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ああ,歯磨き

よし!寝るぞ。と電気を消し,布団を被り数秒後に思い出すのは,

歯磨き。

歯磨きは忘れがち。小さい頃から幾度も歯医者へ行き,詰め物をされた日々。
いつも通っていた歯科は男の先生で,中学生くらいまでお世話になった。幼稚園の頃は、男嫌いだったのもあり,「男は嫌。女がいい!!」泣きながら訴え、男の先生に治療されていた。

銀歯とは,縁もゆかりもないんだろうなと思っていた。例えるなら,テレビの中の有名人。
だけど,高校二年の時、一部銀歯になり身近な存在になってしまった。そして、私は胸を躍らせながら、「silver」と言う題名のメモ帳を作り,将来の夢をそのメモ帳にたくさん書いた。

小学生の時,ワカメが歯についていた。
それを知らずに笑顔でいたら,前にいた男の子に指摘されて恥ずかしかった。だけど,その恥ずかしさを表に出すまいと,静かに口を閉じ無言でワカメを処理した。その教訓で今も手鏡は欠かせない。

好きな人の歯並びが悪かった。
だけどそれ以上にその人のことが好きだったので全然良かった。

親知らずが人より多い。
上に4本親知らずがあり,下に2本生えている。
親しらずは,親の言うことを聞かないから生えてくる。そんな意味かと思ってた。調べてみたら,結構シリアスな意味を持っていた。
ちょっと悲しくなった。

そういえば,中学生の時、奥歯を矯正した。
歯に器具をつけて,輪ゴムみたいなので引っ張って歯を動かした。初めの一週間は,喉にネジが埋め込まれてるような感覚で飲み込むたびに吐き気がして苦しかった。だけど,矯正期間が終わり器具を外すと,足りねぇ…と言う気持ちになった。
例えるなら,うるさくて目障りなクラスメイトが転校して教室が静かになったような気持ち。
愛着ってこんなところにもあったんだ。

どっかの夏の日。
サマースクールで学校にいた。
水筒の底に張り付いている氷が取れないと喚いている友達のお手伝いで上から水筒を叩いたら,その友達の歯が折れた。
先生からすごく怒られた。
だけど,その子の歯は、永久歯じゃなかったのでよくないけどまぁ良かったのかもしれない。
その折れた子は,一昨年聞いた話によると,家に引きこもりになっているらしい。だけど最近は働いているらしいとも聞く。

もうそろそろ歯磨きを始めてもいいかもな。
外は雨だし、明日は6時起きだから。

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