見出し画像

〝登校拒否〟は子どもたちの意思表示。学校教育変革ムーブメント、【トーキョーコーヒー】を知る

7月上旬、新幹線と在来線を乗り継いで、奈良県生駒市を珍獣ズと訪れた。
一番の目的は、【トーキョーコーヒー】を体感することだった。

トーキョーコーヒーとは、登校拒否――『学校に行かない』選択をした子どもたち、の〝親〟が主に集まって運営する居場所。
大人たちが交流したり、それぞれの得意技を持ち寄ってワークショップをしたりと活動する。
そこに子どもたちも来て、自由にそれぞれの時間を過ごせるという。
何をしても・しなくてもいいし
好きなことややりたいことがあれば、大人が協力もする。

「安心があって初めて意欲が高まる」

この、トーキョーコーヒーというプロジェクトを立ち上げたのは
吉田田タカシさんという生駒在住のアーティストだ。
ミュージシャンであると同時に、20年以上前から【つくるを通して生きるを学ぶ】をテーマとするアートスクール、『アトリエe.f.t』を運営している。

「勉強が嫌い」
「じっとしているのが嫌」
「集団が苦手」…etc.

アトリエe.f.t.には、そんな様々な理由から学校に行かない子、社会的マイノリティの子どもたちもたくさんいて
だけど、どの子も生き生きと学んでいるという。

そこには
自由で、1人ひとりの個性=多様性が認められる環境の中で
「ここに居ていい」という安心感を覚え
自信をつけていき
やがて、主体的に学び出す
――という過程があるらしい。

「まず、安心があって初めて主張や意欲が高まります。
どんな子も『安心していていいんだ』と思える場所にしか、能動的な学習はありません」(吉田田タカシさん)

作業する大人の傍らで、自由に遊ぶ子どもたち

吉田田タカシさんは、アトリエe.f.t.とは別に
生駒駅からほど近い山の中で、古民家とその周辺を含めリノベーションするプロジェクトも手掛けている。
その開催時、改修や片づけなどに大人たちが汗を流す傍らでは
子どもたちが虫探しや川遊び、はたまたYouTubeに夢中になっていたそうだ。

子どもたち自身に、そこに来た明確な目的はなくて
あくまで「親についてきた」だけだから、何をやっても・何をやらなくても、誰も何も咎めない。
そうして自由に振る舞う子どもたちを、親に限らず参加した大人たちが
命に関わるケガだけはしないよう、それとなく見守っている――。

そんな光景が、自然に出来上がっていったのだという。

この光景を、例えば我が子の不登校に悩むお母さんなど
大人たちがちょっとずつ力を出し合い、全国につくり出せたら
学校に行かない選択をしている子どもたちの、日中の居場所になるし
お母さんたちの心理的・物理的負担もきっと減るだろう。
そして、『学校に行かない』という選択や
ひいては学校教育の在り方についても、世論が深まるかもしれない。

…そんな考えのもとで(たぶん)、トーキョーコーヒーのプロジェクトが動き出した。
すでに、全国数十か所でトーキョーコーヒー発足の準備が進められているという。

-------

我が家の珍獣ズは登校拒否以前に、そもそも学齢期に達していない。(笑)
ただ、私自身、もともと公教育に疑問や違和感を抱いてきたから
「学校に行かない」選択に対する偏見は、まったくない。
仮に珍獣ズが公教育ルートに乗った後に、不登校を選んでも
驚かないというか、むしろ想定内だと思うだろう。

ただそうなると、日中は何をして過ごせばいい?
というか、仕事は?
わたしの時間は、どうなる?( ゚д゚)
…とは、ぼんやり考えていた。
そこでトーキョーコーヒーを知り、「最高じゃないか!( ゚∀゚)ウヒョー!!」となり
来春以降の身の置き場の選択肢の1つとして、検討している。

それから、トーキョーコーヒーというミクロの動きが面的に広がったら
確かに、公教育の在り方に対する議論が巻き起こると思う。
その先に、例えば
「多様性の尊重」がスローガンでなく、実践されたり
子どもたちがそれぞれの「好き・得意」に没頭できたり
…みたいなことが公教育で実現したら、とても素敵だ。

別にわたし自身、公教育を全否定しているわけじゃなくて
もっと楽しく、『自分の人生を生きるための土台づくりができる場所』にアップデートしていったらいいな、と思う。

トーキョーコーヒーが本格始動するのは、たぶん今秋以降だけど
このプロジェクトが生まれるきっかけとなった活動が既に生駒で開かれていたので、現地で体感してみたいと考え、生駒に足を運んでみた。

(参考「登校拒否の子の声から大人が学ぶ場、トーキョーコーヒーを全国に作り教育の選択肢を!」
https://camp-fire.jp/projects/view/605430)

よろしければ、ぜひサポートをお願いいたします。 電話代をはじめ、「教育行政かわら版」の取材経費にあてさせていただきます。 100円などでもとっても助かりますし、お気持ちを大切に巡らせたいと思います。