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【2024夏】負けヒロインが多すぎる! の感想

 始まりました、2024年の夏アニメ。どうもこんにちは、わさびです。
 今季も幕を開けてみりゃそこそこ豊富というか、予想だにしない面白さを持つダークホースだらけで次の週が楽しみになる季節がやってきましたね。

 私は全ての作品に目を通す教には入っていないので継続視聴予定のアニメも片手で数えられるほどしかありませんが、本日はその中でも特におすすめしたい……というかおすすめしたくなった作品を紹介したいと思います。
 その作品とは———。

 今やラノベの殿堂の一つと言っても過言ではないガガガ文庫出版のラブコメ(?)作品『負けヒロインが多すぎる!』です。
 この作品はタイトルの通り”負けヒロイン”、いわゆるラブコメ等で主人公や意中の人物と結ばれることのなかった敗北者立ち位置の女の子にフォーカスを当てた物語で、主だって登場する女性キャラクターもほぼ全員がその”負けヒロイン”となっております。
 ちなみに、登場する男性キャラクターは主人公を除いてほとんどがその逆の勝ちヒロインと結ばれる主人公系男子……とでも言うのでしょうか。本来ラブコメで主人公的立ち位置に属するキャラクターとなっているのが面白いところです。

 それでは、負けヒロインが多すぎる! について簡単な紹介をしていきますので、どうかお付き合いくださいませ。



負けて輝け少女たち!

 こちらは『負けヒロインが多すぎる!』のキャッチコピー、キャッチフレーズになっているものです。文字通り恋愛バトルの敗者となってしまった”負けヒロイン”の魅力をこれでもと表現したワードになっていますね。
 そもそも皆さま、”負けヒロイン”は好きですか?

 即答出来る方は少ないかもしれません。私もそうですが、キャラクターの好き嫌いって立ち位置や属性で選ぶものではないものと思われます。
 ただ、”負けヒロイン”が好きという人は多くなくとも、好きなキャラクターに”負けヒロイン”が多いという人は割といるのではないでしょうか。この現代、ラブコメ作品(にとどまらず恋愛要素を加えた作品)はかなりの数が生まれ続けていますよね。
 最近の有名どころでは『五等分の花嫁』『彼女、お借りします』など。もう完結してしまいましたが、『負けヒロインが多すぎる!』と同じガガガ文庫からは『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』も負けヒロインが生まれる作品でした。
 ジャンルをラブコメに絞らなければ、『ソードアート・オンライン』『とある魔術の禁書目録』なんかも主人公とそれに恋する複数の異性という構成があるので”負けヒロイン”概念は発生します。

 当然ながら、アスナ(SAO)雪ノ下(俺ガイル)を好きな人ばかりでは無いと思うんですよ。私はいろはす(俺ガイル)が好きでしたし、二乃(五等分)が一番好きです。
 最終的に主人公と結ばれた勝者が魅力的でないというわけではありませんが、結果的に敗者となってしまった”負けヒロイン”には勝者にはない美しさがあると私は思います。例えば『ニセコイ』の橘 万里花なんかはもう確実に敗者側になると誰もが思っていたことでしょうが、それでも足掻く、それでも楽に自分を見てもらうためにひたむきな努力を続ける、アプローチを行う姿に心打たれた人も多いはずです。

 そういう”負けヒロイン”にしかない魅力、その刹那の輝きを収めたものが『負けヒロインが多すぎる!』という作品です。
 思えば、ラブコメで主人公とヒロインが結ばれるのって基本的に最終回やその近辺で、他のヒロイン候補たちが”負けヒロイン”になった直後の姿ってあまり濃く描かれていませんよね。
 フラれて、でも前を向いてその子はその子の人生を進んでいく。そんな姿も凛としていてもちろん綺麗ですが、正直に言って———負けはしたもののグチグチ足掻く姿や意気消沈して悲しみに暮れる姿もそれはそれで美しいし、見たいと思いませんか?

 こう書くと『負けヒロインが多すぎる!』が陰鬱な作品のように感じられてしまうかもしれません。そう、本来ならばあまり前向きになれる作品ではないのです。だってフラれた女の子たちの物語ですから。
 でもそこは流石にガガガ文庫の最終兵器と呼ばれるだけあって、本作は負けた直後のヒロインたちにしかない美しさや儚さを最大限に発揮させた青春ラブコメとなっているのです。時折挟まれるギャグ要素も面白く、読んでいて、見ていて飽きない神作品。それが『負けヒロインが多すぎる!』です。

 ここまで”負けヒロイン”にしかない魅力を語ってきたわけですが、本作に登場する”負けヒロイン”には「そりゃ負けるわ」と思わずにはいられないダメポイントが必ずあるのも面白いところ。
 例えば、原作一巻の表紙にもなっている筆頭負けヒロインの八奈見 杏菜は意中の相手とは幼い頃から一緒に過ごしてきたいわゆる幼馴染枠で、まぁこれだけで「幼馴染は負けるよなぁ」と言いたくなるわけですが、この子って食い意地が張っていたり、色々と口が悪いところがあったり、料理スキルがほんの少し劣っていたりと、所々に負けそうな要素が散りばめられているんですよね。
 これも主人公の温水くんが「そりゃ負けるわ」と言うわけではなく、読み進めると読者側が察せるようになっているのです。これが面白いんですよね〜。

 さて、では「女の子が主人公と結ばれるラブコメが見たいんだ」という人にはこの作品は合わないのかと言うとそうではありません。
 確かに今のところは主人公の温水くんと他3名の”負けヒロインズ”は恋愛関係にありませんし、そうなる素振りも一切ありません。イチャコラが見たい人にとっては少し退屈かもしれませんが、失恋した少女たちに真摯に接する主人公の温水くんの姿はきっと肯定的に見られると思います。
 物語の合う合わないは人それぞれですので、すべての人にとって神作品というわけではありませんが、きっと色々な方が楽しめる良い作品だと思っているので、暇があれば是非とも見てみてくだされば嬉しいです。オススメの作品です。


アニメ1話の感想

 さて、あらかたマケイン(負けヒロインが多すぎる! の公式略称)の魅力を自分なりに紹介し終えたため、続いて今度はアニメの感想を伝えたいと思います。

 アニメは今夏から毎週日曜日……ですかね、に放送されます。アマプラなど各種配信サービスでは基本的に火曜日の正午に最新話がアップされるようですね。私はアマプラ勢なので毎週火曜の楽しみです。
 14日から放送開始だったので、今は1話だけ見られますね。追いつくチャンスです。

 こちらが公式のPV映像。髪の動きや背景作画、明暗の描写など、絵に関しては素人なので小難しいことは分かりませんが、昨今の映像と比較してもかなり力が入れられていることが伺えますね。

 本音を言うと、私は初めてアニメ版のキャラデザがお披露目された時にそこまで期待出来なさそうだなと思ってしまいました。
 そう感じた理由は決してアニメのキャラデザが期待外れだとか可愛くないとかではなく、原作のイラスト担当があの『リコリス』を手がけたいみぎむる先生だったからです。平たく言うと原作の絵が綺麗すぎるのです。好きすぎるのです。

 こちらが原作のイラストになるわけですが(本当は挿絵の方が良いのですがそこは買って読んだ人が楽しめるものということで)、このシャツの皺の描き込みや体の動きを表現した曲線の流れ、自然な表情。どれを取っても、どこを見ても可愛いしか出てきませんよね!!
 通な人にとっては2巻の檸檬ちゃん(日焼け少女)のワキとかすごく好きなのでは。

 おそらくカラーの挿絵くらいであれば、Amazonの試し読みで見られると思うので興味が湧いた方はそこから挿絵だけでも覗いてみてください。後悔はさせません。
 そんなわけで、もうとにかく良い質感のイラストを描かれるいみぎむる先生の挿絵をベースに考えていたためにアニメのキャラデザが良い悪いではなく、原作との差異から少し興味が削がれていたところがありました。
 ですが、実際に動いているシーンを1話通して見てみるとそんな不安は一気に拭われ、更に深いマケイン沼に嵌められてしまったのです。

 1話が良かっただけに2話以降もこのレベルの作画が保てるのかという心配が無いわけでもないのですが……とりあえずこれから先も追いかけるべき神作品だと私は感じましたね。
 原作でも楽しめた八奈見さん(青髪の子)温水くん(主人公)の絡みは健在で、動きがついたことで更にコメディチックな要素も追加され、とてもほのぼのするものとなっております。マケインのマケインたる所以の「そりゃ負けるわ」感も良い塩梅にギャグとして昇華されていて、知らず知らずのうちにふふっと口角が上がってしまいます。
 改めて、アニメになるとこんなに違うんですねぇ……。

 こちらの特設サイトではマケインの面白さがぎゅっと詰められているので、このページのノリに「お、面白そうだな」と感じた方は是非とも本編を!!


まとめ感想

 さてさて、ここまで語ってきましたが、如何でしょう。少しでもマケインに興味を抱いていただけたなら何よりです。
 散々言いましたが、何せいみぎむる先生のイラストが素晴らしいので、それだけでも見る価値ありますよ!!

 メイン負けヒロインが3人、特に負けてはいないヒロインが他にも数人登場するのですが、その中で特に私が好きなのは焼塩 檸檬志喜屋 夢子です。

 檸檬ちゃんは先程紹介した原作の表紙になっていた日焼けっ子運動部ですね。頭にレモン🍋の髪飾りをつけているのが名前を覚えやすくて良いと思います。この子も”負けヒロイン”なので、恋焦がれてそれでも結ばれなかった相手(男)がいるわけですが、失恋した陸上部ガールってもうそれだけで最高ですよね……。
 基本的に日焼け、地黒の女の子って好み(ブルアカのカリンを参照)なので、キャラデザの段階から檸檬のことは好きでした。でも話を追うにつれ、やっぱり体育会系の子って真っ直ぐなので、その直向きさに心打たれるんですよね。
 これは本作全体の面白さにも繋がることですが、フラれた女の子ってそんなにすんなり忘れられないし、そんなにすっぱり前を向くことなんて出来ませんよ。一見前向きに見えても心の奥底では、見えないところでは暗く沈んだところで一人寂しく何かに焦がれている、恋心を持ったままなのです。
 そういう意味で、明るく快活な檸檬だからこそ感じられる魅力に惹かれました。

 志喜屋さんに関しては、負けヒロインと言えば負けヒロインなのですが、別に表立って負けた感じでもなく、かといって負け側だよなぁこいつと思わなくもない微妙な立ち位置の子で、主人公からすると上級生という関係性にあたります。
 なので初手から関わり合いになることはなく、アニメでもそこまで深く関わり合いになるまでは時間がかかると思われます。
 デザイン的にはゾンビ系ギャル……ですかね。私は特にそんな感じはしなかったのですが、作品内ではいわゆるギャル系統に属する女の子のようです。確かに距離感は近く、髪も巻いていて制服も少し着崩している様子。でも言動がギャルかというと一般的なそれとは異なり、割とゾンビっぽいんですよねぇ。
 名前もしかばねからとって志喜屋……なのでしょうか。雰囲気的にはそんな感じがしますね。

 初登場は1巻でPVにも出ているため、アニメの登場自体は結構早いものと思われます。その頃は檸檬に染まっていたので特に志喜屋さんには惹かれていませんでしたが、この4巻で一気に持っていかれましたね。
 表紙も素晴らしい胸なのですが、この4巻の内容ですよ。現状では一番好きなストーリーですね、4巻。ラノベにありがちかもですが、1、2巻ほどで世界観やキャラ関係をまとめておき、ようやく3巻くらいからそれを踏まえた本編スタートってのが多いですよね。マケインもそうで、色々なことを読者に植え込んだ後でやってくるこの4巻が最高なんです。これ読んだら志喜屋さん推しになること間違いなしです。
 志喜屋さん、オススメです。

 最後に最新刊のお話を一つ。
 18日にこの最新7巻とSSが発売されますので、こちらも楽しみにしております。SSはシンプルにマケインのキャラが好きなのでその日常ということで面白そうなのと、7巻はこの表紙の子が初登場なのでその負け概要にも興味が止まりませんね。
 一体どんな負け方をするのか、それとも負けきって吹っ切れた後なのか。これだけ”負けヒロイン”がいれば負け方も千差万別ですから、この子がどういう立ち位置に留まるのかが気になって仕方がありません。あるいは勝者側かもしれませんものね、この明るい表情からして。
 なんとなく、俺ガイルのいろはすのような後輩系ヒロインの可能性が無きにしもあらずですが、どうなのでしょう。いろはすのことを鑑みると、後輩ということは「ごめんな、妹にしか見えないよ」なんて言われてフラれていそうな……。
 おそらく新入生なのでこれから惚れて、そしてフラれる……敗者側になるまでの経過を描いてくる可能性もありますね。
 とにかく最新刊、楽しみに待ちたいと思います。アニメも火曜日に毎週見られるのがもうワクワクですね〜。

 ちなみに、漫画版も進行中でこちら最高のコミカライズとなっているのでぜひとも読んだことのない方はこちらも見てみてほしいです!!
 これ裏サンデーコミックスって言うんですね……裏ってなに、裏って。

 長々と語っていきましたが、この記事で少しでもマケインファン、マケインに興味を持ってくれた人が増えてくれたなら幸いです。
 ここまで読んでいただき、ありがとうございました〜!!

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紺色わさび
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