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中国は気付いている

■中国の空母
 中国の空母が初めてグアム周辺まで到達した。軍事的には意味はないが、政治的には意味が有る。これは中国がトランプ大統領の性格を見抜き、今後の主導権を中国が持ったことを意味している。

グアム周辺、初航行か=米に対抗、活動範囲拡大-中国空母
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190624-00000012-jij-cn

■基本
 海戦で使われる戦略を知ることは有益。基準から見れば軍事用なのか政治用なのか判断できる。さらに軍事的に正しいか間違っているかの判断になる。

海軍戦略=艦隊+基地ネットワーク
海洋戦略=目的(制海権の獲得)・手段(敵艦隊+敵基地ネットワークの破壊)・方法(艦隊と基地ネットワークの造成)

制海権=艦隊+基地ネットワークの継続利用。

 艦隊は基地から戦場まで継続的に往復できる範囲が制海権になる。制海権は優先利用であり、60%の優先利用で獲得できる。

■中国海軍の動き
 中国海軍が太平洋に進出するならば、必ず台湾と沖縄を占領しなければならない。中国海軍は台湾と沖縄を占領することで、太平洋に進出する門と獲得できる。このため台湾と沖縄を占領しないまま太平洋に進出しても、中国海軍は容易に後方連絡線を遮断される。

 しかも台湾と沖縄に基地を置いていないので、中国海軍は太平洋の制海権を獲得できない。さらに台湾と沖縄の敵基地から後方連絡線を遮断されるので、帰還時にも攻撃を受けて損害を出すだけ。

 だから今回の中国艦隊がグアム周辺まで進出したことは軍事的には無意味。だが政治的には意味が有る。これは習近平主席がトランプ大統領を恐れていない証。しかも習近平主席はトランプ大統領に対して強気になった証。そして習近平主席は、トランプ大統領の性格を把握したことを意味している。

■習近平主席の反撃
 トランプ大統領の見た目は怖いが戦争嫌い。法律論を武器に相手を脅す。法律論に驚いた相手は譲歩する。これでトランプ大統領は成功した。だが相手が脅しを拒絶すると失敗する。国内ではトランプ大統領は生き残れたが国内では生き残れない。

 国際社会では法律論ではなく強弱論。トランプ大統領は国内の法律論を外交で用いている。見た目は良いことだが、国際社会の現実には耐えられない。

国内:秩序の中の無秩序を警察が担当する。 →治安維持(善悪論)→ハッピーバランス
国外:無秩序の世界に軍隊が秩序をもたらす。→勝利(強弱論)  →パワーバランス

 トランプ大統領は法律論が得意。だから米中貿易戦争でも経済制裁で対抗した。習近平主席はトランプ大統領の法律論に押され劣勢だった。法律論になると習近平主席は後手に回る。習近平主席は脅威対応型の対応で米中貿易戦争に挑んだが劣勢。しかし習近平主席は途中で気付いた。

 トランプ大統領は相手を脅すが軍投入しない性格。習近平主席は気付いたので、南シナ海のウッディー島に戦闘機を偵察衛星に見えるように配置。さらに空母艦隊をグアム周辺まで進出させた。

 習近平主席は戦争を臭わせてトランプ大統領を恫喝。中国はアメリカと戦争できることを臭わせ、トランプ大統領に譲歩を迫るまで反撃に出ている。トランプ大統領が米中貿易戦争で経済制裁を強化しても、中国は徹底抗戦する意思を持っている。

 トランプ大統領が軍投入しないなら中国は強気になれる。習近平主席は早くから気付いたのだ。そしてイランに無人偵察機を撃墜されてもトランプ大統領は攻撃命令を中止。これが致命的で、習近平主席は安心してトランプ大統領に反撃できる。

■今後
 日本でG20が開催されるが、この時米中首脳会談が行われる予定。トランプ大統領は強気になるが、習近平主席の反撃で意気消沈するだろう。習近平主席は徹底抗戦を明らかにし、それどころかトランプ大統領に反撃するはずだ。

 トランプ大統領は主導権を捨てた。トランプ大統領が捨てた主導権は、イラン・中国・北朝鮮・ロシアが受け取った。これからはイラン・中国・北朝鮮・ロシアのターンだ。

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