見出し画像

人生すべてネタのタネ

かれこれ10年以上も前のことです。
パートナーの、まぁ世間で言うところの裏切りを経験しました。
普通であれば、それはとてもショックな出来事のはずです。

ですが、私の場合は少し違いました。
長年にわたる私へのモラハラと、
子供に対する辛辣な言葉と態度の数々。
この先ずっと、あらゆる場面でこの人には抗えないまま残りの人生を送るのだろうと思って生活していました。
頑張って受け容れていかなくちゃ。
自分さえ黙ってこの気持ちを飲み込めば、きっと丸く収まる。それしか術がありませんでした。
自分が浴びる言葉や強要されるもの、そのすべてに不感症になることで自分の心を守っていました。

そんなある日、子供のことで大声を出されました。その不和がきっかけで夫婦間に決定的な溝が生まれてしまいました。
怒鳴り散らした後ろめたさと、
自分の気持ちを汲もうとしてもらえないことへの腹立たしさから決行された、その裏切り行為。
おそらく私への嫌がらせと仕打ちの意味を込めた
〈お仕置き〉のようなものだったのでしょう。
それによって私の目が覚めるように。
痛い思いをした私が、泣いて詫びてくるように。
そんな空気を感じました。

ですが、それはとんだ見当違いでした。
自分の言うことを聞いてくれない私に対して、
そのような方法でわからせようとしたのは初めてではありませんでした。
度重なるモラハラによって、
すでに相手への信頼は壊れていたのですから
『自分の価値をわからせるための手段として、
そのような選択肢が相手の中にあるということ。』
そのことは、ただただ私を冷ややかな気持ちにさせてしまうだけだったのです。

私という存在がありながら、でもどうしても大好きな人に出逢ってしまった。その結果としての行為なら理解します。だって気持ちはどうしようもありませんし、人生で出逢うべき人ときちんと順番通りに出逢えるのなら誰も苦労しません。

でもそうじゃない。
相手に痛みを与えるための手段で、今すぐどうにかできそうな相手を消去法で選んで誘い出す。
そこにどうしようもなく嫌悪感を抱きました。
相手の方にも失礼な話です。
もし本当に相手のことを思うのなら、むしろ迂闊には誘えないと思います。
面倒なことに巻き込むことは必至な訳ですから。


私の人生において、
今となってはいい経験だったと思います。
あらゆる罵詈雑言。
一生のうちであんなこと言われる経験をする人は、
そう多くはないはずで。
めちゃくちゃレアな経験値って思うと、
私すごくない?って面白がりたくなります。
立ち向かえなかった弱さも、
確かに自分の中にありました。
そこは反省です、勉強です。
そして自分の人生、なかなか面白いと思います。

それに


ここでこうして書いちゃってるので、
結果オーライですね。笑

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?