2017 October, Part2_Rome

ベルリンからローマに入ります。
ベルリンも晴れていたのですが、到着したローマ。
フィウミツィーノ空港。

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ベルリンは冬の入り口だったのに、ここローマはまだ夏の名残。それにローマの青空はベルリンとはまるで違います。

この時のホテルは「ローマの休日」でグレゴリー・ペックの自宅だった場所の近く。夕暮れになると道路ではレストランが営業を始め、ああ、ローマに来たなあという気分になります。

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今、欲しいなあと思っていた車と出会ったり。。。

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まずは今回の目的だったドムス・アウレア、最近発掘されて見学が可能になったネロの黄金宮殿跡の見学です。
Uberで車を探し、住所を言って降ろしてもらったものの、入り口が見つからない。予約時間を15分も過ぎてしまい、でもようやく辿り着いてみればようやくスタートしたところでみんな入り口のところ。

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英語ツアーが一杯でスペイン語ツアーに参加したのですが、まあ、いつもツアーで見学していても一番後ろからついて行って写真を撮っていますから、まあいいかな、と。
だいたい何時もは前のグループについて行けと最後尾のガイドに怒られるのですが、さすがスペイン語ツアー、しかもここはイタリア、みんな自由にそこら中を歩いていてガイドも我々を自由にさせてくれました。
むしろこちらが途中ではぐれたりする人が出ないか、と心配したくらいです。

建築家としてはやっぱり構造体のスケール感、そのローマ的な内部空間とそれぞれに独立している空間と構造が結節する場所での扱いが発見でした。
フォロ・ロマーノに行っても、ハドリアヌスのヴィッラに行っても体験できるのはローマの外部空間ですから、ローマの内部空間は想像するしかない。それを実体的に体験しようとするとまずはパンテオンしかないのですが、ここではそのローマの内部空間を体験できます。しかも構造体だけなのでより純粋な空間体験といってもいい。

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それとここにしかなくてパンテオンでは体験できない体験は、それぞれの単位の空間の接続方法です。

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参加したツアーがスペイン語だったので、具体的にこの空間の由来を調べていないのでよくわからないのですが、平面図を見ると大きな4つ、小さい繋ぎのブロックを入れると5つのブロックが集合していて、しかも直交座標系に従っていません。部分的には整合している空間ブロックがそれぞれのブロックを支配するものではない別のロジックに従って集合しているという様は、前回訪ねたハドリアヌスのヴィッラの平面を思い出させます。

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ここで建築家の想像力は飛翔します。
ちょっと待って。
数日前に見た、ミースのレムケ邸。
あれも部分と全体が異なったロジックに乗っていると見えたんじゃなかったっけ?ミースとローマは同じ空間構成ロジックなのかな?
自分の建築のことをレムケ邸で思い出したけれど、実はこうした空間構成ロジックが潜在的に好きで、だから何度もローマに来るのかな、それで今もこのドムス・アウレアに居るのか、と夢想しました。

ローマの遺跡の真っ只中に居ながら、想像はベルリンへ、そして京都の自分へと飛翔できること。これが建築家という職能の喜びなのか、とこの時思いました。

そしてドムス・アウレアの一つの中心であるドームの空間。

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最後に遺跡の中の劇場のような空間に集められます。

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ここでVR, Virtual Reality用のヘッドセットをつけさせられます。
最初に見えているのは360度見廻しても自分が今居る廃墟の内部空間。それが音楽とともに画像が変化し、ネロの黄金宮殿が存在していた時代の内部空間まで、千何百年かの時間を一気に遡ります。
そこから視点は外部に出て空中に飛び出し黄金宮殿の全体像、それにその頃のローマの風景まで見せてくれます。

これまではVRってまあ、ゲーム空間としてはわかるけれど、建築の理解には子供騙しだなと思っていたのですが、この演出、廃墟の一室という現実から時間を遡り、そこからローマ全盛当時の都市空間までを21世紀から1世紀まで連続的に体験するという演出は「現実+VR」というやり方で、建築と都市空間の体験が時間と空間を超えるもので、感動してしまいました。

その体験の後、現実の21世紀、ローマに戻ります。
目の前にはコロッセウム、その先にフォロ・ロマーノの遺跡が見えますから時間旅行をしてきた気分ですね。

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こうなれば、自分にとって行かなければいけない場所、戻らなければいけない場所があります。そう、パンテオンです。
天気のいい夏の終わりの太陽光の入るパンテオンに、そう気分で言うとお参りに行きました。

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次はいよいよフィレンツェです。

つづく。


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