2018 October, Part 1_Rome_Grosetto

この旅でトスカーナへの長い旅も一応の終わりを迎えます。

カリフォルニア大学バークレー校の友人の先生に誘われて初めてナパのワイナリー巡り、それもリムジンをチャーターして運転はドライバーに任せてひたすらワインに身を委ねるという経験をし、はじめてワインの魅力を知り、飲むだけでも楽しいんだけれど一度自分でも輸入してみようか、インターネットで見ていると意外に個人で輸入している人も多いことを知ってから何年かが経ち、様々な人たちと出会うなかでナパがトスカーナに変わりました。
実はそれはナパのワインに比べるとトスカーナのワインのほうが安く、趣味で輸入するにはリスクが少ないこともありますが、一番大きな理由は自分が建築家を目指すことに決めた都市であるフィレンツェ、その文化をもっと知りたい、それこそ尊敬するルネッサンスの建築家であるフィリッポ・ブルネレスキや画家のサンドロ・ボッティチェルリにフィリッポ・リッピ達が生きていた時間や空間に近づいてみたいというのが最大の理由でした。

2018年10月、紹介されたワイナリーを訪ねる目的でローマ空港に到着します。そこから今回はトスカーナの街、グロセットまで足を伸ばして、大都市の高級ホテルとは正反対のアグリトゥーリスモ、田舎の自然の中、農家が経営する宿泊施設に泊まります。
ローマから着いたのは夜でしたが、朝になるとそこはトスカーナの田園の真っ只中でした。

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せっかくなので、地中海の面した城砦都市であるグロセットの街に出掛けます。

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ついでに農家がオリーブを持ち込んでオイルを絞ってもらう、日本の農協のような共同施設を訪ねます。ここで入手した絞ったばかりの量り売りのオリーブオイルは絶品でした。

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そんな1日の後、ワイナリーを訪ねます。
のびやかに起伏するトスカーナの自然。

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CASAVICというワイナリーに到着。
ここのオーナーはローマ大学卒の建築家で木造が専門だったけれど、10年ほど前に建築家を辞め、このトスカーナに土地を買ってワイナリーを始めたとのこと。まさに立ち上がったばかりのワイナリーで、ワイン初心者の我々が付き合うのも何かの縁かなと思いました。
でも、さすがは元建築家。その何もなかった土地に彼自身が設計して立ち上げたワイナリーは、だれもが、なるほどトスカーナのワイナリーだな、と納得させるに十分なデザインの建物と環境でした。なにしろ本人の設計ですから。

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到着すると休むまもなく、彼のランドローバーに乗せられ、畑とブドウの樹木の見学に出掛けます。緩やかな斜面のランドスケープに拡がるブドウ畑を車で廻るのですが、ランドローバーの警告音は鳴りっぱなし。日当たりの良い緩やかに傾斜するランドスケープがブドウには最適だと納得させられました。
で、その後にテイスティングです。

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そのあとで、いくつワイナリーを廻ったでしょうか。
ほとんど記憶がありません。

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そんな心地いい酔いとともに、輸入するワインを決めました。
ここで2003年にナパを訪ねたところから始まったワインの旅が終わります。
ナパで出会ったウエディング・キュベを日本でも飲みたいな、というところから始まり、フィレンツェで出会ったトスカーナ・ワイン、それもベルメンティーノの白もいいよねという気分で方向転換したこの旅は、ここトスカーナで終わりを迎えたのです。

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