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【ラグビー・トップリーグ】2018.8.31 キヤノン対東芝戦の個人的雑感

落ち着きのないキヤノンと、勢いのない東芝。両者まだ物足りない状況の中、唯一無二のプレーで引っ張った田村優が、この試合の勝者である。

ワールドカップを翌年に控えた、特別なシーズンのトップリーグ。秩父宮ラグビー場での一戦は、中位脱却を目指すキヤノンと東芝が顔を合わせた。
前半5分にキヤノンの嶋田がトライを奪い先制するが、次第にペースは東芝へ。この日の東芝はスタンドオフにハリス、ウイングにナイカブラ、フルバックには効果的な縦の突破を繰り返すのワンバイクなど、前年より多めに外国籍選手を並べてきた。どちらかというと、試合を引き締めるバックスは日本人のイメージがあったので、新鮮な印象だった。彼らの活躍で2トライを奪い、前半は14-11と東芝のリードで折り返した。

しかし、後半は様相が一変した。どういう訳か、東芝ディフェンスのリアクションが鈍い。前半はキヤノンのしぶといピック&ゴーを完封できていたのに。いや、ランナーを走らせ続けてしまうと、対応できるだけの力がないと言うことか。

後半で起きたもう一つの変化。それは田村優が躍動したことだ。
パスワークで魅せるシーンは少なかった。いや、この日はキックで魅せる日である。ロングキック、ペナルティゴール、さらにはドロップゴールまで…。このひと蹴りの積み重ねが、東芝フィフティーンを疲弊させた。

後半35分、ハリスが狙ったドロップゴールを、キヤノンのフッカー・庭井がブロック。転々とすすボールを蹴り、敵陣の侵入に成功。いくつかの攻防の末に、最後は三島がトライを決めて勝負あり。26-20でキヤノンが勝利し、幸先の良いスタートを切った。

一見すると楽しいシーソーゲームだが、実態はミスも多く少々寂しいものだった。
東芝の後半のパフォーマンスは大いに不満が残る。調子の上がらないキープレーヤーを試合に引っ張りすぎたこと、そして彼らの代替となるプレーヤーがベンチにいなかったこと。これが敗因である。
リーチやカフイはひとつのミスで交代させられる選手ではない。ただ、低調なパフォーマンスだった彼らを打ち消すような、勢いのある選手はいなかったのだろうか。キヤノンのバックスは経験値が少ない。ゆえに、シンプルに力があるとか、足が早いとかで構わない気がしたのだが…。

一方、キヤノンはようやく田村優が馴染んできたというところだろう。ただ、明大・NEC時代に度肝を抜かれた身としては、ついつい「もっと!」を望んでしまう。
先に述べた通り、キヤノンのバックス陣は若返った。そして、生え抜き選手が名を連ねた。移籍選手が引っ張る時代から、自前でバンディエラを育てようとする意気込みがある。
故に、田村に求められるのは、彼らに色をつけ、次のステージに引き上げることである。開幕戦で見たときよりも、キヤノンの彼は目立っているなあ…そんな言葉が思わず出てきたら、田村優がこのチームに来た意味が、より一層深まったということである

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)