見出し画像

【応援寄稿 vol.9】古生物学者兼起業家 芝原 暁彦さん

―――――――――――――――
おそらく日本で今一番クレイジーな(良い意味で)古生物学者の芝原さんです!!産総研発ベンチャーを経営していたり、恐竜の研究をしていたり、ブラタモリに資料提供していたり、自宅で特撮撮っちゃったりと、今までたくさんクレイジーな方にお会いしてきましたが、芝原さんはその中でも最上級のクレイジーです。

文中にもあるように、芝原さんと未来の人類社会のことをアツく語りあったりしてるのですが、まさに時間を忘れて激論しています。

こういう類の方々の例にもれず、死ぬほど忙しくされているなかで、こんなアツい応援寄稿をいただいて心から感謝です。
(常間地)
―――――――――――――――

画像1

地球が誕生してから約46億年、地球上に多細胞生物が現れたのが約10億年前、それからこの星の生命は常に進化を続けてきました。そして特に最近の1万年間、すなわち我々がいま生きている「完新世(かんしんせい)」と呼ばれる時代に、人類は地球史上かつてないスピードで活動のフロンティアを広げ、その手はいまや宇宙へと及んでいます。


宇宙開発と言えば、かつては国家規模の巨大事業と言うイメージを持たれていたかと思いますが、このワープスペースのプロジェクトのように、クラウドファウンディングで関わることができる非常に身近な存在となっています。

私は世界中から発掘される化石と、それが含まれていた地層のデータを調べ、過去の地球環境がどのように変動し、それに対して生物がどのように進化したのかを調べています。本プロジェクトの衛星間高速通信ネットワークを知って以来、こうした先端技術が我々の仕事にどのように影響するのかを日々考えます。
例えば過去に調査した北極海や中東の砂漠といった場所では、まだまだネットワークに接続できない地域がありましたが、それが解消されるのではないか。

また地図情報の密度や精度は国によってばらつきがあるため、調査する際には時にドローンや地上測量で地図を作ることもありますが、宇宙からリアルタイムで高精度モニタリングできれば、こうした事から解放されるのではないか。

つくばでは近年、こうした先端技術のベンチャーが数多く立ちあがっており、最先端科学とビジネスとが有機的に絡み合い、凄まじい勢いで進化している空気を日々感じています。常間地CEOとはそうしたベンチャーのピッチ会で出会い、未来の人類社会について熱く語り合う仲間となっています。

私自身も「地球科学可視化技術研究所(地球技研)」という研究開発系のベンチャー2016年につくばで設立し、化石や地質学から判明した知られざる地球の姿を、高精度な立体造形技術で作り出した大型模型とVRで立体化する、すなわち大昔の情報を最先端の造型テクノロジーで可視化する「未来の博物館」を創出する試みをはじめました。この試みによって人が地形や地質を立体的に把握し、人類の空間認識能力が拡張されることで新しい社会が作れるのではないか、そう考えて日々研究開発に邁進しています。


本プロジェクトが推進する超小型衛星は、いわば人類が手にした新しい「目」であると感じます。この新しい目によって、宇宙からのリアルタイムな視点が我々の生活に組み込まれれば、人類の空間認識は確実に拡張されることでしょう。人類のさらなる進歩に大きく関わるこのプロジェクトから、目が離せません。


産総研発ベンチャー
地球科学可視化技術研究所(株)代表取締役
芝原暁彦 (Ph.D.)

古生物学者、博士(理学)。18歳から20歳まで福井県の恐竜発掘に参加し、その後は北太平洋やオマーンなどで微化石の調査を行う。筑波大学で博士号を取得後は、つくばの地質標本館で博物館展示と3D-CAM(コンピュータ支援製造)に関する研究を行った。2016年には地球科学可視化技術研究所を設立。2019年より福井県立大学恐竜学研究所の客員教授を兼任。
■主著「化石観察入門」「恐竜と化石が教えてくれる世界の成り立ち 」ほか
■監修書「世界の恐竜MAP」「古生物のしたたかな生き方」ほか
■著書リスト:http://amzn.to/35lqPFg
■Twitter: @AShibahara

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?