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【Small Satellite Conference】世界最大級の小型衛星関連学会に登壇、超満員の観衆に反響

2022年の8月6日 - 8月11日の6日間、ユタ州立大学にて、世界最大の小型衛星関連の学会であるSmall Satellite Conferenceが開催されました。ワープスペースからはCSOの森が参加し、当社が取り組む地球観測衛星に関連する課題や光通信衛星業界の動向について、サイドミーティングにて講演を行い、大きな注目を集めました。当記事では、Small Satellite Conferenceの概要から講演内容、そしてその反響についてまとめていきます。

Small Satellite Conferenceとは、1987年より開催されている、小型衛星に関連する学会であり、大学の研究者やビジネス関係者の展示、交流の場としては世界最大級のものになります。今回の参加者は40カ国から3300人、参加組織数は240に上ります。
対面での開催は2年ぶりであり、参加者数もパンデミック前の数字に戻ってきたようです。

Small Satellite Conferenceは2年ぶりに対面での開催となりました。

このSmall Satellite Conferenceも、かつては軍事関係者のセッションやプレゼンテーションが目立っていましたが、今回は主要な小型衛星コンステレーション企業等の講演が目立っていました。かつてのように軍や政府機関が民間に対して技術開発の依頼や補助を行うフェーズから、民間企業の間でより良いものをより早くより安く提供する競争が起こるフェーズへのトランジションが済んでいることを示していると考えられます。

また、企業や大学関係者以外では、NASAをはじめとした、商業利用よりも科学目的を掲げる機関の展示が目立ちます。例としては今年6月に打ち上げ成功した、アルテミス計画の先鋒を務める「CAPSTONE」など、「500kg以下」という小型衛星の定義を満たす宇宙探査機の展示ブースなどが印象的であったと森は語ります。

各企業のブースには多様な展示物がありました。

また特に、今後NASAのArtemis計画にて深宇宙有人探査を実施するために必要な、「1 TBでの衛星間通信を理論上可能にするための光通信」の実証衛星であるTBIRD(Terabyte Infrared Delivery)の展示も注目です。光通信は当社がメインとして取り扱う技術ですが、NASAがこのSmall Satellite Conferenceにて光通信に関連する技術実証衛星の展示を発表していることから、NASAもこの分野へ熱視線を送っており、今後、光通信業界がさらなる盛り上がりを見せることがうかがえます。

今回、森はサイドミーティングでの40分間のプレゼンテーションにて、自社サービスの紹介に加え、業界における通信課題と、その解決策としての光通信の価値について紹介しました。

ラジオ波の利用可能なバンド帯の枯渇や、国、探査機、装置ごとに求められる周波数調整の困難さなど、国際的な問題に対して光通信がどのような解決策を提案できるのか。また光通信サービスを提供するサービスプロバイダと、光通信デバイスを開発するデベロッパー、地上局側のプレイヤーなど、現在盛り上がりをみせている光通信業界のマッピング、現在の業界の動向、技術的な課題と価値、そしてビジネスを俯瞰した話題を提供しました。

今回の講演では、光通信の優位性や業界のマッピングなど、自社のサービスだけにとどまらない光通信業界を俯瞰した話題を提供しました。

聴衆の中には光通信業界以外のバックグラウンドを持つ参加者も多く、会場は立ち見がでるほどの超満員であり、非常に興味を持って受け止めていただきました。

講演中の森の様子。会場は20-30人ほどが立ち見となるほどの超満員でした。

講演後は1時間ほど質疑応答の時間が設けられましたが、そこでは、光通信を今後利用していくに伴う技術的な質問や、日本国内で光通信に参入している事業者についての質問などが飛び交い、自社のサービスにとどまらず光通信業界全体に関わる議論が展開されました。また、その後のカンファレンス中にも、講演やブースでの発表から繋がってローカルにミーティングの場を設けたり、レセプションへ招待されたりなど、ワープスペースの今後の事業の展開につながるような商談や交流に発展し、非常に実りのあるカンファレンスになりました。

森が招待されたヴァージン・オービットの野外のレセプションは、みな雷の轟く中構わず楽しんだそうです。このレセプションがある意味、豪傑たちの集いであることを雄弁に物語るエピソードです。

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