【ぶんぶくちゃいな】史上最大の反対を浴びた香港「逃亡犯条例」改訂

すでにご存知だろうが、香港が今世界中の注目を浴びている。ほとんどの人がなにも知らなかったところに、6月9日に100万人を超える市民が街を練り歩く様子を見せられてびっくりした、というのが現実だろう。

6月12日には、政府庁舎及び立法会ビル(両者はほぼ隣り合わせに立っている)を再び多くの市民が取り囲み、抗議デモを行った。それを駆逐しようとした警官隊とデモ隊の間で激しい応戦が起き、負傷者は90人を超えた。これを警察は最初「暴徒」「騒乱」と呼んだが、夕刻には政府トップの行政長官が「暴徒」「暴乱」と明言。香港にはかつてなかった緊張感が漂っている。

そして、日本を含め海外メディアは、香港と中国・北京を眺め回しながら、「雨傘」「天安門」といった使い慣れ、また手垢のついたキーワードを手繰り寄せながら報道している。テレビや紙面、そしてPCを見つめる人にとって「わかりやすい」キーワードだからだろう。

でも、なにかが違う。なにかがずれている。どこかをかけ間違えている。ずっとそう感じ続けてきた。

この原稿では、そんな違和感と、これを書いている時点での最新の香港で起きている、あるいは起きつつある情報をまとめていきたい。

●簡素化される手続きと中国司法への不安

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