inu.

大体全部好きじゃない。 嬉しいこと見つけて、今日も生きる。

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大体全部好きじゃない。 嬉しいこと見つけて、今日も生きる。

最近の記事

「君はメガネをかけることで、本当の自分を隠している」

昔、言われたこと。 その人のことがすごく好きで、結婚すると思っていた。 病気がちな彼は、急に音信不通になって入院していたり、病気のために小さいヘルシー弁当を持参して「本当はもっと食べたい」としょんぼりしながらチマチマお昼ご飯を食べたり、でも私にはもっと食べろ食べろ言ってきたり、また音信不通になってどうしたのかと思ったら、唐突に私より痩せた姿で学食に現れたり、変な人だった。その時はなにも知らせずに手術を終わらせてきていた。「ただいま」じゃないよ、心配したよ。 多分すごく大変だ

    • ハシゴ映画のすゝめ

      千葉県にあるキネマ旬報シアターに行ってきた。 誰かと映画を観たい気分で、友達を誘う。 二つ返事で柏に集合する。いいやつ。 映画のレンタルBlu-rayがお家に6本あるけれど、見えないふりして家を出る。 小さいスクリーンが3つ。ロビーは昔の映画のパンフレットがたくさん並んでいて、それを眺めているだけで時間が過ぎてしまいそうなくらいだった。 スクリーンのソファもふかふかで座り心地良し。 座面の傾斜が弱かったので、斜め前のおじちゃんの後頭部と一緒にスクリーンを眺める羽目になる。

      • 寛解ということ。

        最近知った言葉、「寛解(かんかい)」という言葉。 医療の業界で使われる言葉らしい。 病気が完全に治る治癒とは違って、「寛(ゆる)くなり、解(と)けたような状態」を意味する言葉。 がんや難病に使うこともあるし、精神疾患に使うこともある。 症状が「寛(ゆる)くなり、解(と)けていく」ことで、検査異常が消失していく。治癒ではないので、予防的な治療や経過観察が必要な状態。 曖昧な言葉だけど、この言葉に何だか救われた気がしている。 2年くらい前に体調を崩した。健康な身体に、扱え

        • 自分の感受性くらい

          「ばかものよ」を、こんなに愛に溢れた使い方ができるんだ。 自分を守ろうとすればするほど、尖ってしまう外郭の棘が、ほんの少しだけ、くるっと丸くなる。 20歳の夏。大切な友達の誕生日。 野帳(フィールドノート)に今までの写真を貼って、アルバムを作った。 合間にイラストと、詩を挟みながら。 韓国ドラマで、ヒロインが毎日日記みたいに詩を筆写しているシーンがあって、それがすごく良い時間の使い方に見えた。日本語でそういう本を探してみたけれど、見つけられなかったので作ってみた。 夏

        「君はメガネをかけることで、本当の自分を隠している」

          悲しい夜は、優しい夜に。

          深い呼吸のような優しみのある言葉たち。 心の瓶から、両手て掬い上げたような言葉たち。 誰かのために届ける言葉というより、自分が感じるためのような。 そんな言葉を紡ぐ人がいる。それに癒される自分がいる。 ただそこに“在る”という難しさ。 誰かが目の前に来てくれることで、触れてくれることで、自分の存在に気づく。 ただそこに“在る”がなかなかできない。 そこに“在る”から、相手も“在る”。 それだけなのに。 シンプルで、難しい。 と穏やかに考えられる日々がある一方で、誰かに

          悲しい夜は、優しい夜に。

          推しの話。

          最近推しがいる。SNSで声だけの配信をしている人。 ここ1年、ほぼ毎日、ギターを弾いて歌ってくれる。 最近は時間があるので、ほとんど毎日一部分でも聴いている。 耳が癒されている。 でも実は、この人のことを知っている。 出会ったのは10年くらい前。田舎のライブハウスで偶然見かけて、一目惚れした。 聴き惚れた。 その時の私はまだ成人していなくて、学校ではない世界を求めていた。 学校の私ではない私を、知りたかった。 大人たちが出るライブハウスに飛び込んだ。 バンドマンたちは優

          推しの話。

          いっそのこと、小さく死んでみた話。

          仕事を辞めた。うまいこと転職とはいかず、ただの無職になった。 新卒から4年11ヶ月働いた。年度末まで頑張れなかったのは、会社への反抗心だったのかもしれない。 とっくに限界を迎えていた。頑張れなくなった自分が悪いと責めることに疲れ切っていた。どんなに周りに優しくされていても、お金にならない労働、管理者からの扱いに我慢の限界を超えていた。だからよく頑張った。よく頑張ったとは思う。 じんわり残る罪悪感。じわじわと喪失した自信はちょっとやそっとじゃ戻らない。 専門職だった。やりたい

          いっそのこと、小さく死んでみた話。

          パーカーの袖にアイシャドウがキラキラ付いて

          右手だけ酷い手荒れ。ヒビ割れて、固まって、またヒビ割れる。 伸ばしている髪の毛の手入れが難しい。なんのために伸ばしているの。 穴が空いた靴下ばっかり。捨てたら良いのに、でも、まだ使える、使える。 こうやって、自分の頭の中のことは世界に伝わると思っている。 過信している。全てに許されていると思っている。 それが悪いことなのかは、ずっと分からない。 悪いことじゃないと良いなと思っている。 私は許せる大人になりたいと、思っている。

          パーカーの袖にアイシャドウがキラキラ付いて

          三昧おろしをしゅう

          なんだこの下書きは。タイトルを見て考える。 ・・・・・・・ 【三枚おろしを習得した】だ。 鯵の三枚おろしに初めて挑戦した日に、嬉しくてタイトルにしようとしたんだ。 タイトルにしたところで、それ以上特に書きたいことも無くて、そのままにしたんだ。 三昧になってるし、文末がしゅうになってるし、盛大に打ち間違えている。そんなに嬉しかったのか、私。 忘れないうちに、また三枚おろし、するぞ。

          三昧おろしをしゅう

          羨ましくて、死にそう。

          薄々気づいていた。低い自尊心と、強い自己愛。 見た目の悪さなんて、とっくの昔に克服したつもりでいた。 色々なものへの憧れなんて、とっくの昔に昇華したつもりでいた。 自分は自分の世界観で、生きているつもりでいた。 まさか20代も後半になってから、こんなに揺らいでしまうなんて、思わなかった。 完全に予想外。このまま憧れの30代に向けて、自分が完成していって、磨かれていくのだと思っていた。 羨ましくて、死にそう。 音楽がやりたかった。映画に関わりたかった。仲間が欲しかった。

          羨ましくて、死にそう。

          歌。涙が出る話。

          音楽が好き。 死ぬまで言い続けたいと思いながら、愛し方は少しずつ変わっているのかもしれない。 優しい声で歌う、初めて聴く歌。音と声の調和の気持ち良さの前に、涙が出てくる。 耳から入った音が脳みそに伝わるまでに増強される感じ。 脳みそが、響いて小刻みに揺れている感じ。震える感じ。 気づいたら鼻の奥が痛くて、視界は滲んでいる。 音楽で泣くことは元々あったけど、ここ数年は自分が歌うのにも泣くようになってしまった。 歌が好き。歌うのが好き。やっとそう言えるようになったのが大学生

          歌。涙が出る話。

          暗くて、怖い。

          私は普段、あんまり暗闇を怖いとは感じない。 感じないというか、考えないようにしているのかもしれない。 眠る時、部屋の押し入れは半開きだし、入口の襖も開いている。電気は真っ暗にして、明るさといえば窓から差し込む月明かりくらい。朝起きた時に朝日が入るように、カーテンも15cm程開いておく。 でも時々、怖いと感じて全部閉めることがある。 全部締め切った方が、怖がっている事を認めているようで、余計怖い。 とか言ってると、本当に寄って来そうで、怖い。 なんだか誰かに見られている気が

          暗くて、怖い。

          記憶の引き出し。

          ライブ終わり、みんな帰りたくないという動機だけでカラオケオールして、あの子が歌ったいのちの記憶 いまの全ては過去の全て 必ずまた会える 懐かしい場所で いまの全ては未来の希望 必ず覚えてる 命の記憶で 卒業式のあと、私を好きって言ってくれた君のことも忘れてないよ 「友達とオールしてデニーズで朝日を迎えたい」って友達の小さい夢を叶えた朝 私の深いけど経験として大事にしている傷の話を、あの子が聞いてくれた田んぼ道のドライブ 4人で乗るには小さすぎる車に、4人と4人分の機材

          記憶の引き出し。

          自分らしく、人に伝える。

          大学生2年生の頃から、手帳のデイリー欄に日記をつけている。 大学に入学して1年間は、周りとの関わりに必死で毎日が一瞬で過ぎてしまった。 1年間経った時に、「あれ?1年間何してたっけ?」と思った自分が悲しくて、このまま死んでしまうのは寂しいと思って書き始めた。 「今日は休日でゴロゴロしてた」とか「寝坊した」とか「雨だった」とか大体書いても書かなくても良いようなことを書いている。 3行日記とか、一言日記とか、色々書き方はあるけれど、私はその日の自分に任せる。 3行で終わる日もあ

          自分らしく、人に伝える。

          2年振りにライブハウスに行った話。

          恵比寿のLIQUIDROOMに初めて行った。 そういえばライブハウスに行かなくなって2年が経っていた。 拳を高く上げることも、バンドマンが吐く熱い言葉を聴くことも、観客の隙間から見えるステージがキラキラしていることも、なんだか忘れてしまっていたような。 その日のライブはメジャーデビューしたばかりの19歳のバンド。 観客も若い子たちが多くて、本人達の同級生とか友達同士で来ているようだった。 私は彼らの本名を知らない、詳しいプロフィールも知らない、今までどんな学生生活を送って

          2年振りにライブハウスに行った話。

          近所の銭湯に行った話。

          自転車で15分くらいの場所に銭湯がある。少しレトロで落ち着いた雰囲気。 湯舟に入りたくなったらそこに行く。真冬は行き帰りの自転車で冷え切ってしまうから行けなかったけど、最近はすっかり暖かくなったので日曜日の昼間に久しぶりに行った。 久しぶりだったので、貴重品ロッカーに財布を預けてから脱衣所ロッカーで100円が必要になり、また取りに行くというボケもかます。 ゆっくり湯舟につかるなんて1か月に1回も無いなと気付く。普段はシャワーで済ませてしまうから、湯舟で身体がこんなにほぐ

          近所の銭湯に行った話。