ステロイド服用中の精神障害(気分の落ち込み編)


あっという間に春ですね。変化の季節。

子どもの頃は春が嫌いでした。理由は、クラス替え。どのグループに属すべきか、そのためには誰と仲良くなる必要があるのか。休み時間のおしゃべりでの身の振る舞いひとつ、トイレに誘う友達ひとり考えるのに、疲れ切っていました。

グループ形成の波に乗り遅れないように、必死だったんだと思います。学校って閉鎖的な場所だから。そこのコミュニティでうまくやれないことに異常に怯えていました。

そんな子ども時代と比べたら、今はずいぶん春を楽しめるようになったなと思います。純粋な気持ちで桜をのんびりと愛でることができるようになりました。ちょっとだけ、大人になれたのかな。

とはいえ、春はやっぱりいろんなことが変化するようで。私自身も新しい仕事を任されることになり、少しソワソワしています。周りにも、環境の変化に伴い精神的に不安定になっている友人が何人かいて、話を聞くことが多いです。やっぱりみんな不安になる時期なのかもしれないですね。


悩んでいたり、落ち込んだりしている友人に、私はいつも「日記を書いてみたら?」と勧めます(実際みんなどのくらい実践してくれているかは謎ですが)。私の考える効用は2つあります。


①自分の考えを整理できる(結果、「あ、なんだ大したことないじゃん」と思えることも、たまにある)

②後々読み返した時に(特に辛い時など)、「あの時よりはましだ」とか「あの時こうやって乗り越えたから大丈夫」という励まし・自信になる


この2つの威力、私は結構感じています。だから「あ、今ヤバイな」と思ったら、誰かに相談する前に、日記を開いて、思うがままに書き出してみます。

書きたくないことは、無理に書かない。でも吐き出したいことは、まとまりがなくても、何がいいたいのか自分でも分からなくても、ひとりごとをいうように、書き連ねる。そうすることで、とりあえずは、落ち着けるんですよね。この習慣がなかったら、ステロイド服用中の気分のアップダウン(というかほぼダウン)は、乗り越えられなかったのでは、と思います。



はい、ということでここからが本題。ステロイド服用中の精神障害(気分の落ち込み)についてです。日記の話をしたので、当時の日記から原文をいくつか抜粋してみます。

当時の状況:原田病発症後4〜8ヶ月程度。プレドニンがおそらく7.5〜5ミリ程度。気分の落ち込み以外には、不眠、胃の不調、頭痛、眼痛、倦怠感に悩まされていた時期。職場の人間関係や、今後の自分のキャリアについても悩んでいた。


今、すごく苦しい。こんなに毎日泣いているのは、本当におかしいと思う。この環境が変われば、この地獄は終わるだろうか。ステロイドが終われば?部署が変われば?そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。(2019年10月29日)
頭痛い。本読むと目回る。目が痛い。朝でもそれなりに辛い。でも千葉敦子さんはたくましい。(2019年11月9日)
会社休んでしまった。「しまった」というけれど罪悪感はないし、必要だったと思う。今、目が痛い。まぶしくて、ずっとカーテンしめていた今日。頭も痛いし、横になっても目が回る。仕事休んだのは、朝目覚めた時のだるさがひときわ強かったから。早く”気持ち良い朝”を迎えたい。明らかに体力落ちている気がするけど、気のせい?(2019年11月13日)
なぜこんなに疲れるのか分からない。理由が知りたい。でも今日は仕事に久々に集中できた。上司に「痩せたでしょ」っていわれた。「スーツダボダボだよ」って。分かるんだなあ。(2019年11月14日)
あんまり家にこもってても仕方ないと思うけど、風邪っぽいのは事実。1週間が長い。頑張らなくてもいいやと思って、この3ヶ月は過ごそうと思う。気力の問題なのかしら。そして頭痛持ちになったなと感じるほどに、頻繁に頭が痛い。(2019年11月17日)
人を恨むことは疲れるし、自分にとっても結局ストレスになるから、できるだけしたくないけど、抑圧しすぎる方がおかしくなる。8割でいいやって思えるようになれれば。〇〇や〇〇(大学時代の友人の名前)に話して、少し楽になった気がする。ありがとうだね本当。また涙出てきちゃった。毎日泣いてる本当。もう自分を苦しめるのはやめたい。小さなことで人はつまずくんだなって思った。小さなことでも、積み重なれば、もう立ち直れないくらいの大きな傷になる。(2019年11月29日)
孫悟空の輪っかが頭についてるみたいに、頭痛がする。これ、治るのかしら。未だに、泣きながら眠りにつくことがある。そういう時は”大丈夫”って言い聞かせながら眠るようにしている。(2019年12月7日)
1回底に落ちて、今落ち着いたところ。久々に自炊ができた。部屋のそうじと洗濯も併せて、1日でできた。いつぶりかしら。多分9月ぶり。波があるのは知ってるから、頑張り過ぎないようにしたいな。(2020年1月13日)
死にたくなった時こそ、気持ちを書き記しておこうと思ってノートを開いた。正確にいうと、死にたいわけではない。ただただ、理由は分からず”今”が辛い。それだけ。孤独で先が見えなくて、苦しい。ゾルピデム(睡眠導入剤)飲んだからか、少し落ち着いてきたようにも感じるけど。(2020年2月5日)


読み返す限り、この2月5日が底だったな、と思います。このあと職場環境を変えたり、治療が終わったりで、心身の状態が少しずつよくなっていきました。

改めて読み返して、当時の自分に「よく生き延びたね」と声を掛けたいです。自殺願望を抱いたり、自傷行為に走ったりすることはなかったけども、こんな土台がボロボロの状態では、何があってもおかしくなかったかなあと思います。

気分の落ち込みというのは、何かしらきっかけがあるにしても、白黒はっきりしているものではないと思っています。少しずつ病んでいって、少しずつよくなっていく。

病んでいた時期はステロイドを飲んでいたし、本当に良くなっていったのはステロイドを飲まなくなってからでした。(この精神状態はステロイドのせいだ!という)自己暗示の影響もあったかもしれません。

いずれにせよ、この日記を書いていた時期は普通の状態ではありませんでした。本来の私ではなかったと思います。

それに自分自身が気付き、適切な人や専門機関に相談することができていたら、もう少し救われていたのかな、とも思います。一方で、「自分は精神疾患を患っている」と自覚することで、余計落ち込んでいた可能性もありそうですが。

この辺りは、自分のことでも、分かりません。でも、こうして地獄絵図のような日記を書く作業が、当時の自分を生かしていたんだと思います。


・・・はい。なんだか備忘録みたいになってしまい、ひとつも有益な情報を書けなかったですが。。気分の落ち込みやうつに悩まされている方の目に留まり、何かしらの助けになれたらうれしいです。


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