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「早稲田一の愛されリーダー(前編)」今野泰齊さん_早稲田生インタビュー#054


今回インタビューするのは、思わずクスッと笑ってしまう企画をたくさん生み出すサークル「Walkin'」の代表を務めておられる今野泰齊(こんの やすなり)さんです。

初めは「明るい方だな」という印象が大きかったのですが、サークル以外での様々な経験やお話を聞いていく中で、今野さんの明るさだけでなく、他者に対する優しさであったり、感性の鋭さ新しいものを作り出す芸術性の高さ愛情深さなどいろんな面がどんどんと見えてきました。

このインタビューだけではおそらく知り切れていない面がまだまだたくさんあるのだろうな~と思わせる方でした!



立石:では、まず最初に自己紹介をお願いいたします。

今野さん:はい!宮城県出身で、今は早稲田大学社会科学部3年今野泰齊(こんの やすなり)といいます。
普段は、勉学はちょっと…あんまり力は入れておらず(笑)

立石:笑笑

今野さん:主に企画サークル「Walkin'」の代表を務めておりまして、あとは、個人的に最近 Youtubeをはじめまして。その2つをやりながら夜は酒を飲んで寝る、という感じの生活で早稲田を満喫させてもらっております。

立石:ありがとうございます(笑)
その「Walkin'」のブログめっちゃ面白かったです!思いつかないようなことばっかりでした。
では、後ほど企画サークルのこと、Youtubeのことについて色々お聞きしていきたいと思います。

ーーー「高校時代、弁論大会で日本一に」ーーー

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立石:まず最初の質問です。早稲田大学の受験についてお聞きしたいんですが、今野さんはどういった形で早稲田大学を受験されましたか?

今野さん:僕は、社会科学部の「全国自己推薦入試」っていう、いわゆる「AO入試」だったので、受験のテクニックとかこんな勉強した~、みたいなのを伝えられるか分からないですけど…。
僕、高校野球をずっとやってたんですよ。で、高校球児って引退めちゃくちゃ遅いじゃないですか。8月とか。

立石:そうですね(^^;)

今野さん:他の運動部の子と比べると、2~3か月ぐらい遅くなっちゃうし、僕は決してそんな頭の良い人間ではなかったんですけど、でも「早稲田に行きたいな」と思って。
それで、11月にあるAO入試に受かるために勉強しよう!と思って3~4か月ぐらいはそのためだけの対策をしてました。

立石:絞ったんですね!その入試っていうのはどういった内容なんですか?

今野さん:審査が2次審査までありまして。一次は書類審査で、実績とか志望理由とかを見られるんです。大体倍率が5~6倍ぐらいで、

立石:え!!めちゃくちゃ高いですね…。

今野さん:2次審査までに100人くらいまで落とされるんですけど、2次試験は午前に小論文があって午後から面接です。
で、その後合格するのが各都道府県1人+10人とかでだいたい50~60人くらいが入るっていう形なので、最終的には 300人ぐらいから50人くらいまで減るっていう感じですね。もしかしたら今は変わってるかもしれないですけど。

立石:なるほど!今野さんの受かった決め手はなんだと思いますか?

今野さん:高校野球をやってたっていうのもあるんですけど、もう1つ、弁論大会の経験も大きいんじゃないかと思ってます。
僕生まれつき先天性障害があるんです。どういうことかというと、生まれた時に左足が外向き、右足が内向きっていう向きに生まれてきて、これを直す手術を小さい頃から中学くらいまで6回くらいしたり、入院も長いことやってきたんですね。
ひざ下に運動麻痺があってみんなと同じように運動ができなかった経験もあるので、その時に感じたことを弁論の大会で話したんです。7分間くらいで自分の喋りたいテーマを壇上で話すんですけど、それを中学の時からずっとやってきていて、ありがたいことに高2の時、運よく弁論の全国大会で優勝させていただいて。

立石:優勝!?すごいですね(゚_゚)

今野さん:だからそれが書けるんですよ、ラッキーって(笑)
やっぱり早稲田って尖ってるというか、ちょっと変わった人を好む傾向があるので、いい意味でヒットできたっていう(笑)
あとは、面接とかで喋ることが僕すごく好きなので、いい意味で自分を飾らずに人間性をアピールできたかなというのがありました。決め手はその2つかなというふうに思いますね。

立石:優勝ってすごいですね!今の数分だけでも今野さんの「色」というか…そういうものがすごく伝わってくるので納得できました。
手術を受けながら野球をしていたんですか?

今野さん:そうですね。昔から野球も大好きで、みんなと同じように、出来る範囲で少年野球とかやったりしてたんですけど、入院して手術しないといけない時は家から離れて、車で1時間くらい離れた行ったこともない病院で1人で生活をするっていう感じだったので、そのときは「なんで俺だけできないんだろうな…」という苦い思いをしてました。

立石:なるほど、その時に感じたことをその弁論で話したんですね!
わかりました、ありがとうございます。


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今野さんの弁論内容を、勝手ながらインタビュー後に拝見させて頂きました。
「感動しました~!」だけで終わらせず、1つ1つの言葉に今野さんの優しさや社会に対する鋭い感性、そして知性を感じさせられました。
中でも1番響いた言葉は

◇「心が平等に与えられた私たちは、いつだって自分次第で幸せになれると思うのです。心で感じ、繋がることには障害や不自由などないのです。」

◇「足が悪くて1アウト。不幸と決め付けて2アウト。だけどまだまだ。最高の一球は、心(ここ)にある。」(野球と掛け合わせた表現)


この文を読んで、「本当に自分の考え方次第なのだな。」と強く感じさせられました。
なにより、高校生でこんなにも巧みな言葉選びができるというのが驚きです…!
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立石:では、大学に入ってからのテストはどうですか?

今野さん:「こうなっちゃダメだよ」っていうのは伝えられますね(笑)
オフラインだったら、「行くこと」が大切です(笑)
出席をしっかり最低限とって、最後の期末は体調管理をしっかり整えて臨むこと。それが落とさないことだったんですね。
ただオンラインだと、わざわざパソコンを開いて知らない人の授業を90分なり家で見ないといけないっていう…。俺は、それ結構きついなと思って(笑)
みんなはラッキーって言ってたんですけど、家の時間まで侵食されたくないって思いました(笑)

立石:たしかにそうですね(^^;)

今野さん:外に出て授業に行くからスイッチが入るんですけど、家だとどうしてもスイッチオンにできないという部分があって…。
結局授業見ないでレポートを出さないで、GPA最低値を叩き出してしまったという苦い思い出があったので…。
まあ自分でやってるから苦い思い出も何もないんですけど(笑)

立石:笑笑

今野さん:なので、リモートはマジで「自分がこうしたらスイッチが入る」っていう、例えば「外に行ってカフェでレポートをする」とか、そういう自分なりのやり方を見つけるのがオンラインでは大事なのだろうなってすごく感じましたね。

立石:確かにそうですよね。1人だとどうしても面倒になっちゃいます。
これは今の時期大事ですね!

ーーー「今野さんのお気に入り企画『運豆会』とは?」ーーー

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立石:次の質問です。まずは企画サークルについてお聞きしていきたいんですけど、そのサークルの主な活動内容教えてください。

今野さん:ボクらは、「明日自慢できるバカをしよう。」というスローガンがありまして。
「一生に一度の大学生活で、人に自慢できるようなバカをして大学生活を楽しくしようよ。」っていうのが僕たちの1つの想いとしてあるんですね。
毎週水曜日、3週目までは5つの班に分かれて会議をして、4週目にパワーポイントを使った企画コンペというのをやりまして。で、上位2つの企画が翌月の企画として採用されて、日曜日に実施するという流れです。

立石:で、そのサークルの代表を務められているという。
今野さんの中で、1番印象に残っている企画ってありますか?(やっぱり気になる)

今野さん:僕が1番印象に残ったのは「運豆会」という企画で。ご存知ですか?

立石:いや、知らないです(笑)なんか面白そうだなと思って(笑)

今野さん:運動会の「動」を「豆」に変えて、「豆腐を持ちながら運動会をやろう」っていう企画がありまして。
豆腐がその人の“life”というか、まあ命ということで、それを持ったまま競技して、落としたり握りつぶしたりすると命は無くなってしまって即退場!という。めちゃくちゃな縛りがある状況下での運動会で楽しかったです(笑)

立石:lifeっておもしろいですね(笑)例えばどういった競技をするんですか?

今野さん:競技自体は綱引きとか玉入れとかリレーとか。
もう全部右手に豆腐持ってやるので、絵がシュールで(笑)
リレーも豆腐をバトン代わりにしたりとかして。

立石:バトンを豆腐に見立てるって、絵が面白いですね(笑)
落とす人とか多そうですけど…(^^;)

今野さん:中には「死んでもいいからお前の背中にこれをぶつけたい!!」って言ってバーンってぶつけて、「退場~!!」っていう人もいましたね。

立石:そんな人いるんですか(笑笑) 楽しそう…!

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↑…シュール!!笑


今野さん:あと、動画作ったりとかしました。テレビが好きな子が多いので、テレビ番組みたいな編集をして、動画を作って流すっていう。その中で1番大変だったのは「24時間を 3人4脚で生活する」っていう(笑)

立石:えー、どうなるんだろう…?笑

今野さん:3人で足をつないで24時間生活してもらうっていうのを去年8月ぐらいにやって、その状態でテニスをしたり、渋谷のスクランブル交差点を歩いてもらったりして。
こっちが1日のスケジュールを立てて「じゃあ今からご飯作ってくださ~い」って言ったら「俺こっち!(右の人)」「俺こっちだよ!(左の人)」「痛い痛い!(真ん中の人)」みたいな感じになるんですよ。
あとはお風呂入ったりとかを24時間やって、それを撮って編集して動画にするのはすごい楽しかったですね(笑)

立石:3人4脚って、その3人仲良くないと24時間もずっと一緒に入れないですよね。
今野さん:そこなんすよ(笑)いい具合に、左端の奴が自分中心のすぐ嘆くタイプで、真ん中の子がちょっと小デブでツッコミタイプの心優しい子で、右端は謎にモチベ高いヤツという感じにして(笑)

立石:なるほど、良い感じのトリオ感(笑)

今野さん: 3人全員向いてる方向が違うのがまた絵として面白いんですけど、でも最後には心が一致して歩くシーンはサライが流れる感じで割と感動するっていう。

立石:24時間テレビのやつですね(笑)
その3人のメンバーというのはみんなで決めるんですか?

今野さん:そうですね、僕らで決めてその子たちに話したら「おもしろそうだな!」とか言って(笑)
うちのサークルはみんなちょっと変わった人が多いですよやっぱり。
例えばダンスサークルの人は、割と統一感が求められるものなので時間とかしっかりしている人が多いんですけど、企画サークルはマジで時間ちゃんとしない人が多いです(笑)

立石:そうなんですか!笑

今野さん:ただ、「世の中を面白く見る」とか「バカなことをやりたい」「これはこうだったらいいのに」ていうような、すごくクリエイティブな能力があるように思います。
「絶対これ普通の生活してたら会わなかっただろうな」みたいなやつがいっぱいるので、それは嬉しいですね。

立石:規律とかはちょっと苦手な分、面白いものを創り出す力が長けているんですね!良いですね(^^)
今代表を務められているそうですが、まとめたりするの大変じゃないですか?

今野さん:いやそうです、本当に大変だなって(笑)
公認サークルなのでまあ一応やらないといけないしな~っていう感じで。

立石:じゃあそんなに重荷に感じてはいないんですか?

今野さん:そうですね。入った時から「お前が代表だよ~」みたいな感じで大野さん(紹介者)に言われてたので、やっと来たかという感じではありますね。

立石:信頼関係がありますね!

今野さん:でもなんか後々聞いたら大野さん誰にでも「お前はスゲぇよ」みたいな言ってたらしいんで、「誰にでも言ってんじゃねーかよ!w」って(笑)

立石:あはは(笑)ヨイショする人ですね!笑

今野さん:そうですね、ヨイショする人です(笑)

ーーー「『やっちチャンネル』で伝えたいこと」ーーー

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立石:もう1つ、YouTubeについてもお聞きしたいんですが、簡単に紹介をしていただけますか?

今野さん:先ほど言ったように生まれつき足が悪いので、いわゆる「障害者」というものにくくられるんですけど、そういう障害を持っていても、今の日本で同じような人がもうちょっと過ごしやすく出来ないかと思ったんです。「障害持ってても明るい人は多いし、普通に楽しんで生きている人も多い」っていうのを発信したいなーと思って。

立石:なるほど。

今野さん:自分自身もあまり気にしていないし、普通に、楽しく幸せに生活しているので、その部分を発信して、少しでもそれを見た人が勇気をもらったりとか、そういうイメージが変わる人が 1人でも増えたら嬉しいなあと思って始めました。

立石:確かに、テレビ番組とかも「障害を持っているけど…」みたいな前置きがありますよね。

今野さん:そう、 1個クッションをつけますもんね。あとは「触れちゃだめなもの」という雰囲気もやっぱりあるので、「そんなことないよ~」っていうのが僕の意見ですね。人によって色々な考え方があると思いますけど、1人でも楽に過ごせたらいいなと思ってます。

立石:まわりが思うほど気にしていない人もいるんですね。
自分がいつ事故に遭って障害を持つようになるかとかもわからないですし、もっと今野さんの考えが広がっていってほしいなって思います。
そういえばいつから始めたんですか?

今野さん:5月ぐらいから始めたんですけど、とりあえずサークルが終わったらぼちぼち頑張ろうか~っていったところですね。

YouTube やっちチャンネル

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↑リズムよく分かりやすいトークです!
なにより、今野さんのキャラクターが存分に出ているのがいいな、と思いました。

立石:編集めっちゃ大変そうですね!(*_*)あと再生回数が多いですね!

今野さん:すごい好きで凝っちゃうんで、1本に2日くらい時間かかったりして、「これ俺いつまで続けられるんだろう…?」とか思ったら作業が進まなくなっちゃったり(笑)
あとはどこ使ってとか、カットしないとな、とか、テロップ入れるかとか、いろいろ考えると長くなっちゃって。

立石:いや~、やっぱりそのくらいかかるんですね。自分が普段何気なく見ているテレビ番組も全て人の手なんだなって思うとすごいなって思いますもん…(笑) 今野さんはいろんな面での創作能力がありますよね。

今野さん:いやいや(笑)まあ、でも銀の盾もらえるくらいは頑張りたいです!そんな夢を持っているので頑張ろうかな、と思ってます。

立石:応援してます!(^^)

前編はここまでです。後編では、今野さんの活躍や魅力がさらに詰まった内容となっていますのでお楽しみに!


インタビュアー:立石恵梨奈
構成・編集  :立石恵梨奈
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