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蟹工船 漫画版(漫☆画太郎先生の作品ではない)を読んだ感想

漫☆画太郎先生が「少年ジャンプ+」で新連載を始めたらしいのですが、なんと古典文学を漫画化するというものでした。それで、記念すべき第1話で取り上げられた古典文学が小林多喜二さんの「蟹工船」です。久々に、小学生の時に見た地獄甲子園を思い出しました。

蟹工船の存在自体は、中学校の教科書でも取り上げられていたので知っていましたが、読んだことはありませんでした。そこで、Amazonで探してみると、なんと蟹工船の漫画版がありました。内容がほぼ分からない漫☆画太郎先生の蟹工船とは別物です。しかも、Kindle Unlimitedの対象作品でした。

ざっくり中身を紹介すると、主人公がお金を稼ぐために、めちゃくちゃ労働環境が悪いカニ漁船で働くんですけど、途中で一致団結してストライキを起こし、最終的には労働者の権利を勝ち取るみたいなお話です。
これまでプロレタリア文学ってなんなの?って感じだったんすけど、蟹工船を読んで少し分かってきました。要は資本家から搾取される労働者とか、厳しい労働環境を描いて、これっておかしいよね、労働者の権利が守られてないよねってことを世に問いかけるような文学作品のことなのかなと。
読んでみた感想ですが、船をチャーターしてる会社の代表(資本家)や現場監督みたいなおじさんが悪く描かれすぎかな…というのが正直なところです。労働者が搾取されてて可哀想みたいな感じになっていますが、資本家もそれ相応のリスクをとっているという事も伝えた方がいいのではと思います。もちろん、漫画で短く、分かりやすく伝えるために誇張して描かれたのかもしれませんが。
あと、手に入る情報が限られていたり、規制が厳しいと労働者の流動性が低くなってしまうので、そうすると、心身に異常をきたすまで労働環境を変えられないということになってしまうのかなとも思いました(蟹工船は極端な例ですが)。
蟹工船の時代のように手に入る情報が限られているってことは、現在ではないと思うのですが、いかんせん日本では雇用解雇に関する規制が厳しいですよね。解雇に関する規制をもっと緩くして、代わりにセーフティネットワーク(再教育の機会とか失業中の生活保護とか)を手厚く整備したらいいんじゃないかなと思います。そうすれば、働く場所を変えることがもっとカジュアルにできるようになって、成長産業に優秀な人がいくようになって、国全体の税収もあがって、みんなwin-winではないでしょうか。

Kindle Unlimitedを使ってみた感想はこちら


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