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【沖縄旅行記 #1】踊る阿呆に見る阿呆、徹夜で運動する阿呆


経緯

2022年の悲劇

2022年夏。日本では急激に新型コロナウイルスの患者が増えた。今や懐かしいオミクロン株だ。

これのせいで日常が送れなくなった人も相当数いるだろう。私もその一人だ。

7月16日に初めてコロナウイルスに感染した。
2週間ほど床に伏せってしまい、私は仕事も遊びも何もかもできなかった。そんな私を支えてくれたのは「8月末に沖縄全島エイサー祭りで踊れる」ということだけだった。

徐々に回復し、日常生活が送れるようになったかという8月初旬。私に一つのお知らせが届いた。

「(2022年)第67回沖縄全島エイサー祭りの8月開催を見送ることとなりました」

理由は新型コロナウイルス感染者が沖縄で激増したこと。こればかりは仕方ないが、私はここから半年ほど何を支えにして生きていいのかわからなくなってしまった。

なぜそこまで深く落ち込むかというと、大学時代にエイサーに出会ってどハマりし、沖縄民謡を覚えたり他の団体の踊りを覚えるなどあらゆる要素から興味を引き出されてしまい、今やライフワークとなっているからである。
そのため1ヶ月に数回はエイサーを踊っている。


余談だがエイサーについては弊記事にて説明している。そこそこ詳しく説明していると自負しているので、興味があれば読んでいただきたい。


さらに「沖縄全島エイサー祭り」にこだわるのは、そんなエイサーに惹かれた者たちが出演を渇望する一大イベントだからである。おそらくエイサーのイベントとしては一番大規模ではないだろうか。
しかし、同時に格式も高いため、現地の歴史ある団体が出演枠を占め、外部の団体が出演することはなかなか難しい。

そんな中、私が所属する団体の親団体が出演できるようになった。さらに子団体の我々にも声が掛かるときた。これは出ない手はない。

それがまさかの日程変更である。しかも10月。出られない。

こんなのは落ち込んでしかるべきなのだ。
だから2023年はコロナウイルスの感染者が増えないことを切に祈って年を越していた。

東京エイサーリベンジャー(ズ)

2023年6月。エイサー自体はコンスタントに踊っていたが、沖縄全島エイサー祭りのことが頭から抜けていた私に朗報があった。

「今年も出られるから出てみないか?」

私は「今年出なければ来年出ているかわからない」と思い、すぐさま応募した。

沖縄と言えばリゾート地というイメージが強く、風光明媚な景色を観に観光目的で赴く人が多いだろうが、「エイサーがしたい」というだけで沖縄に行く人はどれくらいいるだろうか。きっとそう多くはないだろう。

こうして、沖縄行きが正式に決まった。

今年の沖縄全島エイサー祭りのチラシ

沖縄までの道中で

徹夜

来たる9月10日の朝。私は絶望していた。

9月9日の夜に飲み会に行って、5時間は寝られるだろう時間に布団に入ったが、一睡もできなかったのである。

昨年コロナウイルスに感染してから度々一睡もできないことがあるのでコロナのせいだと思っている。
…おそらく違うが。

とはいえ普段なら全く問題にしないのだが、今日は沖縄までの長旅に加えて体を激しく動かして踊るのである。一睡もせずに行くのはとてつもなく危険な行為だ。

頭を抱えながら、朝6時50分にまだ起きたくないと布団にくるまって意思表示する体を叩き起こした。
その後睡魔に襲われつつもゆとりを持って起きたという意識もあり、ゆったりと顔を洗ったり荷物の最終確認を行うなどしていた。気が付くと7時50分頃である。
フライトは10時15分だ。大体9時30分までには空港に着かなければならない。家から空港までは約1時間15分ほど。そしてその時私は朝ごはんも食べておらずパジャマから着替えてもいなかった。

初日からさっそくやらかした。

急いで準備をして、スーツケースを乱暴にひきづりながら走って駅に向かいなんとか9時20分に着く電車に乗れた。
お盆を過ぎて学生の夏休みも終わった日曜日だというのに、大きな荷物を抱えた人が多く乗っている京成線は座る場所が終ぞ見当たらなかった。立ちながら眠ることができないので脳を休める暇もないまま空港に到着した。

三重苦

空港につき、搭乗券の予約メールを確認すると私が乗る飛行機はPeachであった。自然とLCCを選んでいるこの貧乏性よ。

前回高知に行った時Jet Starに成田空港の第3ターミナルから搭乗したため、何も考えず第3ターミナルへ来た。

さあチェックインだと意気込んであたりを見回すが、「Peach」の表記がない。

・・・おや?

急いでスマホで調べるとPeachの搭乗口は成田空港の第1ターミナルなんだそうだ。なぜこうも思い込みで行動するのだろうか。

今日すでに2回目となる全力疾走をして、ターミナル間の連絡バスに乗った。第3ターミナルに着いたのが9時30分頃で第1ターミナルに着いたのが9時45分頃。悠々と朝ごはんを食べる計画を立てていたが当然頓挫し、機械のチェックインでエラーを起こす不運にも見舞われつつ窓口に赴いた。

私がやっとチェックインできたのは9時48分頃だった。この時受付スタッフは明らかに慌てており、徹夜で頭も回っていない自分には状況が理解できていなかったのだが、なんと保安検査場を閉めるのが9時50分なのである。
もっと冷静に考えればわかる事だったが、徹夜明けはいけない。人を簡単にポンコツにする。
というわけで各方面に迷惑をかけながら飛行機に乗り込んだわけである。

徹夜明け・ターミナル間違い・遅刻寸前。まさに三重苦である。
正直振り返ってみると高知の時よりてんやわんやしているが、徹夜明けのポンコツなので全く慌てていなかった。

(この時手荷物を預ける予定ではなかったため、機内にスーツケースを持ち込もうとしたが、制限重量が0.5kg越えていた。さらにすでに荷物を整理する時間もないため泣く泣く3500円を追加で支払って預託物に出した。今後の教訓になったことは言うまでもない。)

搭乗前最後の力を振り絞って撮った写真

エイサー前に大騒ぎ

ギリギリ

飛行機は那覇空港に14時30分頃に到着した。もちろん飛行機内ではずっと寝ていた。

そのおかげか頭もスッキリして早速預けている荷物を受け取り、空港を出ると、沖縄特有の生温い湿気を帯びた風を浴びることになった。
年数にして6年と半年ぶり。私は帰ってきた。

那覇空港の滑走路。少し怪しい雲がいた。

手荷物を回収するのに30分ほど待たされたが、それ以外はレンタカーの手続きがものの1分くらいで終わってすぐ出発でき、ホテルもレンタカーショップからすぐ近くであったため、チェックインと衣装などを手提げ袋に詰めるなどの準備を15時10分までに終えることができた。

久々のゆいレール

そこから友人をピックアップして、沖縄自動車道を西原ICから向かうこと20分。16時頃目的地の最寄りである沖縄南ICを降りてすぐのグラウンドに到着した。

最終集合時間が17時30分であったため、余裕だと思っていた。この時までは・・・


友人と腹ごしらえでもしておこうと近所のコンビニで軽食を買い、車を駐車するため会場付近のコインパーキングを探した。
沖縄は交通手段が車以外にないのでバスやタクシーが充実しており、何より個人での自動車保有率も当たり前だが高い。そのためコインパーキングも至る所にあり、ゆいレールが通っている観光地国際通りの周りにもコインパーキングが並んでいる。

そのため駐車も余裕だと考えていたが、これが完全に油断だった。

沖縄全島エイサー祭りは一部地域のお祭りではなく、沖縄全体のお祭りである。そのため南は糸満市や南城市、北は名護市や大宜味村などからも団体が参加する。ということはそこから沖縄市にエイサーを観に来る人もいるということだ。そしてそれらの人の交通手段は車で、いくら会場が大きなグラウンドとはいえ全員分の駐車スペースなど存在しない。当たり前のように周囲のコインパーキングは埋まっていく。

これが午前中なら良かったが、夕方で地元の人が仕事が終わって集うタイミングだった。その結果周囲5kmの範囲でコインパーキングを探したがどこも【満車】の表示。悠々とコンビニに立ち寄っている場合ではなかった。

その後人の通りが多いコインパーキングの側で路上駐車をして、空いた瞬間に入りなんとか駐車ができたものの、時間はすでに17時20分。さらにコインパーキングは会場から徒歩15分くらいの少し遠い場所にあった。

会場に到着したのは17時40分。遅刻だ。そこから着替えてなんとか交流して18時。

朝からずっとギリギリでいつも生きている。脳内でReal Faceが流れた。


演舞

感想や全島エイサー祭りについてはこちらの記事で紹介しています。
ただ演舞に出た感想としては「もう出られたのが奇跡。当日徹夜してコンディションも万全じゃないのに力強く踊れた」ということを興奮気味に書いています。

(※一緒に感想も書こうと思いましたが、「そもそも全島エイサー祭りについて説明しないとな〜…ああ!あれもこれも書かないと!!」となってしまい短い文でまとめきれなかったので別で書くことにしました。ご容赦ください)

祭りの最後には花火とレーザーショーがある。とても綺麗なのでおすすめ。

祭りの後は・・・

当然打ち上げである。とは言っても車を運転しているのでお酒は飲めない。

本来なら一緒に踊った人たちと色々話をしておきたいところだったが、明日仕事があるという友人を沖縄市から那覇まで送らなければならない。そして何よりあまりにも眠たかったため、二時間半ほどしてからホテルに戻った。時刻はとうに午前3時を超えている。

汗をかいているため残った体力でシャワーを浴びたが、いつもは念入りに乾かす髪もそのままにベットに寝転がった瞬間寝ていた。そりゃそうだ。

ちなみに打ち上げの方は23時に始まり、なんと翌朝6時まで飲んでいたらしい。うちなんちゅ、とんでもないバイタリティである。

何はともあれ、沖縄に来た最大の目的を達成したし、何よりとても楽しかった。
この思い出は一生ものだと自信を持って言える。

そして、明日からは沖縄観光を楽しむとしよう。

あまりにも要所要所で急いでいたので全然写真撮ってませんでした…
花火でお茶を濁します。

次回!!!2日目「It's a small world」!!!!お楽しみに!!!

↓二日目の記事です。




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