大好きな村で家を建てたら薪ストーブ屋さんになっていた話。
こんにちは!北陸の暮らしづくり職人、WARMTH坂口工務店の坂口智志です。
突然ですが、「薪ストーブ」ってご存じですか?乾燥させた木の薪を燃やして使う本格的な暖房器具で、日本でも雪の多い地域を中心に活用されています。北欧やカナダの家にあるイメージを持つ方も多いかもしれません。
そんな薪ストーブですが、電気料金の高騰やアウトドアブームなどを背景にいま注目が高まっているんです。
今回の記事に登場するのは薪ストーブつきの家を建てたことで、なんと自分自身が薪ストーブ屋さんになってしまうほどその魅力にハマりこんだ住まい手さん。
ぜひ、あなたも薪ストーブ沼に足を踏み入れてみませんか・・・?
薪ストーブ屋さんのお仕事って?
富山県の中でも林業が盛んなことで知られる山田(富山市)で薪ストーブ屋「カローレ」を営む松島さん。海外人気ブランド製品の販売、設置、煙突取付から、設置後のメンテナンスまでを一手に担う、北陸でも数少ない薪ストーブのプロフェッショナルです。
「自然災害がニュースを賑わすことも多い昨今、もし電気が止まっても薪ストーブがあれば暖をとることができる」
「火を扱うことが少なくなった生活の中で、子どもたちに火の危険性を知った上でうまくつきあっていく術を学んでもらえる」
「電気や石油などの“誰かにつくったもの”に頼る便利なだけの生活にはない、自分でエネルギーを作り出す楽しみ」
などなど、ただ販売するだけの薪ストーブ屋さんではなく、薪ストーブのある暮らしをまるごと届けようといろんなことを教えてくださるのも松島さんのプロたる一面。
そんな松島さんの家づくりには、ほかでもない薪ストーブが大きな影響をおよぼすことになります。
「薪ストーブのある家」をつくりたい
山田生まれ、山田育ちの松島さん。家を建てるなら山田がいい、さらに言うなら地元の木を使ってつくりたいと思いながらなかなかきっかけがありませんでした。
そんなとき、たまたま同じ山田で工務店を営む坂口が手がけた家の完成内覧会を訪れ、立派な丸太梁に一目惚れ。木が見えて、外は自然に囲まれて、住んでからも変化していく「味」を楽しめる。そんな家を作ろうと決めたのでした。
それからは理想の場所探しの日々。生まれ育った山田ではなかなかいい土地が出てこない・・・でも山田以外で探してもやっぱり後悔が残ってしまう。なかなか土地決めに踏み切れずにいたとき、ついに理想とする場所と出会うことができたのです。
家を建てるパートナー探しでいくつかのビルダー、工務店さんと話をするなか、見学会で見た丸太梁の家を忘れられずにいた松島さん。最終的に坂口を選んでくださりました。
「他のところも見たけれど、手刻みのこだわりなど、大工さんの気持ち・心意気がこもっていることや地元の木を使うこだわりがよかった。作る過程で職人さんたちと仲良くなれたのもよかったです。」そう語る松島さんの家は、薪ストーブ第一で作られました。
実家の山で野焼きをしたり、中学まで五右衛門風呂を使っていたという松島さん、薪を使って火を起こす薪ストーブがある暮らしは新鮮でありながら懐かしい、年月を経るほどに愛着の湧くものでした。
そうして木と薪ストーブに囲まれて暮らすなか、「こんな家を商売にできたらもっといいな」と思うようになっていきます。
「薪ストーブ」屋、はじめました!
元々は建設系の会社に勤めていた松島さん、家を建てたあと「薪ストーブのある暮らしを仕事にしたい」という思いから、薪ストーブの販売、設置などのお仕事を始めるようになりました。
建設会社時代のスキルを活かして外構工事や基礎工事の仕事を請け負いながら、薪ストーブの会社で修行を積み、ついに昨年には薪ストーブの会社「カローレ」を法人化するほどに成長。家を建てたときの目標を実現することができたのです。
もともと会社勤めしていた頃と比べて心に余裕ができたのも薪ストーブのおかげ、と笑う松島さん。もちろん「本当に自分にできるのか?」と悩みながら踏み出した一歩だったそうですが、決断を後押ししてくれた奥さんにも改めて感謝を感じていると語ります。
家電やスマホなど生活が便利になった反面、孤独も感じやすい現代。人とのつながりを感じる大切な道具として薪ストーブをもっと世の中に広めていくことを目指す松島さんの暮らしは、その言葉通り、薪ストーブをきっかけにさまざまな人との出会いが生まれていくとても暖かな空気に満ちていました。
次回記事では、薪ストーブを中心にした松島さん宅のこだわりや、薪ストーブがある暮らしの魅力をお届けします。
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