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中国共産党は暴徒鎮圧の大義名分を手に入れた

■デモの暴徒化
 7月1日に香港デモが行われた。だが、この日の香港デモは一部が暴徒化し建物内部に突入。デモ隊は一時的に建物を占拠するまで行動が拡大した。政府施設に侵入し占拠する行為はデモではない。香港デモはこの日から暴徒になった。

■何かがおかしい
 香港のデモ隊は議会である立法会に突入した。この段階でデモから暴徒に変わった。一部の暴徒化だとしても、その後集団で立法会に突入。これで一部の暴徒から集団の暴徒になった。しかも集団で立法会を占拠し、これらの映像が世界に流れた。何かがおかしい。

 立法会を警備していたはずの警官隊は抵抗していない。ガラスを破壊しているならば催涙スプレーを用いて排除することが可能。さらに立法会のガラスを破壊した段階で、外で待機している警官隊が排除することも出来たはず。

 だが立法会を警備する警官隊は粛々と後退。暴徒化した者達が立法会を占拠する映像が流された。その後警官隊が立法会を占拠する暴徒を排除する映像になった。映像では警官隊は争いを回避して後退。その後警官隊が適切な排除する。まるで意図的に立法会に侵入させた様に感じさせる。

■デモ鎮圧から暴徒鎮圧へ
 7月1日の立法会突入が意図的か偶然かは不明。確かなのは、香港デモは暴徒としての印象を残したこと。映像で議会である立法会のガラスを破壊。そして立法会に突入し占拠する映像が世界に流された。

 映像からは警官隊が流血を回避する印象になっている。これでデモ隊は暴徒に変わった。中国共産党は武力でデモを鎮圧すれば国際社会から批判される。だが暴徒鎮圧ならば?

 中国共産党が暴徒鎮圧に武力を用いても国際社会は批判しない。建物を破壊し建物を占拠するなら暴徒になる。中国共産党は暴徒の証拠を得たので、暴徒鎮圧の大義名分を手に入れた。

■無力化ガス
 暴徒鎮圧ならば武力鎮圧しても国際社会からの批判は少ない。だが香港デモの人数は10万人を超えている。これを警官隊だけでは鎮圧不可能。さらに人民解放軍を投入しても鎮圧は容易ではない。

 だが暴徒を可能な限り殺さず鎮圧する方法が無いわけではない。2002年のモスクワ劇場占拠事件で無力化ガスであるKOLOKOL-1が使われた。KOLOKOL-1を吸い込むと数秒で意識を失い、2時間から6時間意識を失う。欠点は中毒死する者がでること。

 モスクワ劇場占拠事件では建物内部でKOLOKOL-1が使われた。建物内部だとガスの濃度が高く中毒死しやすい。だが屋外で使えば濃度が薄くなり中毒死は減少する。

 第一次世界大戦で毒ガスが戦場で使われた。敵兵士を殺すことが目的で毒ガスが使われたが、実際の死亡率は1%未満。原因は風により毒ガスが拡散された。僅かな風で毒ガスは拡散し、人間を殺す致死率に到達しない。そのかわり後遺症を残す兵士が大量に造られた。

 毒ガスは密閉された空間では理論上人間を殺せても、実際に使う屋外だと風に拡散されて容易には人間を殺せないことが明らかになっている。だから無力化ガスであるKOLOKOL-1に類似するガスを使う可能性が有る。

■暴徒鎮圧
 これまでKOLOKOL-1に類似する無力化ガスが暴徒鎮圧に使われた例は無い。これまでは催涙剤を含む催涙弾は使われている。だからと言って、中国共産党が無力化ガスを使わないとは言えない。中国共産党は初めて暴徒鎮圧に無力化ガスを使う可能性が有る。

 KOLOKOL-1に類似する無力化ガスは吸い込むと意識を失う。理論上だが屋内の中毒死は減少する。ならば10万人を超える香港デモ隊にKOLOKOL-1を使えばどうなるのか?

 吸い込めば数秒で昏倒。催涙弾とは異なり逃げ惑うことも無い。さらに催涙弾とは異なり抵抗する者も出ない。昏倒するから悲鳴も出ない。悲鳴が出なければ暴徒鎮圧に印象はどうなる?

 これまでの暴徒鎮圧は流血騒ぎ。これで実行すると国際社会から批判される。だが悲鳴無き暴徒鎮圧ならば国際社会からの批判は少なくなる。しかも数時間意識を失うから、その間に暴徒を収容施設に送ることが可能。

 仮に実行すれば、中国共産党は新たな暴徒鎮圧を世界に示すことになる。さらに可能な限り流血無き暴徒鎮圧を世界に示したので、中国共産党は人権に配慮することを世界に宣伝できる。

■民主化を求める者達へ
 香港デモで非暴力の民主化を求める者達は、直ちに暴徒化した人物を特定すべきだ。そして直ちに非暴力のデモを徹底させるべきだ。これ以上暴徒化が続けば、香港デモの印象が悪くなるだけではない。

 中国共産党は暴徒鎮圧の大義名分を与え、中国共産党に暴徒から市民を守る大義名分を与えてしまう。デモを継続するとしても、暴徒化した者達の特定が先だ。仮に暴徒の一部が中国共産党の工作員ならば、香港デモは意図的に誘導されている。

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