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23歳、東京ひとり旅 2日目

12/25(Mon)

ホテルの朝食を食べるか悩み、結局用意してたら時間が遅くなったので近くのカフェでモーニング。
客は私1人だったがオーナーさんはフレンドリーに対応してくれて、
帰る時は笑顔で「またお待ちしてます。」と声を掛けてくれた。

チャイティーとモーニングセット

スーツケースは一緒ではなかったが、ここ(東京)の人には見えないだろうと思ってたので、少しローカルな人に思われたのであれば嬉しい。

さて、遡ること2019年にも実は私は東京で一人旅をしたことがある。

アメリカ留学時代の友達が日本に帰ってくると知り、
大阪から夜行バスで向かったが到着したのは早朝で待ち合わせはお昼。
それまでどうやって時間を潰そうと考えてマップを開くと、
下車した東京駅の近くに大きな緑が広がっていた。

我らの天皇が住む皇居の外苑におじゃますることにし、
運よくベンチもたくさん、しかも良い間隔で置いてくれていたのでぴったりの場所だった。

東京駅の横でかつ皇居の前ということで、少し身が引き締まっていた自分だったが、よく手入れされた木々に視線を当てると、
その麓にはなんと横になって寝ている人がいるではないか!!
「え?!こんなとこで昼寝?」ってか朝やからもしや夜からずっと寝てたのかなとか考えながら、初めて見る光景に衝撃を受けたのを今でも覚えている。

当時19歳の私の衝撃

それから4年経った今、もう一度訪れることにした。
時刻は11時くらい、外苑の緑が見えてくると早速寝転んでいる人たちを発見。心の中がワクワクで一気に充満した。

今回はベンチではなく、好きな木とその日差し日陰加減を選んで座ることにした。
ムードに合わせた音楽を聴きながら
前日大学時代の友人に連れていってもらった本屋さんで出会った
池田彩乃さんの「観光記」という本を読みはじめた。
この本はお店を入って左側の大きな緑に塗られた壁に置いてあり、
縦長のサイジングとページの厚み、手に取ったときの手のひらへの収まり方から既にビビッと来ていたが、さらにぱらぱら読んだだけでこれは自分の言葉にしてみたいというフレーズを見つけたので購入。
タイトルも今の自分にちょうどぴったりだった。

12月とは思えない程の暖かさだったが、日なたに長時間いすぎると暑いし、かといって日陰にいると寒すぎる。この両極端の中で自分の中の「ちょうどいい」を見つけるのが難しい。

日向と日陰の温度差が激しい


東京駅と皇居のあいだに位置するこの空間は
これからも嫌な事があったらここに帰ってきたいと思えるオアシスになった。

場所自体は変わっていないはずなのに、1回目訪れたときと2回目では見え方、感じ方が全然違う。
ベンチの民から芝生の民になったこともあるが、
その間に自分が変わったということなんだろうか。
それが心の成長なのかもしくは退化なのかは私にも分からない。

小腹が空き、事前に調べていたおにぎり屋を目指し、霞が関の方へ歩いていく。スーツにネームタグをぶら下げた職員が続々と大きな建物の中に吸い込まれていくのを横目に、ずんずんとまっすぐに歩き進んでいく。


昨日の交通事故の死亡者数を知らせてくれる


おにぎり屋があったのはこれも高層ビルの1階にあるレストラン街。
すれ違う人々は皆スーツでネームタグはぶら下がったままだった。

おにぎり2つと味噌汁を頼み、席に着く。
1つ席をあけた左にはOLらしき方がいたが、私より後に来たのに先に食事を終え去っていった。
テイクアウトしていくお客さんとお店の人のやり取りを耳だけで聴きながら彼らがこの後オフィスに帰ってごはんを食べている姿を想像した。

この味噌汁が超美味しかった!

14時に待ち合わせがある六本木に向かった。
大阪で知り合ったオランダの友人と2回目の再会。

まずは日本語のデザインや広告に関する展示を見にいき、
iPhoneの絵文字が並べられた作品や選挙ポスターの前で
「どれが一番好きで、どれが一番嫌い?」の話題で盛り上がり、

「この作品は嫌い」と堂々と自信をもって言える姿に憧れの眼差しを向けた。

入場チケットはステッカー!

展示される時点でこれは素晴らしいアートです、という証を前提に備えた作品でも
好きか嫌いか、自分軸で物を見るということは可能で、
与えられたものに関してもそれを受け取るか受け取らないかは
個人の自由ということに気付かされた。

新国立美術館にて

陽も沈みかけたころ、行きたかったカフェへ歩いて行く。
そこは住宅街の中にひっそりと建ち、急な階段を上りふすまを開けると
オーナーが「こんにちは。」と挨拶をしてくれた。

コーヒーの説明を一通りしてくれたが、中でも"TODAY"
と手書きされた今日だけのシークレットブレンドに惹かれ注文。
「今日」という日は今日しかないし、
どんなコーヒーなのか飲むまで分からないし、
オーナーの決断により中身は決められているが自分でこれに決めたから
えらんでいるようでえらんでいない、えらんでいないようでえらんでいる

どきどきわくわく、首を長くしながら待つ。

上海で始めたというお店(ちょうど5周年を迎えたそう!)はまずは日本進出として東京で2年、そのあとは大阪か京都でも2年する予定だそう。
将来の計画が綿密になされていることに驚き、友達は思わず
「もし行った街で恋に落ちてしまったらどうするの?!」と聞いていて笑ってしまった。「その時はその時だね、ハハハ」と苦笑するオーナー。

大阪出身ということがバレてしまい、
「大阪と京都だったらどっちで店をやった方がいい?」と質問された。
大阪人としては京都も東京も敵視しているが、その時だけはニュートラルな立場で答えることにした。
京都だったら上品で洗練されているが、関西にあることもあり、
人の気質は大阪寄りな部分もあるが、東京の冷たさも兼ね備えていると私は思う。
お勧めのカフェも教えて欲しいと頼まれたが、私はお勧めを聞かれてすぐに答えが出てくるタイプの人ではなく、すごく悩まされた、というか勝手に悩みまくった
ホテルに着いてからやっとオーナーが好きそうなぴったりのカフェ/喫茶店を思い出してDMでお勧めを共有し、自分の中のやるせなさと後悔が成仏された。

途中、2人の外国のお客さんがやって来て、目が合うとにっこりしてくれた。
大阪と東京の違いについてそこに居合わせた5人で盛り上がり、
オーナーは思わず「いつもはこんなに賑やかじゃない」と喜んだように言葉を漏らした。
彼らが帰る時、うちの一人が私に「おおきに!」と言ってくれた。
東京という大きな街に圧倒され、自分や自分がしてきたことがちっぽけに見えて自分を見失いそうになったが、その瞬間はとても嬉しかったし、
自分が何者ではなく、大阪人であることを再認識させてくれた。

東京のクリスマスの夜はやっぱり想像通り、人、人、人。
けれどもイルミネーションの質は良かった。電球の数は御堂筋を上回っていたと思う。
イルミネーションを背景にTiktok用の動画を撮影する女子2人組×20くらいの集団を目で蹴散らし、人込みを掻き分け照明を楽しんだ。
そこでライトアップされた東京タワーを今回初めて目にして感動した。


六本木のイルミネーションと東京タワーと月


おなかが空いてきたのでご飯屋を探したが、どこも人で一杯か行列ができていた。
結局ファミレスが一番安心ということで(一応大阪にはない)ジョナサンに入った。
照明がオレンジっぽく、そこまで混んでいなくて落ち着けた。
1人のお客さんも居て、別になんの変哲もないが、
クリスマスに一人でファミレスでご飯を食べていると思うと、1人でいることが恐ろしく感じた。
それと同時に今目の前にいる友達と一緒に時間を過ごせていることに心の中で感謝した。

ホテルの最寄駅に戻ってくると、既に閉まっているatreの入り口でなにやら忙しく作業がおこなわれていた。
ツリーなどのクリスマスに関係する装飾がどんどん片付けられていった。
クリスマスという煌びやかなイベントが終わってしまい寂しいなと思う一方、
終わってホッとしている自分もいた。

さようならクリスマス


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