見出し画像

転職を考えているとき、キャリアコーチングとコーチングのどちらを受けるべき?

転職を考えている方から、「キャリアコーチングとコーチングのどちらを受けたらよいかわからない」という声を聞きました。

今回は、私なりに違いを説明したいと思います。

どちらもキャリアをテーマに話すことができる

まず、キャリアコーチングもコーチングも、キャリアをテーマにして話すことができます。キャリアコーチングは仕事の話を中心に、キャリアアップを目指します。コーチングは仕事を含む人生全体について話しながら、自己認識力を高めたり価値観を明確にしたりして、それに基づいた意思決定や行動を促します。

誤解を恐れずにいうならば、キャリアコーチングはキャリアアップをするという方向性が決まっています。一方、コーチングは自身のキャリアや人生について考えを深めた結果、転職や起業をすることもあれば、やりたいことを実現する方法が必ずしも転職やキャリアアップではないという結論に至ることだってあり得ます。

実際に、転職をしたいと思ってコーチングを受けた方が、セッションを通してなぜ自分がその会社に入社したのか、何のために働いているのかということを再認識し、同じ会社にとどまることを決意することがあります。これは、今の会社にいながらできることが見つかったり、同じ業務でも取り組み方が変わったりすることで、課題に感じていたことが解決することがあるからです。やりがいのある働き方や業務が明確になると、それを社内の人と交渉することもできるので、転職以外の選択肢に気づくこともできます。転職をしないという結論に至ったとしても、その理由に納得していたり、意味を感じていたりすると、働くストレスも軽減します。

キャリアコーチの専門性は上下関係を生む

以下の表は、コーチングとカウンセリング、ティーチング、コンサルティングの違いを表したものです。

縦の「関わり方」に注目すると、ティーチングとコンサルティングは、ティーチャーやコンサルタント側に答え(=知識や情報)があるため、”指導”という関わり方になります。クライアントとの間に知識や情報の差ができるため、どうしても上下関係が発生してしまいます。一方、コーチングでは、クライアントの中に答えがあると考えるため、コーチとクライアントは対等な関係です。

私はキャリアコーチングは、コンサルティングと同じエリアに分類されると考えています。(私の考えなので、違うという方もいるかもしれません)

具体的には、キャリアコーチは業界知識や市場動向、求人のトレンド、求められているスキルなどの情報を持っています。また、強みや資質を発見する診断ツールを使って、フィードバックや指導を行ったり、職務経歴書の作成支援を行ったりする場合もあります。

アドバイスや指導を受けたい場合はキャリアコーチング、自分らしく生きたい場合はコーチングがおすすめ

というわけで、私の結論ですが、「私に合う仕事を教えて欲しい」、「アドバイスや指導が欲しい」という場合はキャリアコーチング、「私の中にしかない答えを探求したい」、「自分らしく生きたい」という場合はコーチングがおすすめです。

別の表現をすれば、「市場価値を上げたい」という方はキャリアコーチングが合っていると思いますし、「そもそも市場は急速に変化していくのに、それに合わせて生きていくことに疑問を感じてしまう」という方はコーチングの方が合っていると思います。

コーチングでは、当初想定していなかった方法で自分の理想を叶えることもある

実は、私も「転職したい」と思ってコーチングを受けていた時期がありました。参考までに、そのときの私の体験を紹介します。

転職活動の結果、2社から内定ももらったのですが、なんとなく引っかかるところがあり、どちらにも転職する決断ができませんでした。

「いろんな選択肢を検討したのに、どれも選べなかった」とコーチに伝えると、コーチから「『どれも選ばない』という選択をしたのですね」という言葉が返ってきました。当時、転職活動がうまくいかず気を落としていた私は、この言葉にすごく勇気づけられ、気持ちを立て直したことを覚えています。

心を落ち着けた後、引き続きこれからどうしようかと考えました。そして、やはり何か環境を変えたいと思った私は、何と引っ越しをしたのです。会社を変える、業務を変えるということではなく、住む場所仕事以外で関わる人を変えるという選択肢を思いついたのです。

コーチングでは、当初想定していなかった方法で自分の理想を叶えることがよく起こります。この枠が外れて選択肢が広がるという自由さがコーチングの醍醐味だと思います。

いかがでしたでしょうか。今、自分にキャリアコーチングがあっているのか、コーチングがあっているのか、迷っている方の参考になれば幸いです。

最後に

人生は決断の連続。

しかし、コーチングを受けたからといって、大きな決断や思い切った行動をしなければいけないということでもありません。むしろ、未来を変えるのは大それた決断や行動ではなく、日々の小さな行動です。

また、変化には「目に見える変化」と「目に見えない変化」があるので、外から見てわかりやすい変化が見えなくても、その人にとって必要な変化が内側で起きている場合もあります。

コーチングは、変わらなければいけないというプレッシャーを感じる時間ではなく、案外自由で安心で、力が湧いてくる時間です。転職に限らず、人生の分岐点にいる方や、長い間気掛かりだったことがいよいよ無視できなくなってきた方、もしくはそんな友達の力になりたいと思っている方に届きますように!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?