NAGAは囲碁AIに及ばない理由
麻雀AIの現状をざっくり知りたいなという人向けの記事
その前にソフト進化の歴史を解説
deep learning(ソフト同士で永遠に戦いトレーニングするイメージでいいです)を身に付けた囲碁AIがソフトの進化と最終系。結局は総当たりに落ち着く。
いくつか技術的特異点を通ってきたAI
1997年 チェスAI(ディープブルー)グランドマスターに勝利
2005年 将棋AI(BONANZA)開発、2006年ソース公開
2013年 将棋AI(ポナンザ) 将棋プロに勝利
2016年 囲碁AI(アルファ碁)、囲碁トッププロに勝利
2017年 将棋AI(elmo) 将棋名人に勝利
2018年 囲碁AI(金毛) 350連勝
2018年 囲碁AI(金毛)、ビョンサンイル(人間)に2連敗
シチョウに弱点が発見され、AIがまだ完璧ではないと証明
人間が個別に形ごとにプログラミングしたくないのが deep learning
NAGAは?
NAGAはご存じのように人間のセオリーを学習してそれをベースに優勢判断を行っている
それプラス、人間が絶対及ばない確率計算能力を備えている
これって一昔前の将棋AI、2013年 将棋AI(ポナンザ)に似ている
というのも資金の壁があるせいで麻雀AIは囲碁AIのような総当たり計算を取り入れていない
麻雀AIの強さは?
現状でトップのNAGAを分析すると、2013年の将棋AIと同等と思われる。
2013年の将棋AIの強さはというと、序盤がアマ初段程度、ソフト得意分野では人間を完全に超えている。
実力としてはプロの4段くらい
このアンバランスさ、人間を完全に超えたと言い切れない部分が2013年の将棋AI
NAGAはどうだろうか
特に東1で安上がりは得かの判断では、終局勝利予想までたどり着けず、局収支までしか判断できない
囲碁で言う初手三々と初手星のような問題で、最終的には正解があって囲碁AIでは正解にたどり着いている
正解にたどり着いたのは膨大な量を総当たりする囲碁AI
NAGAはその域までたどり着いていない
麻雀AIの次の技術的特異点は?
これは先ほど書いたようにはっきりしていて、囲碁AIのように第1打から終局での勝率計算を出来るようになった日。その日がくれば間違いなく人間を超えたと言っていい。
勝率が低い時に無理な逆転手を狙いに行く(いわゆるソフト自爆)をしない
この2点を抑えられれば麻雀AIの最終系になると思われる
現状では、多分人を超える圧倒的強さの麻雀AIを作る事は可能であるが、そこに資金投入する需要が発生していない
今後も麻雀AIを作るモチベーションが上がらない状態だと、NAGA1強が続くと思われます