授業での約束事とより良い成績になるためのポイント
こんばんは。
わらし、こと藁科侑希(わらしなゆうき)です。
今日は大学教員の視点です。
●大学生時代の突飛さを受け入れてくれた先生たちへの感謝
大学生時代を思い返すと、よく先生たちが受け入れてくれたなと感じます。
というのも、座るのは最前列。
しかもど真ん中。
先生が立って講義しているちょうど目の前。
私は堂々と内職や読書をしていたことが珍しくありませんでした。
ただ全く授業を聞いていなかったわけではないです。
先生がここ大事だよ!という場面。
面白そうだなという話を始めた時。
顔を上げ、先生が何を言っているのか、何を伝えようとしているのかを全力で聞いていました。
おもしろい授業だ!と感じた時は、授業時間いっぱい先生の姿とスライド、資料を目が行き来していた記憶があります。
時間があっという間だった。
自身が大学教員の立場になって、改めて大学生時代の先生方の懐の深さに感謝しています。
同時に、おもしろい授業をしていただいたあの先生方のようになりたいな、と強く感じています。
●授業中の約束事|周りの人に迷惑をかけないこと|それ以外は自由
大学生時代の経験を踏まえ、そして今の時代の学生目線で考えて、上記のスライドをよく講義のはじめに提示します。
※くれぐれも藁科以外の人の授業でこの約束事基準を適応しないように!それぞれの先生方のポリシーがあるのでそこを捉え違わないように。
もちろん大学側のリクエストでダメなものがあれば調整しますが、基本このスタンスです。
それぞれの意図を示します。
1. 私語OK|インプットしたらアウトプットしたくなるのは必然です。
授業内容に関しての私語や授業内容から連想されたことでの私語はむしろ学習を促進させるので、大歓迎と思っています。
好奇心旺盛な学生さんは、授業中にこの私語に私を巻き込みます。
とても嬉しいですし、そういう学生さんの成績が悪かったことはこれまでに一度もありません。
ただ、声のボリュームを2人で完結する会話での最適な大きさか、先生を巻き込んで教室全体で響いてもいいボリュームにつまみをあげるのか、を空気に配慮して調整はして欲しいとは思っています。>後述5参照
2. 内職OK|時間を有効に使うことを推奨します。
学生一人ひとりがその時に置かれている状況は、異なります。
明日提出の課題に追われている場合もあります。
とても時間に余裕があり、心にも余裕がある場合もあります。
連日の部活動で疲れている時もあります。
こうした状況の上で、学生さんたちは授業に臨んでいます。
この背景から、授業内容を聞かなくていい、というわけではないです。
いかに効率的に授業を受けるか。
内職ができるのであれば全然してもいい。
これらはとてもいい時間のマネジメント訓練にさえなると思っています。
ただ、これは先生によって考え方が異なるので、私以外の先生の前でこの考えを押し通さないで欲しいことではあります。注意です。
しかし、実際に共感してくれる先生が少なくないことも事実です。
まあ、授業自体が面白ければ内職も手につかないくらい顔を上げてキラキラした顔をこちらに向けてくれるはずです。
なので、圧倒的におもしろい授業をすればいいだけ、学生の反応は正直、と自分に言い聞かせたりもしています。
3. スマホOK|情報はすぐ手に入るので手に入れればいい。しかし、往々にして本質や掛け合わせの知恵は載っていないので、授業をうまく活用すると吉。
いまや検索したらなんでも情報を手に入れられる時代です。
情報の伝達の価値は落ちてきているは間違いなく、授業で提供するのは、別の価値だと思っています。
それは、知恵の部分。
情報をいかに活用して、競技現場に活かすのか。
今ある情報とこれまでの体験を掛け合わせて、どう自分の中に落とし込んで練習を工夫するのか。
今ある情報が本当に正しいのかを批判的に思考して、エビデンスにないエビデンスに思いをはせるのか。
こうした部分を、授業での質問や先生との会話で大事にして欲しいと思っています。
4. 興味のあるところと大事なところは聞いてね|授業では構成上、要点・ポイントは必ずあるので逃さないこと。
必ず押さえなければいけない部分や、試験でどうしても覚えなきゃいけない部分は、先生が必ず強調します。
それを逃さないように。
また、授業構成上大事なことをはじめに話しがちな先生なのか、後なのか、中なのかを見極めることも大事ですね。傾向は必ずあります。
あるいは、口癖として、「総じて」のあとは大事なことをいいがちな人、のように癖をとらえることも大事かもしれません。
先生も同じ「人」なので、そこは押さえておいて欲しいですね。
5. ただ授業の進行の「じゃま」や周りの人が迷惑と感じることだけはしないでね|その空間を構成する一員であることは自覚して欲しい。
上司に従えという単純なものでなく(むしろそんなものは撤廃したい)、空気を感じて相手目線で考えられるかどうか、が大事なのだと思います。
独りよがりでないか、自分の行動や言動が周りにどのような影響を与えるのか、を意識して欲しいです。
人と人とが関わり合う空間なので、立場の上下でなく、相手を傷つけたり不快にさせたりしないようには気をつけて欲しいなと思います。
●成績を良くするためには情報をインプットするだけでなく質のいい質問をしてみよう
授業の要点を押さえられる人は、おそらく成績は平均以上をとれるでしょう。
さらに成績を良くしたい人は、提示された情報だけでなく「その先」や「関連すること」、「繋がり」の部分を質問してみましょう。
これらの質問をすることで、情報の理解の深さが異なるようになります。
むしろ質問事項がないような授業だと振り返っているようであれば、その授業の本質まで理解できていないのかもしれません。もったいない。
せっかく自分の時間を授業に割いているのなら、その時間の有効率を最大化すべきと思っています。ぜひお試しあれ。
ただ、「質のいい」質問をすることが条件です。
題材<リハビリテーションにおける整形外科的テストについての内容>
●質のいい質問例|先生がおっしゃったこのプロトコルでは、〇〇テストが基準となっていますが、現場的に複合的に評価するために、他に基準とすべきテストはありますか?
●質の悪い質問例|〇〇テストの原理は分かったんですけど、使うべきじゃないですよ。自分はこれで陰性でしたけど感覚的に違うと思って、骨格矯正やったら治りました。みんなも絶対同じようにすべきと思います。△△さんも同じように言ってましたよ?
(…質の悪い質問例、苦労しました。)
まず質問は、相手が提示した情報を論理的に噛み砕いて解釈をする。
その後に、その話題を展開する、応用する、関連づける、あるいは確認するためにするもの、という理解をしています。
自分の体験や口コミだけで判断するのではなく。
相手の否定から入るマウンティングをするのではなく。
こうすべき、という固定観念を他者に押し付けるものでもありません。
質の悪い質問例を読んだ方は、おそらく気分が悪くなったことでしょう。
私も考えていてムカムカしていまいましたが・・・
このように相手への敬意や尊重もなく、自己顕示欲だけでコミュニケーションをとることは自分にも周りにもいい影響を与えるとは到底言えないでしょう。
こんな人いないでしょ、と思うかもしれませんが、案外いるのです。
自分もいつの間にかそうならないように気をつけたいと常々思います。
●成績をより良くしたい人は先生の好きなことを把握してみよう
最後に、教員をやっていて思うことが、愛嬌のある学生は好かれるということです。
この愛嬌はどこから生まれるか。
授業という教員からの提供情報やサービスをとても面白がってくれる。
さらに教員自身にも興味を持ってくれる、ということからだと思います。
実習授業ではこれらが顕著です。
良く笑いかけてくれる学生。
教員が示すことに対して、もっともっとと頷いたり相づちをうっている学生。
「先生見てみて!」と自身のスキル発揮の評価や教えを積極的に乞う学生。
彼ら彼女らは、軒並み実技スキルの習得も早いし習熟度も高くなります。
講義でも同じです。
教員の視点からですと、「良く聞いてくれている学生」に向かって話すことが多いです。
大学生の学生さんや中高生・塾の生徒さんは気付いていないかもしれません。
しかし、皆さんの授業姿勢や態度、教員側からは丸見えです。
細部はわからないかもしれませんが、興味がない、聞いていない、意識がどこかにとんでいる、というような反応は敏感に感じ取ります。
こうした中であるとさらに、「聞いている学生」はひときわ輝いて見えますし、教員を受け入れるスタンスに敬意さえ覚えます。
本当にこちらが恐れ入ってしまいます。すごい。
そして、授業内容を絡めつつ、「先生自身」にも興味を示してくれるので、お互いの情報量が高まり、成績をつける際に『印象点』としてはたらくこともあるはずです。
前提として、平均的以上の授業の要点を吸収していることが条件なのであしからず。
言い換えれば、ちゃんと話は聞いてくれていることが背景にある、ということですね。
成績評価基準は絶対評価で決められることが多いです。
しかし、その絶対評価で同点である場合を考えてみますと…
他の評価基準はないので、プラスアルファが働くのは、「印象点の相対評価」なのだと思います。
これらが根っから理解できている学生さんもたくさんいます。
この素敵な学生さんはどう成長していくのか楽しみだな、ととても期待をしますし、応援したくなります。
彼ら彼女らは、授業終わりに必ず感謝の言葉を述べてくれたり、レポートではこちらがみやすいような構成をしてくれたりしています。
こうした「印象」という相手からの見え方にまで意識が及んでいるかどうか。
これは成績上でも、今後の人との関わりにおいても大事な観点だと思います。
ぜひご参考にしていただけると幸いです。
今日はここまで。
それでは。
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●藁科 侑希(わらしな ゆうき)
大学教員として、教育・研究現場で活動中。また、スポーツ現場でもトレーナーやコーチとして活動。選手や学びたい人にとって、最良のアドバイザーであることをモットーに、肩書きにとらわれない現場目線のサポートを模索中。
-----<ご協力のお願い>-----
最近Twitterの更新頻度高めにして頑張っています。
「お辞儀の人」というイメージも定着してきているようで、こちらもとても嬉しいです。
ありがたいことに50名/日の勢いでフォローいただいているようです。
よければフォローやいいね!RT(特にリツイートが嬉しいです!)をしていただけると大変喜びます。
フォロワーの皆様ありがとうございます。今後とも引き続き楽しく頑張ります!
【保有資格】
博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員
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