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住むということ

 今日は出張だった。いつも通りに車を運転して、新聞販売店に行って他愛もない雑談をする。会う人はいつもほとんど同じで、話す内容は本当にざっくばらん。

 こんな出張生活を、担当が変わってから約3年間送っているわけだけれど、会社に居なくていい楽さを感じたり、あまりにも長い移動時間に「他の人はこの時間で働いているんだよな」なんて思ったり。

 固定化された日々のルーティンワークは、心にゆとりを持たせると思う。

 例えば朝コーヒーを淹れる、食事をする、歯を磨く、身だしなみを整えて家を出る。仕事をして帰ってきて、ちょっとその辺を走ってくる。シャワーを浴びて食事をして、本を読んだりアニメを観たりして眠る。そしてその次の日もまた同じように過ごす。

 何度も繰り返していると、当然「飽き」を覚えるけれど、出張が多い僕からすると、その生活がたまらなく恋しいときがある。

 例えば旅先のホテルでも同じようにやりたいけれど、部屋にコーヒーは無いし、朝食はバイキングで食べ過ぎるし、夜は飲み会だったりする。そもそも日々同じ環境じゃないから、いくら慣れているとは言ってもちょっと疲れる。

 コーヒーも朝ごはんも買っておけばいいんだけど、そこが問題というわけでもない。せめて寝る場所ぐらいは、環境を変えたくないなあと思ってしまう。

 日々、同じ場所に住んで、ある程度同じ行動をとる。そこで生まれた余裕から、勉強したり、ちょっと出かけてみたり、本を読んだりする。人間も昔は非定住の狩猟生活を送っていたけれど、今は誰もが定住している。

 心の安らぎとか落ち着きというのは、定まった場所に住むことから来るのだと思う。けど、日々同じすぎても退屈だ。なんだか人間はわがままな存在だなと思いながら、今日は自分のベッドで寝る。

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