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話を「聞いてもらう」ことの持つすごい力

人の話を聞く、聞いてもらう、とは誰しもがやってることです。しかし、聞き上手な人もいれば聞く耳を持たないような人もいたり、「聞き方」にも得意不得意があるのだろうな、と感じていました。

ある時、仕事の悩みでカウンセリングを受けた時、話を聞いてもらうことによって自分の中にある迷いや葛藤などがほぐれていく体験をしました。そのうちに、自分の今の状態を受け入れられるようになり、結果的に自分に自信が持てるようになりました。

話を聞いてもらうとなぜ自信がつくのか?一見関係のなさそうな事がどう繋がるのか、聞いてもらうことの持つ力について書いてみます。

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自己開示しきるまでの気持ちの変化

私が「話を聞いてもらう」すごい体験をしたのは、将来の自分の仕事に迷いがあった時に、ちょうど知人にとあるカウンセリングを勧められた時でした。初めて会う方にどこまで自分の気持ちを出して良いのか、様子を伺いながらカウンセリングに臨みました。

はじめは自己紹介から入りました。今の私の状況、これまでやってきた事など、人となりがわかるように説明しました。

知り合いに勧められて来たけど、初めて会う方だしどこまで相談して良いのか…

次に、今の仕事で感じてる事、自分に今の仕事が合ってないのではと思った話、好きでやってる事、今まで楽しかった思い出なども話しました。一番気になっていた、プライベートですごく楽しめてるから、同じように仕事でも頑張れるようになりたい、という思いを伝えました。

なんでも聞いてくれそうだから、もう少し思ってること話してみよう。まあ、解決しようがないことに、どういう反応をされるんだろうか…

カウンセラーの方からは意見を言われることもなく、なぜ仕事が合わないと感じているかエピソードを聞かれました。私は年下の同僚が優秀で敵わないと感じていることや、残業もそこそこやって真面目に頑張ってるのに仕事があまり早くできないことなどを話しました。

あれ?自分の話を肯定も否定もされずに聞いてもらえるのは気持ちいいな。もう少し自分の思ってること全部話しても大丈夫かな。

適切なタイミングで相槌を打ってもらい、何でそう感じたかをただ質問されて答える。自分の話を遮ることなく100%聞いてもらえる会話が気持ちよく、めったに相談できない自分の弱音や本音など、いつの間にかスルスルと自己開示をしていました。


相談する=アドバイスをもらう、のが普通と思い込んでいた

もし親しい友達や家族にこんな事を話せば「飲みにいって憂さ晴らししよう」「考え込まないで早く寝なさい」とか言われるのが普段の会話かと思います。相談を受けた誰もが優しさから、自身の経験で何か役に立つ言葉をかけよう、と思ってくれるからです。しかし、内面的な問題は他人が解決できるはずはありません。

こういう状況では私は決まって

気にかけてもらえるのはありがたいけど、同じ状況になってみないとそのアドバイス通りうまくはいかないよな。グチってもしょうがない悩みだし、結局はこういう思いがあってもみんな我慢して頑張り続けてるんだろうな…

と半ば諦めの気持ちでした。


私の話をじっくり聞いてもらったのちにカウンセラーの方からこう言われました。

「どうして仕事が遅いとダメなんですか?」

想定していたのと違う返事を不意にもらい、驚きました。

てっきり、励ましやアドバイスがもらえると思ったところに、仕事の遅い自分がなぜ悪いの?、という風に受け止められたからです。

え?だって仕事早くないと迷惑かかるし、もっと出来なきゃいけないし...

当たり前だと思ってたことなのに、逆に、自分の何がなぜダメかを説明しなきゃならなくなりました。

説明をしているうちに、別に誰かに迷惑だと言われたわけではないし、自分はサラッと表面だけをなぞるよりもじっくり理解しながら進めたいし、身に付く実感を持ちながら取り組みたい、という気持ちがあることにふと気がつきました。

仕事は早くなければいけない、という十字架を勝手に背負っていたのだと思います。

今までの受験勉強や趣味など振り返ると、最初から要領よくうまくできるタイプではないけど、諦めずに目標を持ってコツコツ続けるプロセスを楽しんでいたことを、過去の体験から思い返すことができました。

自分はじっくり理解しながらやりたいし、今のペースは自分がそう楽しみたいからそうしてるんだ!

と思えるようになりました。

自分の弱点、と思い込んでいた部分はただの個性で、良い悪いではない、と考え方が変わり、自分はダメだと決めつけていたレッテルが剥がれ落ちた瞬間でした。


素の自分を認めてただ最大限に活かすだけ

この事をきっかけに、それからの仕事への取り組み方が変わりました。

仕事が遅いこと自体は悪いことではないのでじっくり確実にこなしていこう、と思えるようになったことで、困っている事は早めに相談する、調子の良い見積もりでなく正しい進捗状況を伝える、など、現状を素直に報告できるようになりました。

結果的に作業効率が上がり、スムーズに仕事が回るようになりました。自分自身を否定することなく、自分にあったやり方で仕事が進むようになり、不安だった職場が居心地の良い場所に感じられるようになってきました。

今まで、自分のダメな部分を隠すためにいかに無駄なエネルギーを使っていたのか、と感じました。素の自分を認めて受け入れ、今の自分にできる事を最大限に活かすことで、自分自身も周りへも良い影響を与えられる、と思えた瞬間でした。


「聞いてもらう」ことの真価は「受け入れられる」体験にある

私は、話を聞いてもらうことが、自分の本音や、自分自身を否定していた気持ちに気づけるきっかけになりました。素直な自分は悪でない、と思えるようになり、欠点を直そう・隠そうと思わずに、今自分にできることの最善を尽くそう、と前向きに行動できるようになりました。

自信を持つということは、自分自身を信頼できること。自分の弱みを聞いてもらい、否定せずに受け入れられた体験によって心がほぐれていき、結果的に「今の自分のままで良いんだ」「今の自分にできる事でただ頑張る」と思う事で、徐々に自信が持てるようになりました。


誰かから相談を受けた時、アドバイスではなくその気持ちや感情をただ受け入れてあげる。ぜひ試してみてください。


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