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2024.1.6:生活の解析度

 早朝からダブルワークをこなす。朝から人の悪意に胸焼けしたからか、体調が思わしくなく休もうかと思ったけど、少し無理してランニングをする。すれ違った外国人のおじさんがピースサインをしてくれて、無性に嬉しくなる。周りに幸福をふりまける人は、絶対に幸せになってほしい。運動はお風呂と一緒で、初動が面倒だが、絶対後悔したことが一度もないので、やっぱり毎日すべきだなあと思う。

 カメラを始めてから、ランニング中に見える景色が変わった。空に浮かぶ雲、雪にまみれる犬、モチーフのわからない銅像、誰かの落とした手袋。そこには人の気配があり、誰かのやさしさが落ちている。何年も、何百回も通ったはずの道や季節が実は知らないことだらけで、毎日違う色をしていると知ることができたのは、まぎれもなくカメラのおかげだ。目の前で起きていることに向き合う。見落とさないようにする。残したい日常があることへの感謝。本当にカメラを始めてよかったと思う。

 銭湯に行き日記を綴り、お気に入りの喫茶店に新年のあいさつもかねて本を読みに行く。世界一おいしいと思っているチーズトーストと世界一おいしいと確信しているココア。溢れこぼれるチーズ、たっぷりと塗られたバターが指を艶めかせる。たくさん趣味はあるけど、銭湯と読書と喫茶店巡りがこの世からなくなったら、私も一緒に消滅するつもりだ。それくらい、生き延びるために私に必要な回復アイテムなのだ。
帰りにマスターがお土産にとみかんをくれた。ぽてっとしたみかんをポケットに突っ込んで雪道を小走りに家路を急ぐ。
自分で選択したことだけで、自分を喜ばせることが出来る日々を送ることができることが、最上級の幸せだと思う。

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