28年間、意味もわからず「いただきます」と言ってきた話。
こんにちは、大暉ブラザーです!
...ブラザーって、何?
実は、僕、最近「罠ブラザーズ」という 『罠を共同保有して、その罠にかかった鹿の肉を分け合う』サービスを利用して、「罠のオーナー」になりました。罠のオーナーは「〇〇ブラザー」と呼ばれます。
この罠ブラザーズの体験が衝撃的すぎて、どうしてもみんなにシェアしたいと思って、このnoteを書いています。
『肉を食べる』ということについて触れるので、もしかしたら気分を害する方もいるかもしれませんが、自分の感じたことをできるだけ素直に表現してみようと思います。
それでは、僕と罠ブラザーズの出会いから、お話したいと思います!
罠ブラザーズとの出会い
罠ブラザーズとの出会いは、2020年夏。
知人の紹介で存在を知りました。
長野の猟師さんたちが運営している、『罠を共同保有して、罠にかかった鹿を分け合う』サービスらしい。
日常の仕事のほとんどを、パソコンを使って行っている自分は、その少し荒々しい響きに、小さい頃の公園で遊ぶときのようなワクワク感を覚えました。
その場ですぐに入会を決めて、BASEにて¥22,000を支払い、さっそく夏の期間の罠オーナーになりました。
罠オーナーになると、Facebookグループに招待されます。
罠の地図には、紹介してくれた友人の名前の隣に、自分の名前が「大暉ブラザー」と記されていました。
おお、、罠オーナーになった、、!
他にも罠の仕掛け方や、場所の選び方、山の見方などが説明されていました。
山に対しての初めての角度からの視点。
罠に対するワクワクは増す一方でした。
別の罠に鹿がかかる
その後も経過報告や、猟師さんの予報などがあり、へえーなどと眺めていると、数日して速報が!
"速報 鹿掛かりました!"
別のブラザーの罠に鹿がかかった様子!!
速報 ということなので続報を待つ..!
暫くするとその様子がYouTube動画としてFacebookにアップされました。
うおっ、どうやって倒すんだろう、、!
動画には 罠にかかった鹿と、トンカチをもった猟師さんが映されていました。
鹿はーーーー
ものすごく怯え、
必死に逃げようとしていました。
猟師さんがゆっくりと鹿に近づく...。
鹿はなんとかして逃げようとする。
しかし、足には罠。
これでもか、というくらいに飛び跳ねるが、罠ははずれそうもない..。
猟師さんが鹿と対峙し、トンカチを振りかざして鹿の頭を叩く。
鹿が気を失って倒れるーーーーー
そこからあっという間に、
鹿は 『いきもの』から 『たべもの』に変わりました。
動画は、あまりに衝撃的でした。
ビジュアルの衝撃というより、コトとしての衝撃ーー
何よりも、怯えて逃げようとする鹿と、素手とトンカチで対峙する猟師さんの絵が、頭にこびりつきました。
罠ブラザーズの期間が終わる
僕が入ってから半月ほどで、その期の罠ブラザーズが終了しました。
僕の罠は惜しくも0頭でしたが、他の罠は1〜3頭かかりました。
罠の肉はみんなに分配ということで、最終的には小さいダンボール一箱分くらいの冷凍された鹿肉が届きました。
少し脱線しますが、ここで不思議だったのは、僕が肉の量をいっさい気にしなかったこと。
肉はおまけでついてきたんじゃないかと思うほど、オンラインで見た狩猟体験が面白かったのでした。
とはいえ、やっと届いたお肉、楽しみにしていたので早速食べたい!
ダンボールの小箱に、鹿肉は塊肉や、ハンバーグ、ソーセージという形で梱包されていました。
鹿肉である点を除けば、スーパーでも見かけるような普通の冷凍肉です。
しかし、その小さなダンボールが僕にはどうしても重く感じました。
動画で見た、あの鹿の逃げようとする姿が頭から離れないせいだったと思います。
実食と感想
解凍した鹿肉を、添付された調理方法に沿って焼きながら、気がついたことがいくつかありました。
そんなことを考えながら、鹿肉をお皿に盛って席につき、何気なく『いただきます』と言いかけて、ハッとしました。
『いただきます』って何だっけ?
ーーどうしたら、あの鹿と、等価交換であれるのだろうか?
ただ、すでに、いのちを頂いてしまっている...。
そんな中で、どうやったって等価交換になんか、なるはずがない。
そこにあるのは、僕が生きるというエゴのために食べる、という事実。
僕には、感謝して食べることしかできない。
そしてそこで初めて気がついたのです。
僕は、それをちゃんと理解せずに、『いただきます』を使ってきていた。
罠ブラザーズで見たもの
なぜ僕は『いただきます』について改めて考えさせられたのか。
それは、「自分が食べる肉の、生前の姿を見た」のが初めてだったからだと思っています。
これまでの人生では「お肉」だったのが、急に「アイツ」に変わったのです。
自分と同じ様に、生きていることを目の当たりにしてしまったからです。
僕は普段、そういった全ての怖い部分や嫌な部分を見ずとも、ヘラヘラと命を食べられる環境で生きている。
特に東京はそういう「本当は大切な過程」の排除に満ちている。
それでもそんな東京で、大切なことをひとつ、思い出すことができたと思いました。
こんなふうに『いただきます』について考えさせられた上で、美味しいお肉を食べられるのだとしたら、これを体験しないべき人などいるだろうか...?
いや、いないっ!
日本の精神だと何度も聞いてきた『いただきます』の、本当の意味を教えてくれた「罠ブラザーズ」を、もっと多くの人に知って欲しい。
そう思って、今僕はこのnoteを書いています。
君もブラザーにならないかい?
現在、罠ブラザーズでは冬のブラザーを募集中!(4月30日まで)
罠ブラザーズ WEBサイト
BASEで罠を購入すると、罠のオーナーグループに招待され、すぐにブラザーになれます。
5月31日まで、グループ内で狩猟の追体験をすることができ、罠に鹿がかかると、5月〜7月ころに、お肉が送られてきます。
一人で参加するもよし、家族にシェアするもよし、グループで参加するのもよし、です。
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きっと罠ブラザーズで感じることは人それぞれだと思います。
上に書いたことはサービスとしての正解ではないし、かといって間違いでもない、ただ僕という一人のユーザーの感想です。
なので僕はみなさんに是非、このサービスに参加してもらいたい。
そしてその上で、感じたことについて一緒に話がしたい。
罠は買わないけど、面白いと思った、という人でも、ぜひDMやスキください。
僕はここに、東京で忘れられかけている、なにか大切なものが眠っていると、信じています。
2021.03.31
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