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トーキョーコーヒー体験記 世代の垣根取り払えば、子どもの世界は広がる。~我が家のオルタナティブスクール探し~

来春に就学年齢を迎える珍獣(兄)の、学び(遊び)場探しを軸に
移住先を目下検討中の我が家。
『トーキョーコーヒー』(=登校拒否…『学校に行かない』選択をした子どもたち、の〝親〟が主に集まって運営する居場所)を選択肢の1つとして考えている。
そこで7月上旬、トーキョーコーヒー生駒①(生駒での古民家リノベーション)に、珍獣ズと参加してみた。

自分のペースで〝今〟を過ごす場所

古民家の所在地は、生駒山の中腹。
賑やかな駅周辺と打って変わり、ザ・山だった。
生駒は、都市と自然が驚くほどの近さで共存している街だと知った。

山中の古民家に到着後、趣旨説明や自己紹介を経て活動スタート。
子どもは、未就学児を中心に6人くらいいたと思う。
この日は、改修に使う古材を車から運んでくる作業が中心だった。

らしい。

珍獣ズが人&場所見知りの才をいかんなく発揮し
わたしは作業にまったく関われなかったので、何をやっていたのかよく知らない。Ω\ζ°)チーン
見知らぬ人ばかりが集う見知らぬ土地に突如連れてこられたのだから、当然の反応だ。

2人は
『気になる。でも近寄りがたい』みたいな心境だったようで
山道に座り込んで、クワガタを愛でたり
古民家から数十メートル降りたところにあるせせらぎで、遊びんだりしていた。

この間、木材を運ぶ面々が山道を往復しており
こちらに笑顔を向けてくれたり、ひと声掛けてくれたりした。
でも、それ以上、踏み込んだ声掛けはなかった。
例えば「こっちおいでよ」「こっちの方が楽しいよ」とか…。
その距離感が、わたしには心地よかった。

特に珍獣(兄)はもっと小さい頃から
親子広場などに行けば必ず癇癪を起こし、絶対に輪に入りたがらなかった。
そんな時、周りの大人は、何とか輪に入れてくれようとした。
それは親切心以外の何物でもないのだけれど
わたしはどうしても、『周りに気を遣わせている』と感じてしまい
いつも気疲れしていた。
自分たちのペースで、輪に入るタイミングを計りたかったし
入れなかったとしても、それはそれで悪くないとも思っていた。

一方、ここでは
子どもだけでなく大人も、何をやっても・やらなくても自由。
皆が自分のペースで〝今〟を過ごす。

そんなトーキョーコーヒーの思想の一端を、初めて肌で感じた気がした。

未就学児、大学生、小学生、大人…

お昼時。
古民家内で、チロル堂のお弁当をいただき
更に、参加者が持参してくれたスイカを皆で頬張ると
珍獣ズの心もいくらかほぐれた様子。
古民家のすぐ下を流れる小川で、子どもたちが遊んでいる中に何となく入っていった。

珍獣(兄)と同じ年長の男の子と、まだよちよち歩きの男の子、お母さんたち
そして、大学生のお兄さんが1人いた。
〝遊んであげる〟風では決してなく
子どもたちと混ざり合って、水遊びに興じつつ
ぐずっている子がいれば、それとなく寄り添う。
お兄さんの、そんな自然体での関わり合い方が印象的だった。

珍獣ズも懐き、わたしが古民家に荷物を取りに行った際も
お兄さんのおかげで騒ぎ立てずに待っていた。

やがて雨が降り出したので、屋内に退避。
午後からの参加者も多く、小学生以上の子どもたちもたくさん来ていて
あちこちで談笑したり、ゲームをしたり。
自由な空気感が更に増していた。

わたしも、参加した1人の女性と話し込んだ。

ここにやって来た経緯、
ワンオペ育児の苦労、
『母』以前に1人の人間として、日々を楽しむことの大切さ。

お互いの境遇や考え方に、共感し合う中で
知らず知らずたまっていたうっ憤が晴れていった気がする。

その間、珍獣ズはと言うと
参加者の男性が、椅子でくつろぎながら構ってくれていた。
そのうち、2人は小学生たちのゲームに興味をもち、覗き込みに行ったり…。
段々と心のガードが外れ、好奇心が勝り始めているのが伝わってきた。

子どもの世界と大人の世界 〝垣根〟低くて良いのでは?

〝世代ごちゃまぜの放課後〟

1日を通じて、わたしはトーキョーコーヒー生駒①に対してそんなイメージを持った。
大人は、同じ作業をしている人たちも、散らばって別行動をとっている人たちも
それぞれが自由を感じているからか
穏やかな表情ばかりだった気がする。

子どもにとっても、親以外のいろんな大人と場を共有する中で
構ってもらったり
大人のやることをじっと観察したり
大人同士の話に、耳を澄ませることがあったり

…みたいな場面が、きっと様々あるだろう。

そんな風に、大人の世界との垣根が、いい意味で低いことが
きっと子どもの世界を広げるだろうな、と思った。

トーキョーコーヒー生駒①が、もし日常的に開かれていたら来年度から継続参加したいけれど
従来通り、当面は月1の頻度で開催予定とのこと。
ほかに日常的な居場所やコミュニティを見つけない限り、我が家がここ生駒へ移住するのは現時点でハードルが高い。

でも、わたしたちが得たものは本当に大きかった。

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