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ウェブサイトを納品して10周年を迎えた会社と、3年以内に潰れた会社の違い

こんにちは、おえかきわんこのにあです。
私は時々、ウェブデザイナーとしても活動しています。

ウェブ制作を依頼される主な理由は、オンラインの集客ツールとして使いたいというニーズがあるからです。ウェブサイトには「どこからでもアクセス出来る」という性質があります。この性質を活かせば、オフラインで営業活動をかけているだけでは決してリーチ出来ない顧客層を狙うことが出来るのです。

よく「開業から10年後には9割以上の会社は無くなる」と言われています。
そして企業の倒産原因は「販売不振」が、7割近くを占めています。
(中小企業庁の統計データによる)

だからこそ多くの企業は販売不振を解消するためにあらゆる角度から営業活動を行います。ウェブからの集客もまた、重要な経営戦略なのです。

集客が上手くいけば売上/利益に繋がります。
利益が資産に追加されればされるほど企業は体力をつけることができるし、投資もできる。つまり、選択肢が増えるのです。

というより悪い選択をせずに済むのです。

よく「九死に一生を得る」「ピンチこそチャンス」といいますが、この考えをそのまま鵜呑みにしてはいけません。
たいていのピンチは一回も失敗できないし、八方塞がりなものです。

であれば、土俵際に追い込まれてから粘るのではなく常に自分が優位に立つために先手先手を取り続けなければ勝負事には勝てません。

逆に、潤沢に資産があるなら失敗できる回数も増えます。そこから学べる回数も。設備投資すれば、より本気で仕事できる環境も手に入ります。すると少ない工数で多くの成果をあげられるようになるのです。新たな発見や出会いの機会にも恵まれます。

土俵際に行くほどその人は下流であり、優位に立つ人ほど上流に居るのです。そしてその格差は無情なほどに時間が経てば経つほど広がっていくのです。

今回有料記事で紹介するのは、上流に登ることが出来た企業さんです。

でもその前に、どんな環境下で何をやったら(やらなかったら)その企業が潰れたのかをお話します。

3年以内に潰れてしまった企業の5つの特徴

1.差別化戦略を勘違いした
2.利益分配率が悪かった
3.来店型なのに交通アクセスが悪かった
4.途中で違うドメインに変えてしまった
5.餅は餅屋という考えに溺れてしまった

1.差別化戦略を勘違いした

「このやり方は、他のどの企業もやってない!」
そう言ったのは、あるパーソナルコーチのKさんです。彼は宗教の考え方とコーチングの技術をミックスした手法で多くのお客様を集めようとしていました、話を聞いてみると確かに独自性には優れていました。
問題だったのは、それがどの層にヒットするのか明確でなかった事。オリジナリティだけ優れていても、それがどう人々の役に立つのかまで落とし込んで発信しないと顧客には響かないのです。
ミーティングの時に深く掘り下げて聞いてみましたが、結局のところKさんは「ヨソでやってないやり方だから差別化は出来ている」の一点張り。結局サービスの有益性まできちんとエンドユーザーまで説明しきる事が出来ずにその事業は空中分解してしまいました。

2.利益分配率が悪かった

次は、ライブハウスのウェブサイトを納品したMさんのお話をします。その施設はオーナーが運営を手放すことになり、Mさんが引き継ぐ事となりました。夢にまで見た自分の店。だからこそ熱量も他の経営者さんよりすごかったのを覚えています。定期的に有名なアーティストがやってきて、ライブを行いました。
ウェブサイト上ではイベント情報のチケットを掲載して販売するという形をとっていました。
大きなイベントだと数百枚のチケットが売れる事もありました。イベント当日は長蛇の列ができて大盛りあがりです。しかし、それでも採算が合わないと言うのです。もっとライブハウスを回転させれば良かったのかと聞くと、Mさんは唸ったあと、首を横に振ります。彼はウェブサイトやSNSによる告知をして集客を頑張れば良いと考えていたのですが、現実はそうではありませんでした。

じつは、利益分配率が悪かったのです。
アーティストのギャラ(出演費)が高く、手元に残るお金は信じられないくらい低価格になってしまったこと。収益源のほとんどはお客様に提供するドリンク代くらいである事、それでは毎月かかる家賃や水道光熱費がペイ出来なくなる事が後から分かりました。そして、有名アーティストが来るイベント以外はあまり集客が出来ません。
交通アクセスも悪く、一般ユーザーにとってはわざわざ行く理由がないのです。だからこそ簡単に手に入った環境だったわけですが、これこそが先代オーナーがそのライブハウスを手放した理由だったのです。このように事業が回れば回るほど出血量が増えていくような環境下ではどうしようもなく、貧乏暇無しになって採算が回らなくなるのは時間の問題でした。

3.来店型なのに交通アクセスが悪かった

ウェブサイトを運営するとき、気をつけなければならないのが「ウチは来店型サービスか」どうかです。
2で紹介したライブハウスは完全に来店型でした。この項目3で紹介するのも来店型です。

結果から言うと、そこはバッティングセンターでした。
通販サイトを運営するのとは異なり、場所と設備を用意して顧客に足を運んで貰う必要があります。そうしないと、そもそもサービスが成り立たないのです。
駅から遠かったり車が停めにくかったり、都心から離れていた場合は、その交通アクセスの悪さを払拭出来るほど素晴らしいサービスを提供出来ないといけません。しかし、突き抜けたサービス力はこれといってありませんでした。

4.途中で違うドメインに変えてしまった

「サイト内容はそのままにして、サイトの名前とドメインをこっちに変えてください」
ある日、クライアントのIさんからこんな依頼がありました。
もちろん、ドメインは自由に変更可能です。しかし、それをやるとそのサイトはSEOパワーを失ってしまいます
Googleの巡回ロボット(クローラーまたはスパイダーという)は、検索結果にウェブサイトを載せる(インデックス化)ために様々なサイトを行ったり来たりしています。もしドメインを変えてしまうと、URLが変わるということですから、インデックス化されたページのリンクが切れてしまうのです。
これでは、顧客がサイトを訪れる事が出来なくなってしまいます。(せっかく調べてくれたのに!)ドメインを変えるということは、こういう機会損失を招くという事なのです。
さらに信用性を失ったサイトは、再インデックス化されるために営業努力をしないと検索圏外に行ってしまいます。

もし変えたのがドメインだけなら、リダイレクトを上手に使えばまだ何とかなったかもしれません。ただ、こちらのクライアントはそもそものブランド名まで変更してしまったのです。

この努力をする間もなく、その事業は日の目を見ることなく沈んでしまいました。

5.「餅は餅屋」という考えに溺れてしまった。

専門のことは下手なことをせず専門家に任せておけば良いという意味のこのことわざですが、間違ってもこの言葉に溺れてはいけません。

というのも、ついた餅を食べるのはクライアント(あなたかもしれません)なのです。こちらが詳しく状況をヒアリングしたり話を詰めなければいけないと判断した時でも「任せる」「信用してる」といって責任を丸投げするタイプのクライアントは、事業責任を放棄していると言わざるを得ません。

厳しい言い方ですが、経営を自分ごととして捉えない経営者に未来はないのです。ウェブサイトは、待っていれば勝手にお客さんがアクセスして売上を上げてくれる金のなる木ではありません。

ですが現実問題として、そう思っているクライアントは多いです。
そして、そんな人に限ってKPI目標(重要業績評価指数。目標達成するための指標のようなもの)を立てようとすると嫌がります。
せっかくコンサル業者が経営課題解決のヒントを見つけてきても、そのヒントを使って売れるようになるまでの根回し(情報発信)をしなければ、顧客の目に留まることさえないのだから「これをやる」というものを決めないといけないにも関わらずです。

ヒントを充分に活かした経営方針を打ち出せていないから、WEBデザイナーへの依頼内容も、角度の低いものになってしまうのです。

辛辣な言い方になってしまいますが、これでは経営に悩んでいるふりをしているだけですし「倒産したいです」と言っているのと同じです。

倒産してしまった会社はどうなるのか?

勤務先が無くなったあと、その元経営者さんや元社員さんはどうするのでしょうか?
別の企業を立ち上げたり再就職したり、アルバイト生活になったり、消息を絶ったり様々な運命を辿ることになります。場合によっては経営者には債務責任が発生し、どうしようもなくなるケースもあります。

魂をかけて経営してきた会社が、これ以上被害が広がらないようにするため破産手続きをする。これが冒頭で述べた悪い選択なのです。

だからこそ、経営者はマーケティングもマネジメントも怠ってはならないのです。

有料記事に入る前に

さて、前半暗いお話が続きましたね。
後半は「ああ、なるほど!」と思ってもらえるような事業成功のモデルケースをお話します。その前に、ここから先ご紹介する企業は創業から10周年を迎えました。私がウェブ制作をし始めてから、同じ年数が経過しています。

有料記事をひらく前に、簡単にその企業のウェブサイトがどんな形式なのかを紹介をさせていただきます。

1.サイトは静的HTMLで作られている。
2.商品は有形資産。
3.一発あたりの売上単価が比較的大きい。

です。正直「えっ?」と思った人も多いと思います。
さて、どんな所でどんな人たちが働いて、何を売っているのしょうか?

気になる方はお進みください!

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