見出し画像

チーズケーキは欲張りな人ほど美味しく食べられる

食べることが大好きだ。食べて美味しかった物のことはよく覚えている方だと思う。「美味しかったなあ」という記憶からは味こそ再現されないけれど、当時の感動や心満たされる感覚はいつでも思い起こすことができる。

そういう食の思い出のひとつに、チーズケーキがある。タイトルのとおり、チーズケーキは欲張りな人ほど美味しい思いができるのではないかと思っている。

今日は、そんな思想を抱くきっかけを話したい。

と言いつつアップルパイの写真で失礼いたします

ケーキの中で、チーズケーキがいちばん好きだ。しっかり焼いてあるやつも、レアチーズケーキも。もともとチーズが好きなのもあると思う。なんというか、チーズケーキって鼻に抜ける空気までおいしくないですか?

なかでも、忘れられないくらいおいしかったのが、人から贈り物でいただいて知った「デリチュース」というチーズケーキ。

あの、本当に最高なんです。

濃厚なチーズの香り(しかもちょっとクセがあるチーズ)と、上に乗っているアンズのジャムとの相性が最高で、ひとくち食べてすぐ気に入ってしまった。

わたし史上いちばんおいしいチーズケーキが決まったわけだが、このお店は大阪の箕面にあり、そして残念ながらわたしは大阪を離れることが決まっていた。

しばらく、ふと思い出してはこのチーズケーキに恋焦がれる日が続いた。

そしてある日、新大阪駅にも出店していることを知った。

おみやげでも買えるし、駅のカフェではイートインで食べられるそうだ。つまり、大阪を掠めるような旅程であれば、在来線や地下鉄から新幹線の乗り換え待ちのときに立ち寄ることができる。

旅の合間に大阪をねじ込んで、わたしは実行した。カフェでチーズケーキが運ばれてくるまで、相当ソワついていたと思う。

運ばれてきたチーズケーキを一口食べると、アンズのジャムの美味しさは相変わらずなのに、チーズの風味がなんとなく物足りなかった。もちろん美味しいのだけれど!

思い出で美化しすぎたのかしら、とも考えたが、ひとつ思い当たることがあった。

いただいたときは、ホールケーキだったのだ。一方で、いま食べたカフェのショーケースのチーズケーキは、すでにカットされた状態で並んでいて、たぶんある程度時間が経っている。

もしかすると、チーズケーキはホールのほうが、チーズの風味が飛ばないのかもしれない。

とすると、チーズケーキを美味しく食べるには、ホールで買う欲張りさというか、思い切りのよさが必要なのだ。

とはいえ、美味しいことには変わりないのですよ。
新大阪駅はりくろーおじさんだけじゃない。

この話を母にすると、「…確かにそうかも!ホールを食べるから美味しいのかも。」と妙に納得して、思い出話をしてくれた。

母の高校の同級生でお菓子作りが上手な子がいて、特に彼女の作るチーズケーキは絶品だったという。

母は友達に貸しを作るたびに、チーズケーキを作って来るよう頼んでいたらしい。そして、いまだにそのチーズケーキを越えるおいしさのチーズケーキとは出会ってないそうだ。

「あの子が作ってくれたチーズケーキ、いつもホールだった」

やっぱり、チーズケーキっていうのは、ホールでいっちゃうような欲張りな人こそおいしく食べられるに違いない。

迷信めいてるけれど、たくさん美味しいものを食べる言い訳になるし、いいよね。

デリチュースのチーズケーキは新大阪駅でホールでも買えますので、ぜひ。一人で食べ切れるか不安なら、私がお供します。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?