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【応援寄稿 vol.6】茨城県科学技術振興課  伴場 啓人さん

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今日はなんと、ワープスペースが立地する茨城県の「宇宙の人」、まさに「県庁の星」、特区・宇宙プロジェクト推進室(プロジェクト実施当時)の伴場さんに応援寄稿をいただきました。

日本のニュースペース(宇宙新産業)の人であれば、おそらく知らない人はいないだろうという有名人。宇宙産業に注がれる並々ならぬ情熱だけではなく、宇宙産業界のニーズに真心込めて寄り添ってくれるその姿勢、驚愕のレスポンス速度。何をとってみても、彼が茨城県にいてくれて良かったと心から思います。

立場上、応援寄稿をするのは難しいかなと思いながらお願いしたところ、諸々の手配や承認をものの数日で整え、1400字を超えるアツい文章を届けていただきました。本当に感謝しかありません。

ぜひご覧ください。
(常間地)
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JAXA筑波宇宙センターが立地する茨城県。日本の宇宙開発の中核がここにあります。
茨城県では2018年8月、「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」(以下「宇宙プロジェクト」)を立ち上げ、 “宇宙ビジネス”の支援に特化した全国初の取組をスタートさせました。

宇宙プロジェクトの目標の一つに、宇宙に興味を持っていたり、工学等の専門性を身に付けたりした学生さん(茨城県で生まれ育った方、県外の大学に進学した方)、夢を持って茨城県内で働ける、戻って来られる環境を作るということが挙げられます。
その過程では、人々を魅了する宇宙ベンチャーによる茨城県のプレゼンス向上も必要ですし、新技術・新工法を開拓できるものづくり企業や非宇宙関連企業(農林水産業なども)を含めた裾野拡大も必要だと思います。

ちょうど2年前、宇宙プロジェクトの方向性を検討するために、他県の例を調べたことが思い出されます。

“航空宇宙”や“ものづくり”の文脈で宇宙ビジネス“も”支援対象としている例はありましたが、まだ市場規模が大きくない宇宙ビジネスの振興に予算と人員を集中投下する自治体は他に見当たりませんでした。
先行事例がありませんので、「宇宙ビジネスの振興」といっても、何が求められ、何が効果的なのか、全く分かりません。
そこで、宇宙ビジネスの書籍を買い漁り、当時はまだ国内に少なかった宇宙ビジネスに詳しい方や県内の宇宙関連企業のお話を聞いてまわることにしました。

私がワープスペースに出会ったのはその頃です。突然のコンタクトにもかかわらず、亀田先生(当時CEO/現会長)は宇宙ベンチャーの課題や茨城県が狙うべきポイントなどを丁寧に教えてくださいました。
2018年12月には、「いばらき宇宙ビジネスサミット」( http://www.uchuriyo.space/iss2018/ )を開催し、亀田先生や大井川知事、日本の宇宙ビジネスをけん引する著名な方々によるパネルディスカッションなどを実施しました。
宇宙プロジェクトの中核は、亀田先生の御示唆により出来上がったと言っても過言ではありません。

私が常間地さんと出会ったのはその頃です。亀田先生とのコントラストがとても印象的でした。各地で宇宙プロジェクトの営業をさせていただいている今でこそ、常間地さんのような起業家の方と意見を交わす機会に恵まれていますが、当時は「起業家?アントレプレナー?」という状況でした。

その数か月後には、「G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合」で各国の閣僚に対して熱烈なPRを行い、夏頃にはアフリカ諸国と連携を発表し、秋口には「いばらき宇宙ビジネス事業化実証プロジェクト」(宇宙ビジネスの成功モデルを創出する県委託事業)として衛星間の光通信の事業化を目指すといった目覚ましい躍進を見せてくださいました。

ワープスペース・常間地さんは、とにかく感じが良いのです。
エネルギッシュで攻めまくる一方、礼節を重んじてレスポンスも迅速・丁寧。そして書類の整理整頓が素晴らしい(これは行政としてとても嬉しいです)。
適材適所、人や組織を俯瞰して見るという能力に長けているのだと思います。

この数年で宇宙ビジネスのプレイヤーは増え、これからは激動の時代に入るかも知れません。
それでもなお、筑波大学発の宇宙ベンチャーとして、ワープスペース(常間地さん、そして多くの優秀なスタッフの皆さん)の活躍に期待せずにはいられません。


茨城県科学技術振興課 特区・宇宙プロジェクト推進室(当時)
伴場 啓人

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全国初となる宇宙ビジネスに特化したいばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクトの立ち上げに携わり、宇宙ベンチャーの創出・誘致や非宇宙企業の巻き込みに奮闘。
宇宙ビジネスを盛り上げる施策を模索中。幼少期からの宇宙好きで、理工学系に入学、法学系で卒業した異色。2009年に茨城県庁に入庁し、選挙管理や保育所整備、内閣府出向等を経て2016年から現職。

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