日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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2020年3月の記事一覧
【読んでみましたアジア本】骨太でマッチョ、そして近未来の「公権力」と「私情」を描く:王力雄『セレモニー』
もし、中国を揺るがした感染症騒ぎがでっち上げだったとしたら?――という、今ならなかなかどきっとするようなシチュエーションから始まる政治SF小説。
これがなんと2015年末から中国人作家の手で書き始められた小説で、さらにその時代はどうも2021年を想定していた…という事実に驚くと同時に、すでに昨年4月末に出版されていた本書をこれまで、日本の中国事情関係者が誰一人、話題にしていないというのはなぜなの
200327 「現代ビジネス」寄稿:中国政府が、コロナ危機で「戦時ハイ」になっていた…その危うさ
日本でも深刻な事態に入って、「欲しがりません、勝つまでは」といった戦時用語を振り回す人が出てきました。でも、この記事を読んでいただければわかるように、現状を安易に戦時ムードに喩えてしまうと、さまざまな解釈が進み、個人の基本的な尊重される権利までが踏みにじられる恐れがあります。
「欲しがりません、勝つまでは」はその最たるものです。欲しがっていいのです、でも近くのスーパーに食材がなければ、我慢するの