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今や私の相棒、ミシン

『私の』というには申し訳ない、実家にあったものをいつの間にか部屋に持ち込んで使い続けているミシン。JANOMEのNuikiru、N-788WT。本日3月4日はミシンの日だそうなので、ミシンについて書こうと思います。

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ミシンの思い出

記憶にある、このミシンは。

ちょうど、こんな時期。三月に入って、入学準備に追われている時期。姉たち二人の子どもたちは年が近くて、同い年がいるくらい、あとは交互か少し間が空いて、今では私には計8人の姪と甥がいる。まだ今いる下の子たちが生まれてなくて、母が生きていたころの話。

リビングの食卓の上をきれいに片づけ、買ってきた布を広げて、姉たちと母がミシンと格闘していた。私は、ふーん、とみていただけ。当時はまだ大学生だったはず。ミシンなんて私なんぞが使えるものではない、遠い世界のものだと思っていた。
祖母はお裁縫がうまいけれど和裁が中心で、浴衣や半纏を作ってくれた。そういえば、ぐるぐるするタイプの、足で踏むミシンがその昔家にあった気がする。それを、祖母が使っていたのか母が使っていたのかは知らない。ただ、きれいなものだなぁと思った記憶がある。あれは、夢か、幻か、くらいのうっすらとした記憶。
それで、姉たちがもうやだだの、疲れただの、いつになったら出来上がるんだだの、間違えただの、あぁだこうだとため息をつくたび、まぁまぁ頑張って、ほら大丈夫よと母が声をかける。いや、字面で見ると穏やかに感じるけれどそれは錯覚。母もうんざりした顔を隠せていなかった。ただ、母は、真剣。物すっごくマジモードの顔してた。正直なところ、あぁいうときの母の顔は怖い。マジになりすぎてもう周り見えなくなる瞬間なんだろうな、マジだなすごいマジだな、と見ていて思った。まぁとにかく当時の私からしたら大変だねぇ、すごいねえつくるんだねぇなんて言いつつ、頑張ってー(面倒くさそうだし早く部屋に退散しよう)、の立場。最終的に目的だったものを仕上げていたように思う。
そのあとも、学校にもっていくぞうきんを縫う、何か裾上げをする、なおすようなとき、ちょこちょこミシンを使っていたように思う。

そこから時は流れ、その姪っ子甥っ子たちに至っては、この3月で上3人が高校卒業となる。ひとりはもう大学生だったけど。早すぎる。小学校卒業、または中学に上がる時点で大半の子たちが私の背を超えていく。下ふたりももうギリギリ。私はもうここから縮む一方だというのに、ぐんぐん成長する。

ミシンの話のはずが、母の話、祖母の話に触れてしまい、さらに姪っ子甥っ子の成長までいくと、もうもう、感慨深くて何が何だか分からなくなってくる。

はぁ。


コロナ禍で1年前から、私の相棒に~マスク作る!~

そこから時は流れ、2020年3月。

このミシンをふと思い出して引っ張り出した。姉が使って姉の家にあったので、持ってきてーとお願いし、ミシンと再会。カバーは長年使って汚れていたので手洗いしたが、中はずいぶんきれいでびっくりした。

そもそもミシンを使いたい、と思ったのは、布マスクを作ろうと思ったから。そうか、ちょうど去年の今頃だった。

1月、2月くらいでフェリーの中での新型コロナウィルス感染症に感染した方々の数が出てきて、少しずつ少しずつ明らかになってきていた。FacebookやTwitterでは、年末くらいからなんだか不思議な風邪というかなんというかがはやり始めて亡くなった方が海外でいるとみていた話が、ついに来たかと思った。そして、日本国内のニュースでも流れ出した。確実だ。フェリーではおさまらない、国内に広がる、目には見えないものだしもう広がり始めているといっても過言ではない。そう思った。

不織布マスクの残りを考えた。箱で買っていて、私も夫も花粉症で、不織布マスクを使っていた。夫のは大きめのサイズを買い、私は普通サイズ。
夫は仕事中はマスクしないけれど、冬の通勤の際やお休みの日に人ごみに出るようなときは、インフル対策と花粉対策として不織布マスクをつけていた。私は仕事の時特にマスクをつけていた。埃がすごいので。ハウスダストアレルギーがばっちり出る。

ただ。不織布マスクをここまでずっと使ってきて、使い捨ててきたけれど、この新型コロナウィルス感染症に至っては、いつ終わるんだろう、生きていられるんだろうか、色々思った。先が見えない中で買い続ける必要があるもの、となったのだ、マスクが。どれだけの数が手元にあれば安心するだろうか、売り場からなくならないだろうか。そもそも、夫が使えるサイズなんて量がないし、普通サイズしかなくなったら、夫はどうすればいいだろう。電車で2時間弱の、通勤で。

マスクをつけて感染症予防をしましょう、が強くなり、マスクが売り場から徐々に消えていった。買う人が多い、というのをニュースで目にし、マスク売り場がカスカスになっているのを見た。手元にあるマスクは少しずつ減っていく。

マスクは、この先数年単位で感染症対策として使う可能性がある。さらにいえば、自分のサイズに合ったマスクが作れて、洗って干して繰り返し使えれば、嬉しい。

そう思ったら、もうつくるしかなかった。すごく不安だったのもある。どんな感染症なのか、一体いつ終わるのか、症状はどんなものになるのか、治るのか、どれくらいで治るのか。どんな風に隔離されるのかとか。今思えば、感染した人全員を隔離することすらできないんだけど。日本は。さらには、後遺症がなんて、思いもしなかった。

海外から、ロックダウンという言葉が聞こえてくる。経済政策とかなんだとかいろんな言葉が飛び交う。よくわかんないけど、不安になった。

でも、新型コロナウィルス感染症は、目には見えない。どこでどう感染したかもわからない。私は医学の知識はないし、なんにも分からない。そういう意味では何もできない。
でも、感染症にかからないようにするために、できることは個人単位でいっぱいあるだろうと思った。家の中にこもれればいいけれど、夫は仕事で2時間弱の電車通勤がある。仕事でもたくさんの人と接する。

今、私にできることは何だろう、と思った。

よくわからない中で、やっておいたら絶対いいであろうことをして、手を動かして、不安を和らげたかった。そういう意味でも、ミシンで布マスクを作ることは、私にとって必要なことだった。


ところで、初めて作ったマスクは、ミシンがまだ出てこなくて、手縫いでした。夫のサイズとして作ったつもりが、私でさえ入らないくらい小さくて、せっかく作ったのに、とがっかり。
でも失敗は成功のもと、そもそも裁縫がうまくない、得意でも好きでもない(最初は)、経験もない、きちんと学んだこともない、そんな基礎の基の字もない私が、完成させられただけいいじゃん。これが小さいなら、大きく作ってみればいいじゃん。一度失敗したくらいでへこたれるならとっくにいろんなこと諦めてるわ。ふん。そのくらいの気持ちになった。
それを作っていたのも、夫を職場まで車で送り、夫の職場のそばの公園の駐車場に車を停め、夫の仕事が終わるまで数時間、車内で手縫いでマスクを作っていました。ただ、手縫いで量を作るのは大変だし、そもそも夫のマスクは大きいので、だーっとミシンでできるに越したことはない。ほんと。手縫いはその最初のみでした。

それからずっと、使っているミシン。
自分で作れるようになってから、姪っ子と一緒にマスクを作ったのもこのミシン。


ミシン掃除

さすがに調子が悪くなって、一度下糸のところを開けて掃除もしました。動画も撮りました、編集で挫けてるところです。いやぁ、すごい埃でした。綿棒とダイソン大活躍。不思議な形だなぁと思っていたのがねじ回し的なものだったらしく、説明書を読んで初めて知りました。

こちら、ズボンのすそとか縫うときなどに、ミシンの台を一部外した中から出てきたもののひとつ。不思議な形で何だろうと思っていました。まさかねじ回し的なものだとは。

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こうやって使うそうです。

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このミシンでできること 実はロックミシン 

そう、説明書。そもそも、ロックミシンではないと思っていて、直線とジグザグくらいだと思っていたら、わりと何でもできちゃう子なのね。びっくりしました。

①直線縫い 3種類

②ジグザグ縫い 3種類

③ジグザグぬいたち目かがり 2種類

④トリコットぬいたち目かがり

⑤シェルタック

⑥直線三重ぬい

⑦まつりぬい

⑧ボタンホール

今説明書読みながら、あぁそうなんだ、へぇそうですか、と納得ばかり。薄手のものばかりだったのがバッグを作るにあたって厚手の生地を扱うようになり、針とか糸とか調べていたけれど、書いてあるじゃん。

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伸び縮みする素材についても、この縫い方すればいいんじゃん、とか。



ミシンに糸通しがついていた………!

ミシンの糸通しを調べて買って、喜んで動画にもしたけれど、まぁ、ミシンについているっていう。喜んでそれを使っていたら、なんとプラスチックが経年劣化で折れました。あはは。まぁ、そうですよね。長い間眠っていて久しぶりに使ってさ、ね。とても便利でしたよ。えぇ。使えれば。

こちらは説明書から。

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ここを下にぐっとおろして。

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はい。

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これで黒い棒の右に色々ついてたけど、とれたのがこちら。

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便利だったなぁ。使えれば。



これからもよろしく!ミシン

布マスク作りから始まり、マスクケース、布ナプキン、エコバッグ、ポーチ、バッグ、などなど作ってきました。まだまだこのミシンで作りたいもの、チャレンジしたいことでいっぱいです。ファスナーをきちんとつけられるようになりたい。厚手の生地、帆布でバッグ作りたい。完成品がもっと大きいもの、洋服が作りたい。欲はどんどん膨らむばかり。


普段こんな感じで作業してます。

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この写真は、夫が部屋にふらっと現れて、撮っていったもの。使いどころできたー!と思いました、今回。

ずれないように、慎重に、真剣なのはいいとしても目が近いな。こんな姿勢でやっているから肩とか首とか凝るんじゃないかな。全く。





ミシン用糸通しの動画はこちら。



ミシン掃除の動画はこちら………と言いたいところ。精進します。


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