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通学路の香り

自宅から小学校までは徒歩で20分。

ちょうど半分ほど進んだくらいの位置に、無造作にバラがたくさん咲いている家があった。
その家の前を通る時、落ちている花びらを一枚拾ってハンカチの中に挟めておくのが好きだった。

授業中や休み時間に、こっそりとハンカチを開いてバラの香りを嗅いでは、少しだけ素敵な大人の女性に近づけたような、誇らしい気持ちになれて嬉しかったことを覚えている。

大人になった今でもバラの香りを嗅ぐと、その小学校3年生の時に歩いた通学路の記憶が蘇る。
何でもない。けど自分の中で大切にしたい思い出。
(はたして、あの時想像していた素敵な大人の女性にはなれたのだろうか?
という疑問はそっと胸の中にしまっておこう。)

〜〜〜

母の病気が分かり、最近よく昔のことを懐かしむことが増えました。
忘れたくない何でもないけど愛おしいことを、少しずつでもnoteに書き残していけたらいいな。

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