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【朗読】いしもともりの語り集

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『朗読』と『語り』の違いをご存知ですか😊? ●朗読→解釈を加えることなく感情を込めず淡々と読む。 ●語り→作者の意図や物語の核を解釈して読む。 その昔、こどもに読み聞かせをする時…
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記事一覧

#1秒の恋 【語り】

いしもともり

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「お隣の奈緒ちゃん帰省してるから挨拶しときなさい。あんたは昔っから世話になってるんだから」

「ん……」
俺は気のない返事をする。

奈緒とは、もう3年くらい会っていない。

中学時代、俺はヤンチャしていた。
俺を注意する奴なんていなかった。
菜緒を除いては。

6歳年上の奈緒は、いつも俺にかまった。
「ほっとけよ」
いくら言ってもかまってきた。

そしてなぜだか、奈緒が家に帰るタイミングで鉢合わ

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満月の夜【語り】

いしもともり

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満月の夜は出産が多く
満月の夜は交通事故が多い

満月の夜は衝動性が高まり
満月の夜は犯罪が多発する

満月の夜は狼男が出現し
満月の夜は人を突き動かす

「満月は人を狂わせる」らしい…

私が運転する車の助手席には私の親友
今夜は車窓から
大きなオレンジ色の満月が見える

逸る気持ちがアクセルを強く踏む
いけない ここで急いてはいけない
ここで満月の力に負けてなるものか
アクセルを緩める
ハンド

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世界一の魔女がいた
勉強なんてしたことがない
生まれた時から 
強い魔力 美貌 センスを持ち合わせ
どんな魔法もチョチョイとこなせた

世界中の権力者や大富豪が 
魔女を崇め 賞賛し
大金を積んで こぞって 跪ひざまずいた

魔女は人が望む願いを 
なんでも魔法で解決した
魔女にとって 
魔法はなんでもないことだった
毎日 たんたんと 魔法を使った

魔法を使うと
勝手に感謝される 
勝手にお金が

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巨人の村に こびとが暮らしていました。

巨人の村は
建物も大きく
道具も大きく
食べ物も大きく
こびとにとっては
とても暮らしづらい環境でした。

村で一番小さな家を探しましたが
扉の取っ手は届かないし
トイレは大きすぎて落ちてしまう。

村で一番小さなフライパンを買いましたが
重くて持てないから料理はできない。

村で一番小さなパンを買いますが
食べきれなくて腐らせてしまう。

働こうとしまし

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貯心箱 【語り】

いしもともり

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noteの音声機能を使ってみたくて……。
貯心箱を録音してみました😆初挑戦❢うまくいくかなー?

【超短編小説 貯心箱】
あのね みんなね
2つの入れ物をもってるんだよ
知ってた?

ひとつはね
透き通った珊瑚色の四角い入れ物
うれしい時やたのしい時
ウキウキした時やワクワクした時
ボタンをポチって押すとね
入れ物の中にキラキラがたまっていくんだ

もうひとつはね
深い碧色の四角い入れ物
かなし

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