなことばかりが頭の中をぐるぐると回っていた。

そんな時に同期に言われた言葉が妙に心に残った。

「お前って公式戦で使いづらいよね。どこまでできるか不安だし。」

その言葉を言われた瞬間に本当に絶望した。

言った本人からしたら何気なく言った一言だろう。
何も悪気はなかったと思う。
いつもよくされるいじりのようのなものだったのだろう。

ただ、その時の自分にはその言葉が心の深くまで突き刺さってしまった。

もう自分ってチームに要らないじゃん。
じゃあ俺は何をしていればいいの?って

冗談抜きでそう思ってしまった。

早稲田大学ア式蹴球部はピッチに出ている11人以外の選手だけでなく、他の選手がチームのために何かしらの行動を起こすことができる素晴らしい組織である。
自分自身もそんなことは十分にわかっているつもりだった。

ただ、その時の自分はそんなことも考えられなくなった。

それから私はサッカーに対してのモチベーションを作ること難しくなってしまった。

サッカーをしていても楽しくない。
今自分って何のために練習しているんだろう。
結局使われないなら何の意味もないじゃん。

そんなことばかりを考えていた。

その結果、後期は関東リーグには登録されたもののすぐに登録抹消され関東社会人サッカーリーグ2部に所属しているFCに登録された。
FCはその時残留争いに巻き込まれていた。
それを変えようと多くの人が努力していた。自分も頑張ろうとはした。プレーで引っ張ろうとした。

しかし、結果として自分がFCに加入してから2連敗を喫し、FCは降格という結果になってしまった。
降格というものに直面したことがなかった私にとってその事実は受け入れ難かった。
寮の部屋に帰ってから本当に落ち込んだ。
その日の夜に自分を連れ出してくれたクワ(3年・鍬先祐弥・東福岡)にはとても感謝しています。あれがなかったら僕はどうなっていたことでしょう。ありがとう。これからもよろしくね、バディちゃん。

それからは自分はほとんどの時間をBチームで過ごした。
Iリーグの順位決定戦にも出させてもらったが、その試合も負けた。
自分がBチームにいた2ヶ月半の間では自分の出場した練習試合での勝利はなかった。
こんなに勝てないのは初めての経験だった。
もうほんとに何をすればいいのか分からなかった。
練習ではテンションを下げないようにしていたが、実際は全くと言っていいほどモチベーションがなかった。

そんな時ユースの時の先輩が書いた卒業するにあたって書いたブログを読んでいたときにこんなことが書いてあった。

「目標を簡単に見失わないでほしい。目先の物事に気を取られないでほしい。」

自分の心に刺さった。
ハッとさせられた。

そしてふと思った。

自分の目標って何だろう。本当に結果を出すことが目標なの?
目先の結果ってそんなに大切?
自分の根本にあるものって何?

その答えが楽しむだった。

もちろんサッカーという競技をやっている上で結果を求めることは重要なことである。
結果は求め続けなくてはならない。
ただ、そのことだけに囚われすぎてない?
自分は何でサッカーをしているの?
結果を出さなきゃいけない使命感?
いや、楽しいからでしょ。

このことに気づくことができて本当によかった。
自分の中で本当の意味で物事を楽しめる確信が持てたから。

それからはどんな練習でも自分なりに楽しもうとした。だれよりも走ろうとしたし、だれよりも笑顔でプレーしようとした。
もちろん私はそんなに強い人間ではないので多少はイライラしてしまったり、文句も言ってしまった。金ちゃん(3年・金田佑耶 早稲田実業)にはよく注意されたよね。
ただ、それでも自分の中では久しぶりに楽しくサッカーをすることができた。とても気持ちよかった。

これが私が過ごしたシーズンである。

文章を見ても分かる通りが楽しくない経験が多い。
楽しかったのは最初と最後だけ。
しかも本当の意味で楽しめたのは最後の2週間程度。
今振り返ってみると今シーズンの経験がこれからの人生の中で活きていくと思えなくもないが、正直苦しい日々の連続だった。
ただその中でも最後の最後に自分なりの楽しみ方を見つけることができたのは良かった。
自分自身の目標を再確認できたのはよかった。

そこで冒頭の質問に戻りたいと思う。

なぜ私は人生において「楽しむ」ということを大切にしているのであろうか。

それは楽しい経験の時の何とも言い難い感情が心に染みついてしまっているからだと私は思う。

チームの結果に自分が関与できた瞬間。
自分自身がチームを勝たせられた瞬間。

人生で何度も経験できないことだからこそ、私はそれを目指して日々を過ごしているのかなと思う。

今はサッカーしかしていないからほとんどがサッカーのことになってしまうけど、これからの人生ではサッカー以外のことが人生の大半を占める。
そんな中でも自分が楽しいと思えることを成し遂げるために自分は生きていきたい。
これからの人生を自分が楽しいと思えるものにしたい。
そのために人生を生きていきたい。
甘っちょろいかもしれないけどこれが今の自分の素直な思いです。

そして、こんな自分を支えてくれる両親、兄弟には本当に感謝しています。
こんなにも楽しむことの重要さを教えてくれるサッカーをやらせてくれてありがとうございます。
何らかの恩返しができるように最後のシーズン頑張ります。

自分自身の最後のシーズン。
最後にみんなで笑えるように必死になって楽しみます。

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山﨑 昂(やまざき こう)
学年:3年
各部:スポーツ科学部
経歴:松本山雅FC U-15(松本市立松島中学校)→松本山雅FC U-18(長野県立松本県ヶ丘高校)

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