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日本人に童顔が多い理由

今日は日本人に童顔が多い理由についての考察記事です。あくまで私の仮説だということは先に断っておきます。

さて、結論からいきましょう。
日本人に童顔が多い理由は「日本は水資源や自然が豊富だったため、他の民族よりも反応的攻撃性が弱められ、自己家畜化ひいては幼若化が進行したから」だと思います。

反応的攻撃性とか自己家畜化とか幼若化(ようじゃくか)とか言われても訳が分からないかもしれません(あるいは「善と悪のパラドックス」を読んだことがある人ならピンとくるかもしれませんが)。
でも安心してください。これからちゃんと説明していきます。

「反応的攻撃性」とは感情にまかせて暴力をふるうようなタイプの攻撃性のことで、これとは逆の概念が「能動的攻撃性」です。ちなみに能動的攻撃性とは計画し熟考してから行動にうつるようなタイプの攻撃性のことです。

そして人は反応的攻撃性は低く、能動的攻撃性は高い種だと言われています。なぜ反応的攻撃性が低くなったのかというと、人は言語を獲得したことによってコミュニティ内で相談(密談)をすることが可能となり、「処刑」という仕組みが出来上がったからという説があります。

つまり、処刑によって反応的攻撃性が高い人(主に男性)を殺すという文化が生まれ、反応的攻撃性が高い人が子孫を残しにくくなった結果として、人の反応的攻撃性は弱められたのです。

そして反応的攻撃性が低い、言い換えると生まれつき温厚だという特徴は家畜化された動物と共通しています。

家畜化された動物は人間によって意識的にせよ、無意識的にせよ、反応的攻撃性が低い個体が選別されて家畜化されていきました。

人の場合は人を家畜化する種が存在しておらず、しかし家畜と共通の特徴を持っているため「処刑」によって「自己家畜化」したのではないかと言われているのです。

ちなみに自己家畜化したのは人間だけではなく、例えば「ボノボ」も自己家畜化した種だと言われています。ボノボとチンパンジーは姉妹種なので見た目が似ており、住んでいる場所も近いです。

しかしながら、気質は驚くほど好対照で、比較的攻撃性が強いチンパンジーに比べて、ボノボははるかに平和的です。これは、ボノボのメスは団結して、反応的攻撃性が高いオスを撃退するからだと言われています。

そして、ここからが重要なのですが、家畜化された種は反応的攻撃性が弱められた副次的作用として「幼若化(ようじゃくか)」が起こるのではないかと言われています。幼若化とは、祖先種の幼児期に見られる特徴が、子孫の種の青年期や大人になっても維持されているような現象のことです。

幼若化の一例として、犬の垂れた耳があります。

上の写真はラブラドール・レトリーバーですが、多くの成犬は可愛らしく垂れた耳をしています。一方、おとなのオオカミの耳は垂れていませんが、子供のオオカミの耳は垂れています。犬はオオカミから進化し、成犬は子供のオオカミの垂れ耳を維持しているので、これは幼若化だと言えます。

他にも家畜化された多くの動物(もちろん人間も含めて)に共通する幼若化の特徴があります。

第一の特徴として、家畜は野生種より小型になる傾向があります。人為的な選択によって意図的に荷馬車馬のような大型の種を作ることも可能ですが、最初に小型化することは共通しています。今日では食べ物の量と質が向上し、多くの人間の体格が数百年前より良くなっていますが、さらに時代を遡ると、世界の多くの場所で人間の身長は低く、そして華奢になっています。

第二の特徴として、家畜は野生の祖先より顔が平面的になり、前方への突出が小さくなる傾向があります。つまり、顔が平たくなるということです。

第三の特徴として、家畜ではオスとメスの違いが野生動物に比べて小さいです。体格だけでなく顔の大きさ、犬歯の長さ、臼歯や顎の大きさなどが女性(メス)に近づいています。

最後の特徴として、家畜は哺乳類であれ鳥類であれ、野生の祖先より顕著に脳が小さくなる傾向があります。人間の頭蓋骨の内側の大きさ(頭蓋容量)で示される脳の大きさは、過去200万年間、着実に増大してきましたが、3万年前ほどに驚くべき方向転換が生じ、脳が小さくなりはじめたらしいのです(ですが、脳の大きさ=認知機能ではないのでご注意を)。

そして日本人に童顔が多いのも幼若化の一つの形態(特徴)だと私は考えています。身体の小型化や顔の平面性、雌雄の違いの小ささも他の民族より進行しているように見受けられます。

そして、なぜ幼若化が他の民族よりも進行しているかというと、反応的攻撃性が弱められる傾向が強かったからです。

ではなぜ反応的攻撃性が弱められる傾向が強かったのかというと、日本は水資源や自然が豊かだったため、他の地域と比べてコミュニティ内での繋がりが強く、反応的攻撃性が高い人を排除する傾向が強かったからではないかと思います。

実はボノボとチンパンジーの気質が違うのも環境が原因だと言われています。この二つの種はコンゴ川を隔てて、北寄りの地域にはチンパンジーが、南寄りの地域にはボノボが住んでいます。そして二つの地域で植生や二種の類人猿(ボノボとチンパンジー)が食べる果実の在り方に明確な違いはありません。

しかし、チンパンジーが住んでいる地域にはゴリラも住んでおり、食料の奪い合いが起きるため、チンパンジーは散らばって行動し、しばしば単独で必要なカロリーを賄える場所を探し歩きます。

それに対して、ゴリラと食べ物を競い合う必要がないボノボは、豊富な食べ物を気兼ねなく食べることができます。その結果として、比較的安定した小集団で、ゆっくりと植物から植物へ移動するようになりました。これが何を示しているのかというと、集団の安定性が増すと、メス同士が団結することが可能となり、反応的攻撃性が高いオスを撃退することができるようになるのです。

それに対してチンパンジーはメス同士の団結を深める機会が少なく、メスは単独でオスを撃退することは叶わないので、反応的攻撃性が高いままだと考えられるのです。

日本人もそれと同じ文脈で、世界的に見ても水資源と自然が豊富な地域であるために、安定した集団が生まれやすく、その結果として団結力が高くなり、村八分のように反応的攻撃性が高い人物を排除する傾向が強まったのではないでしょうか。

そして繰り返しにはなりますが、反応的攻撃性が弱められた結果として、自己家畜化が起こり、その副次的産物として幼若化(童顔など)が他の地域よりも顕著に表れているのではないかと私は考えています。

ここまで長い仮説を読んでいただきありがとうございました。

以上、わんこふの日記でした🐾

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