『おはなし ばんざい』アーノルド・ローベル

一冊で、絵本というか、子ども向けの本なのか、もうこれに至っては私はわかりません。好きです、大好きです。

ねずみをスープにして食べようとしたいたちが、ねずみのするおはなしを真面目に聞き、美味しいスープにするには何が必要か、とか、あれとあれをとってきてとか、きちんと真面目に聞くんです。いたちかわいい。生真面目。こんなに生真面目で生きていけるのかしら。生きづらいだろうねぇ、なんて、勝手に思ってしまいます。ただ、滑稽でかわいい。いたちも、美味しいものが好きなんだろうねぇ。美味しいスープにするための努力をいとわないその生真面目さ、私にはないなぁ。
たぶん私は、ねずみに、頭だけ残してやるからそのまま話し続けていればいい、と言ってさばき始めるでしょうね。お腹空いてたら。

ねずみは本が好きなようです。本を読んでいていたちにつかまる、なんて。でも、だからこそ、自分の命を守るときに知恵が働いたのかな、と思います。

今は、自粛が叫ばれるようなご時世で、読書にいそしむ人も多いと思います。ビジネス書も、いいと思いますが、ここでひとつ、絵本を読んでみるのも、いいんじゃないかな、と勝手に思います。

詰め込み型の知識をがつがつむさぼりくらうのも読書ですし、結果を出すためのハウツー本だってそう、漫画だってそう。堅苦しいハウツーやらビジネス書ですら漫画になってますもんね。読みやすく、と。とっかかりやすいことが大事だと思います。逆に、昔からの文豪や古典文学が漫画になっていたり、英文で見るとまた違った視点で楽しめたりしますよね。大体古文を英文にした瞬間、youで表せるものが増える!あれはびっくりした。

まぁそれはさておき。

今は、音声となったものを買うことすらできる。極端な話、運転しながらお話を聞くことができるわけですよね。集中しすぎて危ないかもしれないけれど、少しやってみたいです。せめて、運転じゃなくて、ミシンしながらとかならいいかな。
ふと、江國香織さんの『流しのしたの骨』を思い出した。何か単純作業をするときに、母が子にお手伝いを頼む。その時、作業をする方か、作業している間に本を読み聞かせてもらうか、どちらかを子に選ばせる。難しい本ももちろん読む。そこで適当に読むと母が訂正する。これ、いいですよねぇ。このタイトルを思い出すのにいくつもぽこぽこ思い出した。まぁそれについてはのちのち。ながしのしたのほねをみろっ。これでタイトル出ました(笑)。
私がひとりで作業しているときは、時代劇専門チャンネルをダダ流ししたり(宣伝すら楽しい、若も出てくるし、健康志向のつけるもののむものすら、楽しんでしまう)、海外ドラマはAmazonプライムで何度も字幕で見たことがあるものを吹き替えで流す(海外ドラマの番組の間の宣伝は嫌い)。その感覚なのかなぁと。

見ても見てもどうにもならない現実から、数分でも、数十分でも、脱出して、想像の世界に逃げ込めるなら、こんなに幸せなことはない。だって、もう、コロナなんか、どうにもならないんだもの。対応と言ったって、対策と言ったって、限度があるもの。もう、かかりたくないよ、そうだけど、だからこそ対策をきちんとするけど、かかったらどうにもならないもの。こんなんじゃほんっとおかしくなるわ。もうおかしいからいっか。

短い、単純な言葉のつながりで、ストーリーが紡ぎだされて、挿絵があって、でもそれを読んだ大人がそれぞれ違う感想を持つ。それが、絵本が面白いなぁと思う理由です。

自分を材料として食べるより、料理人になって通ってやるから、一緒に食材探そうと説き伏せるねずみや、いかに菜食主義が素晴らしいか、語りだしてしまうねずみ、非暴力を説いてガンジーのすばらしさを語るねずみ。。。いろんなバージョンがあり得ますよね。

小さい頃は、本を読んで、途中から別のストーリー展開を考えたり、続きを考えたりするのが大好きでした。現実世界を生きていた感覚はあんまりないです。

逃げるって大事。何から逃げてたんだろうなぁ、逃げるものなんてなかったんだけどなぁ。没頭していただけかもしれない。逃げる必要があるときはもちろん逃げ込んだけれど、ただただ没頭したいと思ってそうしていた気がしなくもない。


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