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愛の寄生虫

疎遠だった男友達と久しぶりにご飯を食べた。


容姿端麗、成績も要領もよく尊敬できる友達なのだが、とにかく恋愛面がだらしない。特にお酒を飲むとそれが悪化して、彼女がいるのに遠慮なく女の子に手を出す。そんな、悪癖は相変わらずで、私にも手を出してきた。昔はあしらえていた下心が気持ち悪く感じて、嫌気がさして早めに帰ってしまった。


正直にいうと、大学生の私は「男女」というかけひきを楽しいと思っていた。大学時代は、人生の中ではモテたほうだった。口では興味ないと言いつつ、不特定多数の人から好意を寄せられることに快感を覚えていた。(書くのも恥ずかしい黒歴史です)
快感を覚えても、行動に移さなければいい。誰の迷惑になるわけでもない。変わり映えのない大学と就活とバイト中心の生活の中で、微妙な駆け引きが生む刺激に依存していた。


それがいつの間にか、不快と感じるまで自分の感性が変わっていた。安い女と思われていることに腹が立つ。不特定多数におんなじように欲求を振り撒いていると思うと気持ち悪くなった。なにより、下心を恥ずかしげもなく出している自分が気持ち悪くなった。

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