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#63 僕がソムリエになった理由

僕がソムリエという仕事を知ったのは
フジテレビで1998年に放送されていた元SMAPの稲垣吾郎さんが主演を務めていたテレビドラマ【ソムリエ】が初めてでした。当時僕は高校生、ソムリエという職業のことなど知る由もなく、勿論ワインについての知識などあるはずもなく、ワインとは掛け離れた家庭環境にいた為、普段の生活でワインを目にする機会もなかったように思います。
そんな僕が数年後ソムリエになるなんて、当時ドラマを観ていた自分からしてみると、とても信じられないと思います。「このドラマがきっかけでソムリエに憧れてこの仕事を選びました」的なストーリーだと美談として語られやすいと思うのですが、僕の場合は全く違い、美談で語られる話でもなんでもなく本当に成り行きです。そんなワインとの出会いを今回は語っていきたいと思います。
#美談で語れたら素敵なんだけどな

僕は20歳からバーテンダーとして働き出します、当時は2000年で【ミレニアム】という言葉が大流行していました、1000年に一度の【ミレニアム】という特別な年、僕が務めていたBARではよくシャンパンが売れていました、当時は2000年を記念した特別仕様のシャンパンが売られており、僕も何度かご相伴にあずかりました、その時初めて味わったシャンパンの味に強い衝撃を受けました「シャンメリーと全然味違うじゃん!」ちなみにシャンメリーとはクリスマスとかに飲むノンアルコールの炭酸飲料です、その見た目からもおそらくシャンパンに似せているのでしょう。とにかく僕は一口飲んで衝撃を受け、それからシャンパンについて調べだすようになりました。
因みにその時飲んだシャンパンはヴーヴクリコのミレニアムキュヴェでマグナムサイズ(1500ml)でした。ネットで調べたらまだ売っていました、あれから20数年経ち、一体どんな味になっているんでしょうね。
#20歳でシャンパンってセレブかよ

それからというものシャンパンに取り憑かれた僕は、様々なシャンパンを買っては飲む、のサイクルをひたすら繰り返しました。さらに僕の先輩に当たる三つ年上のバーテンダーの兄弟子がとにかくシャンパン好きで、2人で本当に毎日シャンパンを飲むようになります。その当時は今よりもワインの本や、ワインに関連した教材もなかったので、ひたすら世界の銘酒辞典を見ながら、そこのっているシャンパンを片っ端から買って飲んでいきました。当時は今ほどシャンパンの種類も多くなく、数は限られていましたが、その多くを飲んできたと思います。とりわけ僕たち2人がハマったのは【サロン】と言うシャンパンで、今でこそ1本何十万円という貴重なものですが、当時は数万円で買えていました。この【サロン】というシャンパンにハマってからというもの、ますますワインに対しての興味が高まってきまして、それからはワインの勉強を始めるようになります。
#シャンパン沼にハマる20歳

そしてある時僕の兄弟子の高校の同級生で居酒屋経営をしている友人の店に行き(この人もシャンパン好き)いつものようにシャンパンを飲んでいる時、ある漫画の存在に気がつきます、その兄弟子の友人が当時読んでいたのが【瞬のワイン】という漫画で僕が高校生の時にテレビドラマで観ていた、【ソムリエ】の原作者が書いた漫画でした、その存在に気がついた僕は、その漫画を取り上げ(雑!)読み漁ります、ワインの知識に飢えていた僕は無心になりひたすら読み漁ります。その漫画に取り憑かれた僕は、【瞬のワイン】を全巻買いをしました、とはいってもまだ3巻くらいまでしか出ていませんでしたけど。その漫画にはストーリーの合間にコラムがあり、ワインの誕生ストーリーやちょっとした豆知識などがあり僕の知的好奇心を刺激しました。さらに知識に飢えていた僕はワインスクールに通うことになります、そしてソムリエ試験を受け無事合格し今に至ります。かれこれソムリエとして20数年やってきて思うことは、好きでないとこの仕事は続けられないということです、今までに夢半ばで挫折した同業者や、連絡の取れなくなった友人、独立したは良いがその後廃業してしまった友人、この仕事は一見華やかそうなイメージがあるけれども実は毎日は地味であること、高校生の頃にテレビドラマで観た稲垣吾郎さんが主演をつとめる主人公【佐竹城】みたいな世界ではないことがわかりました。しかしながら僕が今でも飲食の世界にいるのは最初に出会ったシャンパンを飲んだ時の衝撃が忘れられないからだと思います、そしてその頃ハマったシャンパンを共に飲み明かした兄弟子やその友人達との思い出が今の僕を形作っているからであり、常にその当時の想いを忘れないようにしています。
#シャンパンとの出会いが僕を変えてくれた

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