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【2024年2月】南京・上海旅行記 1日目〜中国ビザなし入国、南京大虐殺博物館訪問〜

 コロナ禍以降、中国本土に入国するためにはビザの申請が必須となった。しかし、例外的にビザを申請せずとも中国を旅行する方法があるため、今回はその制度を利用した。
 
 詳しくは別途「中国 ビザなしトランジット」などで検索していただきたいが、簡単に説明すると「A国→中国→B国」のように移動すれば、トランジット(乗り継ぎ)扱いになり、特定地域内の144時間以内の滞在に限ってビザが必要ないというものである。入国にあたっては、滞在先のホテルの予約確認書が必要だ。
 今回、私は「大阪→ソウル」「ソウル→南京」「上海→名古屋」の3枚の航空券を予約した。こうすれば、「韓国→中国→日本」と移動することになるため、ビザが必要なくなるというわけだ。

 中国に入国するために、まずは韓国・ソウルに向かった。AM7:40関西空港第二ターミナル発のPeach便に搭乗。

ソウルまでの飛行時間は2時間ほど。隣の席の青年と仲良くなった。

 ほどなくして、ソウル仁川国際空港に到着。

仁川空港のこの電光掲示板が好き。歓迎されているような感じがする

 一旦韓国に入国し、中国東方航空のカウンターに向かう。韓国入国にあたっては、滞在先ホテルの住所を記入しなければならないことになっている。今回は3時間で韓国を出国する予定だったため、入国目的欄に”Transit”、滞在先住所は”NA”と書いたところ、すんなり入国できた。

並んでいたのはほとんど中国人だった

 30分ほど並び、私の番が来た。窓口の人に”To Nanjing. I should be eligible to apply for visa-free transit."と伝えたのだが、どうやら係の人がビザフリートランジット制度を知らなかったらしく、”You don’t have visa?”と怪訝な顔をされてしまった。奥から偉い人が出てきてわちゃわちゃした挙句、いろいろな書類を書かされてチェックインできた。手続き全体で、これまた30分ほどかかってしまった。

「外国人臨時入境申請表」ボールペンではなく、マイネームみたいなやつで書かないといけないとのことだった。

 韓国を出国し、南京行きの飛行機に搭乗。お客さんのうち8割が中国人、2割が韓国人といったところだった。

 ソウルから南京までの飛行時間は2時間半。機内食も提供された。

ご飯の上に生ぬるいキムチがのっかったシロモノ。豚キムチとかではなく。おいしくない…左上のサラダも、プラスチックの味がするし。パンとデザートは美味しかったけど。

 モニターもスマホの充電口もない飛行機に揺られていると、南京禄口国際空港に到着。

きれいで近代的な空港だった

 入国審査では、中国で滞在するホテルの予約確認書や、南京から上海までの高速鉄道のチケットなどを提示するように言われた。ビザフリートランジットを利用していたのは私だけだったらしく、手続きが終わるまで一人で1時間くらい待ちぼうけを食らってしまった。空港職員は英語を話すことができたので、コミュニケーションに困ることはなかったのだが。ともあれ、無事入国することができたのでよしとする。
 なお、中国では、GoogleやTwitter、Youtubeにはアクセス制限がかかっている。これを突破するためには、ahamoの海外ローミングサービスを利用するのが最も手っ取り早い。追加料金無しで20GBまで海外でもインターネットに接続できてしまうスグレモノだ。Googleマップもほとんど使い物にならないため、「百度地図」を利用した。

「社会主義核心価値観」がお出迎え

 入国早々、ガタイのいいおじちゃんたちに囲まれて「ヘイ!タクシー!」攻撃を受ける。中国では「滴滴(ディディー)」という配車アプリを利用するのが一般的だが、乗り場も決済方法もよくわからなかったため、言われるがままにタクシーに乗り込んだ。海外旅行においては、向こうから声を掛けてくるタクシーはほぼ全てぼったくりと相場が決まっているのだが、他に移動手段のアテがあるわけでもない。背に腹は代えられないのだ。目的地を告げ、30分ほどのタクシーの旅を楽しんだ。
 運転手に日本人であると伝えると、とても驚かれた。韓国人はよく乗せるそうだが、日本人は初めてだという。

料金は150元だった。滴滴で調べたところ、125元が標準価格とのこと。ぼったくりといえばぼったくりだが、まあ許容範囲だ ※1元≒20円

 タクシーを降りると、ソーセージやスナックなどの軽食や、さくらんぼ、いちごを売る行商人などが声を掛けてきた。これぞ、私が思い描いていた中国。テンションが上がった。

寒い中、ごくろうさまです

 一発目の観光は、今回の旅行最大の目的である「侵华日军南京大屠杀遇难同胞纪念馆」の見学。いわゆる南京事件の博物館だ。

入場料はかからないが、予約が必要らしい。外国人はパスポートを見せれば予約無しで入場できる。

 とても厳かな雰囲気で、来場者はみな思うところありげな顔をしていた。どことなく、広島の平和記念資料館に似た雰囲気がある。入場するや否や、白い花を手渡された。無料かと思ったら、しっかりお金を取られた。

花代は10元

 随所に日本語の説明もみられた。

序文
南京空襲
日本軍と中国軍の戦力差
「南京陥落」を宣伝する日本のポスター
「日本の隠蔽行為を暴く」
混雑した館内の中でも、ひときわ人だかりができていたのは「性暴行」の展示だった
「中日友好」のカリグラフィー
国家主席のスピーチが流れていた
「結語」

 歴史学に明るいわけではないため、展示内容について論評することは避けるが、ここで虐殺行為があったことは事実だろう。心にグッとくるものがあるはずなので、足を運んでみてほしい。ある種の政治的な施設である側面は否めないが、少なくとも、日本人への憎悪を露骨に煽るような展示ではなかった。

 博物館の見学を終え、ホテルに向かう。タクシーではなく、南京メトロを利用した。券売機は英語に対応しているし、現金も利用できる。改札口では手荷物検査があった。

地下鉄は清潔でわかりやすい。運賃は2元〜4元
当然のように「社会主義核心価値観」。南京の街にいると、30秒に1回は目に入ってくる
南京の街並み

 中国では、外国人が宿泊できるホテルは限られている。今回投宿したのは、Agodaでヒットした”Jinjiang Metropolo Nanjing Confucious Qinhuai Classical Hotel”。水回りも清潔で、過ごしやすい。

一泊6700円だった

 1時間ほど休憩し、南京で一番の繁華街「夫子廟」に向かう。「夫子」とは、「論語」で有名な孔子のことだ。

なんじゃこりゃー!さすが中国
想像する通りの「中華街」といった趣
スパイスを売っている
紫色に妖しく光る階段の先には…
なんのことはない、土産物屋だった。
「超級英雄超人」のフィギュアも売っている。ウルトラマンのことかな?
ドラゴン!!!

 多くの人が行き交う活気あふれた夜の街を散策していると、大衆食堂のような店を見つけたので入店。

うおー、うまそう

 奥に座り、Google翻訳で「どれを注文したらよいのか分からないので、南京の名物料理を食べさせてください」と入力し、おばちゃんに見せた。出てきたのがこれ。

鴨の血と豆腐の煮込み、焼き餃子

 南京は鴨が名物らしく、鴨の血を煮込んだものが常食されているとのことだった。鴨の血と聞くとなんだかウッとなってしまいそうだが、味のほうはブルプルしているハツとでも形容すべきもので、美味しい。焼き餃子ももちろんうまい。

 これでは腹は膨れないので、別の店で春雨と鴨肉の塩水漬け(?)、デザートにもち米を甘く焼いたやつ(?)をいただいた。これまた南京の名物らしい。美味しかったものの、想定より量が多く、完食はできず。

鶏ガラ?鴨ガラ?で出汁をとったのだろうか?やさしい味の春雨スープ。パクチー入り
鴨肉の塩水漬け。奥に写っているのがデザート

 なお、支払いにはAlipayというQR決済アプリを利用した。日本のクレジットカードに紐づけて、Paypayのように使える。人民元の現金も受け取ってもらえないことはないが、Alipayのほうが支払い手段としては一般的だ。
 visaやmastercardといった「西側」のクレジットカードは、空港やホテルであっても利用できないところがほとんどだ。そのため、Alipayのインストールはほぼ必須となる。ただ、Alipayは頻繁にエラーが起きるため、万一に備えて現金もかならず持っておく必要がある。なんだかんだ言っても、最後に頼れるのは現金なのだ。

 腹ごしらえも済んだところで、ストリートの名前にもなっている「夫子廟」を見学する。孔子を祀る寺院で、中国各地にあるらしい。

ライトアップされていて、美しい感じ
なんかすごい
中はしっかり荘厳な感じ

 春節明け直後に訪問したからなのだろうか、全体的にピッカピカにライトアップされていた。建物の中も、多くの訪問客でにぎわっていた。儒教が民間信仰として庶民の間にしっかり根付いているということなのだろう。

 夫子廟の向かいにあった「中国科挙博物館」も見学した。

派手だねー

 科挙の試験会場にあった机や、当時の住居を再現した建物、合格後の祝宴のメニューなどが展示されていた。

この机で45日(!)もぶっ通しで受験したらしい。寝るときはそのまま突っ伏してたんだとか。
中国の家によくみられる龍のモニュメントは、合格祈願のために作られたとのことだった。
祝宴では豪華な食事が供された。


 中国旅行1日目、駆け足だったがとても充実していた。2日目の記事に続く
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