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感情を昇華させて新しい時代を創る|ムンクアーティストトレース

叫びで有名なムンク
基本的に彼の有名な作品は暗い印象のものが多く
彼の暗い人生を映し出しているとされています。

そんな彼、生前から評価され
出身国ノルウェーからは国民勲章をもらうほどの地位を築いています。

そんな彼の成功の秘密を探るため、
7月5日開催のアーティストトレース参加し参加者のみんなとトレースしてきました!

彼の成功要因は多々あるかと思いますが大きく2点にまとまると考えています。その前にムンクの人生や性格をざっくりまとめていきます。

ムンクざっくりまとめ

生前成功した画家ではありますが

幼いころの母の死
母代わりだった姉の死
病弱な体質
経済的な貧しさ
父からの宗教的な抑圧
苦しい恋・不倫
家族の精神疾患

など、この世の不幸の8割を詰め込んだような度重なる不幸の中生きていました。
彼の人生は多くの画家の中でも群を抜いて悲惨です。

もろその精神的な病みが作品に表現されています。

そして、それこそがムンクの強みでした。

ムンクのすごいところ、評価された点は
その内面的な負の感情をとがらせて、見つめ続け
作品に昇華させたところでした。

内面を表現する道しるべを作った芸術界の革命家

ムンクの作品で転機になったのはドイツベルリンでの個展。
ここでムンクの絵は論争を巻き起こします。
(ムンク事件と呼ばれているそうです(笑))

そんな賛否両論のなか愛好者も生まれ、
その流れがベルリン分離派などを生みのちの象徴主義や抽象表現主義につながっていったとされています。

そう、新しい流派の元祖になったわけです。
これが物議を醸した第一号的な絵↓

まず、象徴主義や抽象表現主義が今までの芸術と何が異なるかというと
自分の内面を表現していたことでした。

もともとは神をたたえるため、王をたたえるため、
現実世界を忠実に再現するためのアートが存在していました。

それを真っ向から反対するのが象徴主義や抽象表現主です。
今までの常識を真っ向から否定したらそれは賛否両論なりますね。

ただ、ここで注目したいのがこの革新的なアイディアが
受け入れられる土壌ができていたのです。

そこには時代背景と社会情勢が大きく関与していました。

時代とムンクがリンクした。批判哲学の流れ

時代は産業革命・帝国主義真っただ中。
すでに従来型の生活様式からは急激に変化している時代でした。

ただ、その新しい流れのもとである「科学」が
今まで絶対のルール、思考停止のもとだった神を暗に否定してしまっていていました。

それが今までの常識を多くの人が疑い、考えるようになるきっかけとなります。

これが哲学などに繋がり、
かの有名なカントの「純粋理性批判」に繋がります。

そして、その思想をハンス・イエーガーが支持し
彼の思想や彼が主導していた「クリスチャニア・ボヘミアン」、
ムンクの思想の構築に深く関係した参加していた団体まで繋がるのです。

ムンクの根底には常識の否定があります。

この常識を疑う時代の流れこそが
今までの真逆のアートの性質である内面的な表現=ムンクの作品
の評価につながったのではないかと考えています。

そしてこの革新的な流れを生んだノルウェーの画家ということで

彼はノルウェーが国を挙げて支持する画家にまで地位を上り詰めたのではないか?と仮定します。

(国民勲章を精神病院入院中に授与し、
亡くなった後はムンク美術館が建ったりお札の顔になったり、すごいんです。ムンク)

わたし達がムンクから学べること

ムンクはとにかく自分と向き合った人だったのではないかなと感じています。
元々は印象派の手法で絵をかいていた彼。
印象派の手法は光の絵画といわれるように
とても科学的で論理的で彼の表現したいものとは真逆に位置する手法だったらしいです。

多分、もがいていたんだと思います。
たくさん絵をかいてみて、

自分と向き合いながら
いろんな人と交流し、自分自身を肯定したり新たな道を模索しながら

自分の中で消化しきれない感情を昇華させた結果が象徴的で抽象的な表現に繋がったのだと思います。

この自分と向き合うということ。
そして向き合う手段としてたくさんのインプットをすること。

この二つが私たちが社会や人生で参考にできるムンクから学べることなのかなと思います。

蛇足
私はちなみにムンクの晩年の作品が好きです。
理由は苦労の多いムンクの人生が幸せになったんだなってひしひしと伝わってくる作品が多いからです。

では🐊




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